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2023年01月26日

スズキ水冷16バルブ4気筒250㏄エンジンの系譜

スズキ水冷16バルブ4気筒250㏄エンジンの系譜 ZX25Rが発表され早くも2年の月日が流れましたが250パラフォー市場の相場は依然として高いままでほんの数年前までゴミ同然の値段だったホーネットやバリオスの値段は100万を超えるものもある始末…

そんな250㏄4気筒クラスでお手頃価格を維持し続けるバンディットのエンジンの歴史をざっくりした部品ごとにパーツリスト等からまとめてみました。

※注意 個人の備忘録としてまとめているだけかつ未検証・誤記の可能性があります 

J703alt
スズキ水冷16バルブ4気筒250㏄エンジンの始まりはGSX-R250(GJ72A)J703型で、完全新設計のエンジンとして搭載されました。先代のGF250からの最も大きな変更点はビックボア&ショートストローク化とそれに伴うシリンダーピッチの変更です。これによってエンジン内部も外部もまるっきり互換性がありません。(でもクラッチカバーやマウント、ステータカバーなんかの穴のピッチは画像で見ると似ている)スズキもエンジンの幅が大きくなったことを気にしてかGF譲りの2バレルキャブでできるだけスリムに収めようとしています。
このエンジンをベースに改良されていきます。

J704
alt
レプリカブームなので2年でモデルチェンジされGSX-R250R(GJ73A)J704型となります。たったの2年にもかかわらずエンジンの変更点は多岐にわたり、ヘッドはタペットシムとカムスプロケット以外の動弁系は全て変更され、フレームに固定するためのマウントが追加されています。インテークポートもストレート化されキャブはBDST32(COBRAはキャブが絞ってある、みたいな情報がありますが少なくともパーツリスト上では同一・実車も同一)に変更されシリンダーにIN側バルブの逃げが追加されます。
ヘッドの仕様変更に伴いピストン・コンロッドも変更されていますが圧縮比は変わっていません。外観は同じなのでまあどこかが変わっているのでしょう(適当)。パーツリストの絵を見る限りでは点火プラグ周辺の形状が変わっていますが…
クランクは軽量化が施されメカニカルロスの低減を図っています。カタログによるとこれで最大許容回転数を500rpm高くできているそうです。メタルは同じなので恐らく互換性があると思われます(未検証)パーツリスト上でも形状がかなり変わっており、見るからに軽そうです。クランクの変更に伴ってジェネーレータホイールとジェネレータも変更されています。ウォーターポンプも変更されR400と同一品番になります。ここまで変わっているので当然ですが、点火信号系の部品も変更されています。ちなみにレブリミッターはメータ上18000rpmで作動します(メータ上というのは純正メータは完全に正確には表示しないようにしているから真偽がわからない)
SP仕様だとハイカムになっているとの情報がありますが、球が少ないのとSPのパーツリストを持っていないので確認できていません…
//23.04.29追記
ハイカムにはなっていません。(ハイカムなのはGK73ASPと思われる)

標準車とSPの違いは
・クロスミッション
・カートリッジ式フロントフォーク
・調整式リアサス
・エアジェットが交換できるキャブレター
・シングルシートカウル
・ゼッケンスペース
・ステムがアルミに
小物部品でいうとタンデムステップが撤去・キャリパーを固定するボルトがキャップボルトになっています。

…今となっては普通のバイクなら標準装備なものばかりですね。



J705
alt
GSX-R250R発売からたったの10か月後にBandit250(GJ74A)が登場し、J705型エンジンが搭載されます。これはJ704をストリート向けにリセッティングしたエンジンです…と言いつつエンジンで変わったのはクランクとギア比くらいで、かなり尖ったエンジンです。カムはそのままかつインテークポートはストレート形状のままですがキャブがBDST30に変更されていることから吸排気でパワーを絞っているようです。
クランクはGJ72Aのものに先祖返りしていますがそのおかげでエンストしづらいし、現在でもジェネレータホイールが手に入ったりするのでストリート向けなら妥当な変更でしょう。シグナルロータはGJ73Aと同一ですがイグナイタが変更されています。91年のLimitedではキャブのPJの小径化とクラッチカバーがツルツルになり、オイル注入口が高くなるという非常に地味な変更をされています。
なお、40馬力仕様ではカムとシグナルロータとイグナイタが変更されています。クラッチカバーがLimitedと同様になっているので見分けるのは容易いでしょう。

