
先日、所用で北茨城市に訪れた際、地元のレストランで店員さんとの何気ない会話から、意外な事実を知った。
「この辺りにお住まいの方は、隣のいわき市に通勤されている方が多いのですか?」
私がそう尋ねると、店員さんは意外な言葉を返してきた。
「いえ、逆です。いわき市からこちらに働きに来る方が多いですね。向こうは東北圏、こちらは関東圏。関東の方が給料が高いのです」
正直驚いた。東京圏に当てはめてみれば、近隣の県から都内に通勤に来るケースが圧倒的に多い。そのケースに当てはめてみると、北茨城市をいわき市の衛星都市のひとつだと想像していたからだ。
いわき市は人口30万人を超える、福島県の中核都市である。商業施設等も充実しており、多数の雇用を生み出しているように思える。一方の北茨城市は、どちらかといえば静かで小さな町である。東京圏のケースと真逆の状況があるとは、夢にも思わなかった。
スマホで茨城県、福島県それぞれの最低賃金を比べてみると、なんと50円の差があることが判明した。この差は決して小さくない。これだけの賃金差があれば、働く人はより高い給料を求めて茨城県に流れてしまうという店員さんの言葉にも納得させられる。
いわき市と北茨城市は、国道6号線の短いトンネルを隔てているだけの、身近な関係である。
そのトンネルを僅かに隔てるだけで、賃金の相場がこれだけ変わるとは。地方経済は普段私たちが持っているイメージとはかけ離れた、複雑な事情で動いているということを痛感させられた。
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2025/05/13 09:23:40