今週末のトルコGP、ターン8コーナーでは7秒以上最大横Gに晒されるそうだ。 ヘルメットを被った状態の一般人では、首がもげそうに感じるほどだという。
このコーナーを好むF1パイロットは多い。
ドラッグ・レースという直線勝負があるが、自己コントロールという意味では、スタートの緊張の一瞬を過ぎたら操縦者はスロットルを開け続けるだけという、エンジニアの為の戦いのような単純さに余り価値を見い出せないのか?
ただアクセルを踏むだけになりがちな、直線を飛ばすのが好き、という話はレーシング・ドライヴァーからあまり聞かない。
スキーのスラローム等でも、ギリギリのコントロールを超えるとラインを乱しブレイク。 かといってギリギリまで攻めないと勝負(或いはタイム)に勝てない。
テクニックでコントロールすることが楽しいのだろうか?
しかし、低速コーナーでも高度な運転テクニックは必要だが、高速コーナーに比べ、ミスした時のリスクは低く、技術と共に勇気も試される場所では無いことに少し興味を削がれる。
では何故このような危険と紙一重の状態を、こういう人種(レーシング・ドライヴァー?)は好むのだろうか?
危険にゾクゾクするから?
そんなことはない。万全な状態を確認しないと気が済まない慎重な有名ドライヴァーは幾人もいる。
危険
だから好きな訳じゃないと思う。 危険
だけど好き・・・ 何故か???
一つの推論を思いついた。
重力 説だ。
危機に晒される状況下で、自らの体が対処しようと、防御反応(或いは緊張?)を少し麻痺させる。及び覚醒させ反射神経の集中力を高め、危機から脱出させるよう、脳の指令により大量の興奮ホルモン(アドレナリン?、ドーパミン?)を放出する。
その場合の危機情報伝達は、学習後危機を意識する視覚よりも、本能として持つ重力感知(三半規管、蝸牛等の平衡器官)の方が大きいのではないだろうか?(参考:小さい頃は高い所も怖くない/恐怖の学習)
視覚をほぼ遮られた、
HOTEL HIGHTOWER, TOWER of TERROR or
the HOLLYWOOD TOWER Hotel の暗闇を落ちる時、視覚からでは無い情報により恐怖感を得ている。
そしてその興奮ホルモンにより麻痺する感覚は、自己コントロール可能状況下に於いては、とても快感なのではないだろうか?
またコントロール能力(脳への学習:ここまでは大丈夫だよと自らの脳に言い聞かせる)が上がるにつれ、ホルモン放出(快感)要求が強くなるのではないだろうか?
そう推論を立てた時、多くの合点に行きあたる。
裕福な状況で引退できたレーシング・ドライヴァーは、より自由度の高い飛行機操縦を好むという。
重力を感じる、多種のスポーツ、アミューズメントを、思い浮かべる人も多いだろう。 ジェットコースター、バンジージャンプ、スカイダイビング、等
しかし、思い出して欲しい。
これらの感覚は大人になってから芽生えるものでは無いということを。
乳児を抱きながら、メリーゴーランドのように回ったり、「高い高い」と抱き上げ、ストンと落とす仕草をして、また抱きかかえた時の、乳児が見せる原始的な喜びを見たことがある筈だ。
直立歩行という「重力に逆らう」(またはバランスを取る)行為を本能的にしようとする人類の定めなのだろうか?
狂ったバランスを修正(或いは克服)した時に、何らかのご褒美を貰えるよう、進化して来たのではないのだろうか?
高速コーナーをギリギリ攻め、思い通りのライン上で、最大G(速度が高い方が当然横Gも大きい)を感じる時、危険と引き換えに快感を得る。
レースとなれば、他者との闘争(格闘?)という+αの興奮ホルモンまで出てしまう・・・ 車幅ギリギリの隙間を抜いた時は、達成感というおまけホルモンまで頂戴してしまう・・・
命と引き換えに得る快感は格別・・・なんでしょうね~?(危険爆)
心拍数が高い状態が長く続くと、ランナーズ・ハイのように良い気持になってくることもあるしね・・・(笑)
昔の悪い癖で、現在の車が与えてくれる快感にまた麻痺してきちゃいました・・・
早く次の車の発売確定してくれないと、別な車買っちゃうぞッ(笑)
Posted at 2009/06/04 12:18:10 | |
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