
ID.4 Proは、77kWhのバッテリーを搭載し、一充電走行距離(WLTCモード)が618kmある。自宅外で充電せずに戻ってこれるかどうかは重要で、条件が揃えばID.4は片道300kmまでが行動範囲ということになる。半径300kmの円を地図上に重ねてみると
こんな感じ(札幌・仙台・東京・大阪・福岡)。
もちろん目的地に直線的にいけるわけではない。上の例なら、札幌〜稚内は320km、札幌〜函館も高速道路だと300kmを越える。
さらに冬は航続距離が落ちる。北海道なら40%ダウンで考えておきたい。7km/kWh が 4.2km/kWhになる。ID.4 Proなら618kmが370kmにまで下がる。この半分185kmを半径とする円を地図にすると
こんな感じになる。
日帰り旅行の許容範囲は片道2時間と言われている。距離にすれば片道150kmくらいまで。ID.4 Proの航続距離があれば、冬の北海道でも日帰り旅行には十分だろうか。
バッテリーは劣化する。EV一般に、バッテリーは性能70%以上が8年間保証されている。逆に言えば、所有期間中に性能が80%になるとも言える。618km * 0.8(経年) * 0.6(冬) / 2 = 片道148km。無慈悲な掛け算〜
このように、日帰り行動範囲はどんどん狭くなっていくので、予め覚悟して、バッテリー容量の大きなもの選んだり、寒冷でも燃費の落ちないヒートポンプ搭載車を選んだり。
アリア B6(470km)、iX1(465km)などは、ヒートポンプ搭載なので、冬の燃費低下が30%とみていい。470km * 0.8(経年) * 0.7(冬) / 2 = 片道132km。カタログ航続距離の差ほどでもない。
ID.4 Light(435km)は、バッテリーも小さく、ヒートポンプもない。435km * 0.8(経年) * 0.6(冬) / 2 = 片道104km。まあギリギリありか〜
何キロ走れるか聞かれたとき、カタログ上は600kmというと驚かれるが、片道距離にすれば半分だし、冬になれば6掛けだし、バッテリーは経年で1〜2割は性能低下する。
自宅外充電はどうやっても便利じゃないから、自宅外充電をしない前提で話した方が、EVに興味を持つ人が増えるかもしれない。
「あんにゃんのEVはどれくらい走るんですか」
「春夏秋は片道200km,冬は片道150kmまで。それを超えると、充電場所を決めておかないと出発できない〜」
「でも、(地名)まではいけるんですね。じゃあ十分ですね。」
「うん、自宅充電で100%にしておけば問題ない〜」
「家族旅行で遠出するのも年数回だし、EVもありかな〜」
その家族旅行が苦行になるかもしれない。宿泊を伴う旅行となれば、移動しながら急速充電したり、宿泊施設で普通充電したりすることになる。
つづく!
Posted at 2023/12/10 23:28:47 | |
トラックバック(0) | 日記