J706
alt
90年、スズキは矢継ぎ早に新バイクであるアクロスを投入しエンジンはJ706型を搭載します…が正直GJ72Aの焼き直しです。2バレルキャブはそのままでIN側カムシャフトとクラッチカバーやジェネレータカバーとシグナルジェネレータとイグナイタが専用品に変更されています。クラッチカバーは後にLimitedに流用されます。45馬力と40馬力仕様がありますが、パーツリスト上での違いはキャブくらいしかないみたいです。

J707
alt
ニューモデルラッシュの〆はGSX250S刀でJ707型エンジンを搭載します。J705型をベースとしたエンジンで、今までの地味な改良はコイツのためにあったのでしょう。エンジンは空冷チックな造形にされているのですが(他は油冷風のピッチの小さいフィン)なんとフィンがエンジンのマフラー側までしっかり回り込んでいて金がかかっています。マフラーを美しく見せるためにエキゾーストポートの角度まで変える始末(その割にかっこよくないけど)キャブもホリゾンタルのBST29に変更され1100を忠実に再現しています。カムシャフトも刀専用に作られ、中低速よりにリセッティングされています。当然カムが変わっているのでシグナルロータとイグナイタが変更されています。このカムとシグナルロータとイグナイタは40馬力仕様のバンディットにも使われています。バルブスプリングが刀になって変更されているみたいな話がありますが、デマです。バルブスプリングはGJ72A用とGJ73A用しかなく、刀に使われているのはGJ73A用です。

J708
alt
狂乱の時代が終わった95年、バンディットがフルモデルチェンジされGJ77Aになります。これに搭載されるのはJ708型エンジンで今までの安っぽい造形(刀を除く)から一転、しっかり油冷っぽいエンジンとなります。大きな変更点はバルブの駆動方式が直打式からロッカーアーム式になったことです。VCを仕込むためでしょうね。当然カムもバルブも専用品に変わっていますがスプリングだけなぜかGJ72A用に先祖返りしています。キャブが刀と同じBST29に変更されますが、VC有り無しで品番は一緒のようです。400のVCはスロポジでも動作を判断しているようでしたが250は回転数だけなんですかね?ここにきてブローバイの処理方式が変更されています。クランクの品番が変わっていますがメタルは同じ品番なのでやはり腰下はほとんど触っていないようです。イグナイタはVC有り無しで異なりますが、シグナルロータの品番は同一です。(40馬力仕様と同じ)
これがスズキ製水冷16バルブ4気筒250㏄エンジンの最終形態です。


部品の互換性(刀に流用する前提で調べています)
腰上
GJ73A/74Aのヘッドのフレームマウント位置は共通です。(77Aの位置は調べていませんが恐らく違う)
GJ73A/74Aのインシュレーターは品番が異なりますが内部の寸法は同一なので74Aに73Aのキャブ、そのまた逆ということができます。

カム
GJ73A/74Aの45馬力仕様のカムが刀のエンジンに流用できます。


マフラー
GJ73A/74Aはお互いにエンジンには付きますが当然ステーの位置が異なります。
GJ76A、GJ77Aはどの型式とも互換性を持たないです。

ヘッドカバーのガスケット
GJ77A以外は共通です。

腰下
メタルは全型式で共通です。
GJ73Aのクランクは恐らく他の型式のエンジンにも使えると思われますが、周辺部品が異なる可能性があります。
フレームとのマウント部分は全て共通です。






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Posted at 2023/01/28 21:31:31

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