2010年09月18日
弓の故障で思うこと
今夜、弓道の稽古に出席したのですが、弓の外竹に笄(こうがい)が出てしまいました。正確に言うと元々修理してあった笄部分が広がってしまったのです。
2年ほど前に鳥打の上あたりに笄が出てしまい、弓師に依頼して籐を巻いていただいたのですが、その時、「修理後に笄が広がるようなら、外竹を貼り替えないといけない。」と言われていました。
幸いだったのは、主に使用している弓ではなかったこと。とはいえ修理を依頼すれば、4~5万円の出費を覚悟しなければなりません。弓自体を新調すれば最低10万円は掛かりますので、それに比べれば安いのですが、財布に厳しいことに変わりはありません。
竹弓は2張り用意していないと、故障が発生した時、使用する弓がなくなり困ります。カーボン等の新素材を使用した弓も売られてはいますが、私の場合、反発力の強い弓は離れた際に取り落とすことがよくありますので、竹弓でないと安心して引けないのです。逆に反発力の強いカーボン弓に慣れた人が竹弓を使用すると、竹弓を壊すこともあります。
竹弓は、自分の悪いところを教えてくれると思っています。特に弓手の伸びが弱い、あるいは緩んでいる時は、矢勢がなく失速します。ですから手の内がある程度できてきた人には竹弓を勧めています。
新素材の弓・矢の使用が認められたのは、「弓道の底辺を広げ、発展を考えるなら・・・」と昭和30年代末に当時の全弓連会長 中野慶吉先生がおっしゃったことによると聞いています。
竹弓竹矢は管理が難しく、価格的に新素材の弓・矢より負担が大きいことも、新素材の弓・矢を使用せざるを得ない理由の一つでしょう。
それでも上級者・高段者になれば、道具の管理はできて当たり前と思います。実際、全日本クラスの大会、中央審査では、竹弓竹矢の使用が義務づけられていることもあります。
竹弓はしっかり管理しないと故障が発生してしまいますが、それ以上に弓道の本質に触れられる道具でもあると思います。
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Posted at
2010/09/20 11:06:51
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