
モノを開発する仕事の傍らで、いつも恨めしく思ったことは、時間の流れがあまりに速いことでした。(時代の流れという表現の方が適切かも知れません。)
我々は技術職なので、一生懸命になって、仕事のスキルを上げるために努力しましたし、その身に着けたスキルをもって、安定的な立場で終身的に仕事をすることを夢見ていましたが、苦労の末に身に着けた技術も、時代の流れに置いていかれてしまい、あっという間に高賃金労働者扱いになった挙句、多くの先輩技術者は、リストラの対象となり(当時、急激な円高になったことも影響していますが)生き残るには、そのスキルを捨てて、次の時代のモノ作りに合ったさらに別のタイプのスキルを要求されるのです。
幸い、私は、その波を上手く乗り越えて、コンピュータによるオペレーションの特殊な分野に移行することは出来たのですが。
しかし、そこに、モノ作りのパラダイスは、ありませんでした。
要求される内容が、既に、「そういうもの」では、なかったからだと思います。
仕事にて関わった機密事項が多すぎるので、あまり具体的に詳しくは書けませんが。
でも、そんなことは、個人的な事で、ある意味、どうでも良いことです。
一番、残念に思う事は・・・・・
そうやって、苦労の末に、世の中に誕生した、様々なモノたちが、まだ 「使える」のに、時代の流れの彼方に、大量に押しやられてしまうことです。
今、私の目の前に、日産のティーダという車が在ります。
14年前に登録されガレージ保管のワンオーナー車で走行6万キロの全て6か月点検を日産ディーラーで受けてきた中古車です。
殆ど痛んでいません。
勿論、多少は、劣化している部分もあるでしょう。
例えば、先日、ナビを外す際に、センターパネルの脱着をしましたが、エアコンのルーバーの裏側にあるスポンジ部分(内側から見るとルーバーを閉じる弁の淵についています)は、さすがに経年劣化で、ボロボロになっていました。
だが、しかし、機関は、ほんとにシャキッとしています。
まだ、全然、活躍しそうです。
13年経過すると、自動車税が上がります。
車検の時には重量税も上がります。
これは、エコでない車を乗ることへの、罰金のような意味合いがあるそうですが、せっかく活躍出来そうなモノたちを、どうして、そうやって、区分してしまうのか、甚だ残念な気がします。
モノを作っている時は、良い製品を作りたいと考えています。
そして、それがリリースされると、その他大勢の一員であったとしても、大変うれしく思えるものです。
でも、まだまだ、全然やれそうなモノたちが、お役御免みたいに、社会的に不要な場所へ追いやられてしまうのは、とても寂しい気分になるのです。
経済を回すための 方便であるのかも知れません。
作る側も、次に売れるものを作り続けていないと競争に負けるからと、その動きを緩めることは、ありません。
まあ、何といいますか。
つまるところ、やみあがりおっさんの、戯言でした。
(画像は、おっさんが、わくわくしながら、モノ作りしていた頃の愛読書です)
Posted at 2023/10/30 22:25:44 | |
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