
むち打ち症軽減ヘッドレストを京都大学と共同開発
───ダイナミックサポート・ヘッドレスト───
(転載:JAMAGAZINE日本自動車工業会 2000年11月号)
ダイハツ工業株式会社 技術開発部
あまりに多い「むち打ち症」に苦しむ人たち
私は入社後、ボデー設計部で軽自動車の車体設計を担当し、12年前に、当時できたばかりの現在の技術開発部に移りました。
私が先行技術テーマとして、むち打ち症を軽減するヘッドレストに取り組んだのは10年前でした。
当時、車両後部から追突されて、むち打ち症の症状に苦しむ人が年間約40万人もおられ、損害保険会社の支払う保険金額の70%を占めていたのです。むち打ち症は14、15等級という低い傷害程度とされていますが、被害に遭われる方の数が多いのです。
追突されたときの不安を払拭
それと、軽自動車やシャレード(当時)などのコンパクトカーのお客様アンケートを見ますと、大型車に追突されたり、衝突に至らないまでもすぐそばや後ろに接近されたときに「安全への不安」「衝突への不安」イメージを抱かれていることがわかっていました。スモールカーメーカーとして、不安イメージを払拭しないといけないと考えていました。
われわれ技術者は、「自分が研究開発した技術が世の人のため、社会に貢献できなければ何にもならない」と考える“人種”ですから、「よし、このテーマに取り組もう、製品化しよう」と始めました。
安全は、環境とともに自動車技術の最大テーマです。各社ともABSなど制御系によるアクティブセーフティやエアバッグなどの研究開発を進めていましたが、むち打ち症の軽減については、自動車業界ではまだ着手されていない未知のテーマでしたので、研究開発にファイトが湧いたのです。
(中略:以下目次のみ)
未解明の「むち打ち症」発生メカニズム
まず人間と同じ「頸椎モデル」を独自に作って
京大・再生医科学の専門家の協力を仰ぎながら
京都大学と共同開発した頸椎モデル
頸椎モデルの衝突実験は100回以上
ヘッドレスト試作シート
社会貢献できる技術を開発する“技術者魂”
これからも、「社会に役立つ技術を開発し、それを低コストで実現・商品化する」という技術者にとっての“冥利”を体験すべく、新しい技術テーマに取り組んでいきたいと思っています。
田中 正利
ダイハツ工業株式会社
技術開発部
車両技術開発室 課長
JAMAGAZINE 2000年11月号
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/200011/16.html
これは11年も前の記事です。
日本自動車工業会 JAMAGAZINE 2000年11月号で
当時のダイハツ工業株式会社技術開発部 車両技術開発室 課長 田中正利氏が発表されています。
軽自動車のむち打ち症事故のデーターです。
メーカーとして「むち打ち症」の軽減にヘッドレストが有効である事を十分に認識しているのです。
その上で「むち打ち症軽減ヘッドレスト」───ダイナミックサポート・ヘッドレスト───なるものまで開発しているのです。
なのに2011年9月最新型のイースにヘッドレストを付けないオプションでも用意しないこの姿勢は理解出来ないですね。
メーカーは前席と後席では命の重さに差があるとお考えなのでしょうか?
本文の中に
「大型車に追突されたり、衝突に至らないまでもすぐそばや後ろに接近されたときに「安全への不安」「衝突への不安」イメージを抱かれていることがわかっていました。スモールカーメーカーとして、不安イメージを払拭しないといけないと考えていました。」
と有ります。
運転席助手席の不安は払拭しても後席の不安は払拭しないのでしょうか?
後からの「衝突への不安」は後部座席の人の方が遙かに大きいと思いますが?
皆さんどの様にお思いでしょうか?
どしどし
コメント下さい。
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Posted at
2011/09/21 12:03:30