
本日、錬士の中央審査というものを、初めて見ることができました。
率直な感想は、『称号者として必要なことが、どんな状態でも見せることができなければ、その資格に値しない。』ということでした。
この日は、明治神宮内の日弓連 中央道場で開催された錬士臨時中央審査でした。弓友からは 『中央審査は一次審査を通過するのも困難』 と聞いていましたので、五段を認許された自分にとっても次のステップに進むために、一度は見ておきたいと思っていました。ちょうど支部内から受審する弓友がいたため、運転手兼マネージャー(?)として見る機会を得たのです。
当日の受審者は、およそ800名!中央道場に加え隣接する至誠館道場も使用しての4射場での実施です。一次審査だけでも午後5時を過ぎるという予定。受審者のみならず審査員の先生方、審査を切り盛りする係員の苦労は計り知れないものがあります。一次審査が終了すれば、通過者は面接試験、その後すぐに二次審査となります。
立順で一次審査の前後に記述審査も行われます。早朝から集まり、12時間以上かけての審査は、体力のみならず精神的にもタフでなければなりません。
一次審査は通常の審査要領。入場から退場までの体配、射技、的中といった審査項目の他に、称号者として相応しい射品射格が要求されます。射技、的中が良くても通過できない方も数多く、審査の基準はかなり厳しいものであると感じました。
一次審査通過者は800名中わずか57名。他支部の弓友が2名通過しました。
面接試験では、椅子に腰掛けて受審するのですが、下座から入り、背もたれに手を掛けてから坐ります。これができずに注意を受け、やり直しをする方もいました。
二次審査は持ち的射礼。見知らぬ方々との立ちとなるため、歩数の確認、間の取り方など、開始前に打合せる姿が真剣で印象的です。
さすがに二次審査ともなると、残った方々の射はすばらしいものばかりです。しかし緊張のためか、実力を発揮できない方もおり、残念な結果に落胆する姿もありました。
一次を通過した他支部の弓友二人の結果は、一人は見事合格、もう一人は二次を通過できず残念でした。
今日の審査を見学して、自分が中央審査を受審しようとすれば、まだまだ修練が不足していると感じました。今回の合格者レベルに達するようになるには、4~5年はかかるような気がします。しかもかなりの気構えがないと無理かもしれません。修練は一日一日の積み重ねと目標に向かう気力が不可欠であろうと思います。
(写真は至誠館道場 観覧席から)
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弓道 | 日記
Posted at
2009/11/09 11:03:16