
皆さんにとって「寿命」とはどういった位置づけでしょうか?
突拍子もない投げかけをしますが、多くの方がご自身(人間)の息絶えた瞬間が生涯寿命として思い浮かぶのではないかと思いますが、寿命は寿命でも「健康寿命」という位置づけもあったりと見方捉え方によって差が生じることも往々にしてあるでしょう。人間に限らず、生き物全てに生死の概念がありこの世に生を受けるも間もなく天に召される事も有ればそのものの平均寿命を随分と通り越して生涯を終えられる方も居ます。そういった全てをひっくるめて「平均寿命」という目安が数値化されますが、厚生労働省発表の簡易生命表(令和3年)によると我々日本人の2021年時点での平均寿命は、
男性:81.47歳
女性:87.57歳
と2020年過去最高を更新した数値より男女共に僅かに下回ったそうです。
頂点は衰退没落の始まりと言われがちですが、これが令和4年、5年と次第に統計が表に出てくることでどんどん年齢の下降が見られるようであればこれはまさしくそう言えるのではないのかなと思います。最も、寿命の概念ですら個人の考え方によって差が生じるもの、一般的に平均寿命を超えて高年齢化の後お亡くなりになられる事を大往生として称えられる事もあり長生き=凄いこととして認知されることも多くございます。ただ、見方によっては生涯の質の話しも話題に上りやすく、それこそ寝たきり植物状態でただ心臓が動いている生き方と同じ年齢であってもピンピンと精力的に行動される方とでは随分と異なります。勿論、意思に反してといった所もありましょうし当人や周囲のお考え方を最重要視することは言うまでもありませんが、不慮の事故や防ぎようのないご病気でもない限り、若い時からしっかりとした生活を意識実践し続ける事で高齢になった時に随分と身体の具合に差が生じるとは分かっているのかも知れませんが、なかなかどうしてこれが意識し辛く好き勝手に無茶してしまう事もありましょう。私もその中の一人ですが、私位の年齢になれば正直懐疑的な部分もありましょうが…それでも今から気に掛けたり実践したりすることで
10年後めちゃめちゃ苦しむのか
10年後に相応に苦しむのかの差
位はあるのかも知れません。いやいや、
どっちにしろ苦しむんかい、爆。
となるかどうか分かりませんが、未来の事等何も約束される事はありませんからそれこそご自身次第な所でしょう。
生き物だけでなく機械物であっても当然寿命の概念はあります。家電製品壊れた…長年使った(寿命だ)し買い替えよう、という光景は最早日常的にあるでしょう。今年はエアコンが壊れ、来年は洗濯機が壊れ、再来年は冷蔵庫が壊れる…どんだけ壊れるねん!といった家庭もあるかも知れませんが、稼働実績も然り経年により本来の機能を果たせなくなったが故に故障に至るもの。その家電製品でさえ、故障個所の部品供給があれば修理してお使い続ける事は事実上可能な場合もあります。中には修理して使おう、と殊勝な方も居るとは思いますが…
・毎日使うものだからこそ修理期間が掛かる事に不便さを感じる
・一か所を修理した所で他の箇所が壊れない保証が無い事への先行不安
・修理して使いたいものの補修部品が既に廃盤で修理が困難(実質不可)
・修理費用が見合わずそれであれば新品用意した方がユーザーメリットが高い
・最新型の方が高機能で進化洗練された場合も多く何なら省エネにも貢献する
等など、他にも理由事情があるかも知れませんが、新品に買い替える方がメリットあるよね?或いは買い替えざるを得ないよね??といった場合には新品にお買い替えされるケースも多くありましょう。
少し事情は異なりますが、自動車にも似たような事が言える点もあり、長年お使いになられている愛車程、このような故障する事態に直面するケースが何れは訪れます。お車が好きでそれなりの知識経験を有する方であれば、ある程度の相場感というか大体の目算は立てられますが、そのお車自体は好きだけどそんな知識はありませんよといった方やただ今まで故障らしい故障をしなかっただけで特に思い入れもなく乗り続けているといった方も居るでしょう。そんな方の多くは今まで元気に使えてたのに突然高額の修理代が重くのしかかるようになる事もあります。例えば、
・エアコン故障
・ミッショントラブル
・制御(コンピューター)不具合
場合によっては安価に修理が可能なケースもありましょうがこれらは総じて高額化しがち。比較的安価に修理可能な簡単な箇所のオイル漏れパッキン交換やパワーウインドの動作不良等とは修理の金額も異なります。故障でないとしても、車検時に
・タイヤの溝が4本ともありません
・バッテリーが随分と弱っています
・タイミングベルトとファンベルト、スパークプラグ、それにウォーターポンプも交換しましょう
