
毎度タイヤ交換は摩耗限度じゃなく、ひび割れが原因…お気に入りのタイヤなのに、残念で残念で仕方がありません😂そこで、ゴムの劣化を学んでみました♪
長期間放置されていた輪ゴムにクラックが入って千切れた、こういう事例は多いですね。
ゴムの劣化は①圧縮や引張りなど“機械的作用”、②熱、光、酸素やオゾン、薬品などによる“化学的作用”があります。放置されていた輪ゴムが千切れたという事例は、2つの作用が働いた事による現象です。
1, オゾンによる劣化
空気中に含まれているオゾンによる酸化が、ゴム劣化の原因として挙げられます。オゾンは酸素の同素体で、紫外線や雷などの放電によって酸素から生成され、不安定なため自然分解しています。オゾンは日光の当たる場所、高圧電流が流れている場所、水銀灯の近くなどで発生しやすいです。
タイヤのゴムに用いられるジエン系ゴム(SBR、BR)のような合成ゴムは、二重結合を含みます。この結合によりゴムらしい大きな伸縮性が得られますが、オゾンによって酸化されやすく、切断されるとクラックを生じます。オゾンアタックという現象を受けやすく、耐候性が悪いゴムと言えます。コストパフォーマンスのいい素材だそうですが…
SBR:スチレンブタジエンラバー
BR:ブタジエンラバー
オゾンへの耐性があるゴムは、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム等です。耐性のないゴムは、天然ゴム、既出のSBRとBRです。SBRとBRは、天然ゴムとブレンドされてタイヤに使用されます。
2,紫外線や放射線による劣化
太陽光に含まれる紫外線や、空気中で発生する放射線がゴムに当たることでも、ゴムの分子に化学変化がもたらされ、表面に亀裂が生じます。こうした紫外線、放射線を原因とする劣化現象を「光酸化劣化」といいます。オゾンと同様に、主鎖に二重結合を含むジエン系ゴムは劣化に注意が必要です。
3,酸素による酸化劣化
大気中に存在する酸素は、ゴムにとって悪影響を及ぼすことがあります。酸素と触れることでゴムの分子が化学変化を起こし、亀裂が発生してしまいます。表面にワックスを塗ってなるべく大気と触れないようにすることで、酸化劣化を防止できます。
4,熱や寒さによる劣化
外気温によってもゴムの分子に変化が生じ、劣化につながります。低温では分子が硬くなり弾力性が失われ、ゴムが脆くなり亀裂が入ることがあります。過度に高温でも弾力性が失われ、粘着性が高まってゴムがベタついたり、溶けてしまうことがあります。
5,疲労による劣化
負荷やひずみが一定期間に渡って加えられ、繰り返されると、ゴムの分子にダメージが蓄積され、機能が徐々に低下します。負荷がかかった部分では局部的に分子が切断され、亀裂が生じたり、ゴムが切れてしまったり、ゴムの変形により”へたり”が生じます。
6,油や溶剤による劣化
ゴムは溶剤への耐性が低い素材です。ゴムが油や溶剤を吸収すると、変形したり、分子が引き離されて亀裂が発生します。さらに、ゴムの分子が引き離されて結合がゆるむと、老化防止剤などが流れ出て耐劣化性が悪くなる可能性があります。
構造的にオゾンへの耐性のない素材がタイヤを構成しているため、オゾンによる劣化を回避することは難しい、と言えそうです。
それでも、表面に塗布されたワックスの被膜が大気中のオゾンからゴムを物理的に保護し、耐性を高めてくれる、という情報も目にします。確かに、いつも水性の艶出しをサイドウォールに使用してますが、その部分のひび割れは抑制効果を感じます。
⭐️走行時に求められる特性を向上するためにシリカを分散配合している、という謳い文句を良く聞きますね。シリカは、カーボンブラックよりも引張強度と伸びに優れ、転がり抵抗も小さいためです。
🌟カーボンブラックとは”炭素”の粒で、ゴムに配合されると強度や耐摩耗性が向上されます。なおタイヤが黒いのはカーボンブラックが配合されているからで、外観向上にも役立ちます。紫外線を吸収し、劣化防止効果も得られます。
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2025/03/24 22:27:04