陸上自衛隊小倉駐屯地◆小倉米軍キャンプ黒人米兵集団脱走暴行事件

小倉南区にある陸上自衛隊小倉駐屯地。
旧陸軍小倉聯隊の拠点でしたたが、敗戦後にGHQに接収されました。
朝鮮戦争時には米軍の重要拠点の一つとなりました。

◆小倉米軍キャンプ黒人米兵集団脱走暴行事件
昭和２５年７月１１日深夜城野補給基地から
完全武装した黒人米兵が４～５人ずつに分かれて
基地の金網を乗り越えて200～250人が集団脱走。

この黒人米兵は前日の10日、岐阜から移送されてきたばかりで近日中に朝鮮戦争の最前線に送られることになっていた。
黒人米兵達は極度の緊張と不安、そして恐怖の中にあった。

折りしも、小倉市では「祇園祭り」の準備で街の中心から祇園太鼓の音が基地にまで聞こえてきた。
このリズムが黒人米兵達に刺激を与えたのだろうか？
基地から脱走し逮捕されれば軍法会議で、極刑もあることを知りつつ集団脱走を敢行した。

集団脱走した黒人米兵は太鼓の音がする街中とは反対の方向へ逃走した。
完全武装した黒人米兵は土足で民家になだれ込み略奪、傷害、夫・子供の前で婦女暴行の限りをつくした。
一方、米軍基地では集団脱走が発覚するとＭＰ（米軍警察）が現場に急行し、翌１２日の夕方までに全員を逮捕し基地へ連行した。

この黒人米兵は１４日には朝鮮の前線に移送され、その殆どが戦死したという。

これだけの大事件でありながら警察への届は僅かに７０件で、新聞などのマスコミも記事としては大きく扱わなかった。
当時のＧＨＱが報道管制をしたことは想像がつく。

当時、朝鮮戦争で戦死した兵士の遺体は一旦ここに安置され、内臓はこの地で焼却処分し遺体は本国へ送られた。
焼却時のひどい匂いがあたり一面にしたそうです。

※敷地内にあった歩兵第十四聯隊慰霊碑。