なんて事が重なりでもすれば、今まで10万円以内で収まっていた車検費用も場合によっては20万円超え30万円近くまで跳ね上がる事もあり得るお話しです。元々新車でお求めになりその当時100万円だか200万円だか(或いは青天井)の大金を捻出しているだけに、家電製品のように損切りし辛いケースもありましょうしかと言って修理交換しなければ車検に合格しないばかりか安心して乗り続けられないといった事にも直結します。となると選択肢は限られます、
・修理する
・買い替える
・所有をやめる
近年特定の旧年式車の市場価格高騰が凄まじく、場合によっては新車と同額レベルや数千万単位の車も存在します。そんな価値が見込める車であれば例え数十万円の修理代でさえホイホイと出せる場合もありましょうが、思い入れ価格を除くとその価値二束三文、何なら修理代の見積もり価格で同型の中古車買ってお釣りが来そうな場合もあります。そんな場合、多くの方がお手放しになる選択をされます。そう、車としては直せばまだ乗れる状態にも関わらず廃車の選択をされます。これを
経済的全損
と言ったりもしますが、事故などでよくある時価額<損害額の構図と同じで修理するほどの価値は見込めない場合の多くは廃車や部品として再生されゆく道を歩むことになります。ところが、事故とは異なり年数は相当経過するものの外観はしっかりしており機関不調や消耗品交換等に相応の金額が掛かると予測できる場合、ユーザーさんの心の中では廃車ですが、引き上げ店舗によってはお客様と折衝の場合は廃車がどうのこうの…と同調することもありましょうがケースによっては
よし、よりお金になる再販で一儲け出来そう!?
と企む自動車屋さんもおります。再販と一言で言っても市場回帰ではなく、業者オークション右から左へ、或いは貿易屋さんに売ることで解体するより金になるとお客様からタダ同然で引き上げよりリスクのない方法で換金するといった事はしばしば行われています。
とんでもない車屋だ!そんな所は晒し首にでもしてネット拡散だーーーっ!!!!
と言いたい話しではございません。
ユーザーと車屋との間で引取契約が成立する以上、引き取った側の車屋がどのような方法で処分しようが何ら問題ではありません。それは明確に「廃車費用」としてユーザーにお金を取っておきながら廃車にはぜす再販ルート直行!であれば「詐欺罪」が成立しそうですが、多くの車屋さんは引き取りの際には多くは語らない事の方が多いでしょう。そんな事が言いたいのではなく、
ユーザーが決めた寿命はこの度車屋さんによって延命されました
という事実がそこにはある、これがこの回でお伝えしたいところはこの点に尽きます。
かつては根拠のない都市伝説的な一つ、車は10年10万キロが寿命なんてことをよく聞きました。今でもその戯言を信じて疑わない人が居る事に驚きですが、そう思われる方がご自身が思う「寿命」で愛車を手放し、その車は別の土地で再販され新たなオーナーへと引き継がれてゆく。。。前オーナーにとっては寿命であったとしても、新オーナーにしてみればこれからがスタート!な訳ですから一言で寿命なんて片付けられる話ではありません。
どうしても寿命という定義に拘りたいのであれば、
そのお車が物理的に修理不能の状態になればそれが結果として寿命と位置づけされる
とは思います。例えば、車自体は新しいものの車両火災により全焼してしまった場合や新品中古純正社外問わず修理部品が手に入らずこのままでは走行出来ない状況である場合、例外的に書類の紛失等で公道復帰が出来ない場合は車としてでなく部品としての役目でしか果たせず結果解体される羽目になるでしょう。それら以外、する・しないは別として直そうと思えば直せるけれど経済的な理由や手間や技術レベルの問題での廃車であればそれは寿命に当たらず寿命を迎える前にして第二の車生(再生部品としてのルートや金属としての価値)を歩む、最も殆どのお車がそういった幕引きであろうとは思います。
最後になりますが、統計機関が発表する自家用乗用車の平均使用年数というデータをご紹介します。令和3年3月末時点でのデータになりますが、
軽乗用車 : 15.57年
小型普通乗用車 : 13.87年
その他にも貨物車や事業用車の統計もありますので気になる方はお調べになられて下さいませ。
こう見ると勿論それ以上の期間お使いになられているお車もありましょうが、思ったより長く生き長らえている車が沢山存在することに何となく安堵する気持ちもありますし、軽自動車の方が2年近く平均使用年数が長いことにも驚きでした。税金の重課金額の差や普通車程距離を伸ばさない傾向にあるのかどうか理由は定かではありませんが、軽自動車は直ぐ駄目になる、なんていう事も今や過去の話しなのでしょう。
Posted at 2023/07/13 21:20:11 | |
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