
マニアックトリビアシリーズ空力編の第4弾です。
第1/2/3弾の動画を見てから進むことをオススメするのと、ご紹介する動画は上から順番に視聴することをオススメします。
<第1弾>
<第2弾>
<第3弾>
<過去のシリーズまとめ>
前回、「ちゃんと仕事するGTウィング」という書き方をしました。具体的には…
①境界層の影響を受けないフレッシュな層流が当たる十分な高さに
②翼断面下側の流れが剥離しない角度で
③荷重を受け止める十分な強度がある土台に取付けされているものです。
①は一般人が精緻なCFD解析は出来ないので、ギリギリの高さは知るすべがないですが、VABの場合はきっと解析しているであろうSTIからもウィングは出ているので、その高さ同等以上にすれば大きく外すことはないと思います。
もしくは、エイヤっと屋根の高さ付近まで上げておけば間違いないです。
②は諸説ある&形状にもよりますが、迎角が10度~12度の範囲に最適値があるのが相場です。それ以上の角度は剥離によるドラッグ増加と場合によっては床下の効率低下にもつながります。
③は読んで字のままですが、補強もないトランク平面部につけて何ともないなら仕事してないと思います(笑)
この辺りを考慮してる変態的造り(誉め言葉)なのが、GR86に設定があるTRDのGTウィングだと思います。
床下含めたCFD解析はもちろんのこと、スワンネックとバーティカルマウント採用。お値段約50万円ナリ…
そして前回触れましたが、注意書きとして単品で着けると空力の前後バランスが崩れる旨が書かれてますね。
VABも見た目に特別なこだわりが無ければ、空力効果を期待するならSTI製をチョイスするのが無難だと思います。
ここからはオマケ編です。
前述のGR86の圧力分布をみると、カウルトップのあたりが真っ赤な正圧になっています。フロントノーズで跳ね上げた主流がボンネット後端付近に着地するところにフロントガラスの傾斜もあるためこのようになります。これを活用しているのが車内への外気導入で、高速を走っている最中に内気循環をOFFにするとファンがOFFでも結構な風量が入ってくるのが体感できると思います。
自分が若かりし頃、ボンネットの付け根にワッシャー噛ませて、ボンネット後端部に隙間を開けることで冷却性UPという雑誌?か何かの情報に踊らされてマネしたことがありました。確かに停車中に手をかざすと熱気が感じられて効いていそうと思っていたのですが、熱気は上に昇るので停車中の煙突的な効果は微々たる量あったかもしれませんが、走行中はむしろ逆流していたワケで逆効果だったということを後から知りました…
CFD解析がないとイメージしづらいところではありますが、原始的な方法としてタフトと言われる「吹き流し」を着けたり、着色した粘度の高いオイルを垂らして可視化してみる楽しみ方(?)もあるので、この記事を読むくらいヒマな方はいかがでしょうか(笑)
空力大研究@市販車編
空力大研究@チューニングカー編
以上、マニアックトリビア空力編でした。定性的な物言いばかりでしたが、ご参考に空力チューンを楽しんでもらえれば幸いです。ここまで読んだ方はきっとこんな↓バグガードは着けないと信じてます(爆)
Posted at 2025/10/13 00:22:09 | |
トラックバック(0) | クルマ