2023年11月13日
デザインは自由になっているようで、案外、不自由になっていく局面があるように思えます。
一つの例としては、ガラケーからスマホに転換した時に、そういった現象が起こりました。様々な形状の自由度が、一気に制約されて、基本的に平面構成の箱のような板のような形に統一されてしまったからです。テクノロジーだけの問題なのか、それ以外に、何かがあったのか、その理由はわかりませんが。
個人的には、スライド式を得意としているメーカーの仕事なども受けていましたので、短期間で推移する、そういう現象をとても残念に思ったものです。
以前、取り上げた、デザインツールの話でいえば、デジタルツールを利用するようになってから、その傾向が出ているように思えます。結果として、メーカーの特色を出していくのは、すごく難しくなったのではないかと思います。
使っているツールが、同じなのだから、当然のことです。
しかも、使い手は、さほど多くないのが実態だと思います。
デジタルツールを意のままに使いこなすのは、難しいからです。
つまり、裏に影武者が居て、彼らが多くの仕事をこなしていると推察しています。
同じ計算式を使っているから、似たようなものしか作れない、という部分はあるものの、そのツールを使うことで、今までやれなかったことが、出来てしまうという一面は確かにあるので、そういう部分は、新ジャンルを開拓することが出来るかも知れません。
しかし、ツールそのものが、進化するのは、難しいかなという気がしています。
それは、テクノロジーが進歩するための、バックグラウンドが衰退しているからです。ツールのブレイクスルーは、よほどの天変地異でもない限り、難しいかもしれません。
資本主義的な考え方だと、厳しいかなという感じもあります。
金に糸目をつけないで、開発をすることと、もうひとつ大事なことは、政治に影響されないで、開発が出来ることだと思っています。天才的な人が、自由にふるまえる環境も大事かも知れません。
デジタルツールは、覇権にかかわる要素があるので、政治が弱いと、開発は外圧でつぶされてしまう一面もあると思います。
日本ので飛行機が簡単に開発出来ないという面にも、通じる 「何か」は 存在すると思っています。
一方、個人の創造というのは、無限大なところがあります。
しかし、そこをマスプロダクションに投影するのは、至難の業です。
技術的にはありでも、資本主義的には、なし になってしまいますから。
車のデザインが、行き詰まっていると考える人は、少ないかもしれません。
デザインがすごく良くなっていると感じている人も多いのではないかとも思います。私が個人的に、ついていけないだけで、だからといって、まったく悲観している訳ではないのですが、この先、どうなっていくのか、興味を持ってみまもっていこうと思ってはいます。
味わい尽くす前に、捨て去られてしまうことが多い 今の世の中ですが、出来るだけ、使えるものは、大切にしたいなと思っています。
先日、30年前に購入したONKYOの6連装CDプレーヤーを修理してみました。
音が鳴る以上、まだ、だましだまし使っていってみたいです。
私は建築のことはわかりませんが、オリンピックにしろ万博にしろ、何か物足りないものを感じています。
デザイン的な話でいえば、伸びやかで、楽しそうなもの、が生み出せない様子が、とても残念な気がします。
Posted at 2023/11/13 00:48:10 | |
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