
以下のサイトでタイヤと燃費の関係性が記述されていました。
https://ataj.or.jp/technology/tire_evaluation.html
タイヤが燃費に関係してくるのは、タイヤの回転に伴う部材の繰り返し変形や路面との摩擦、タイヤ自身が受ける空気抵抗によって損失が発生し、結果的に燃料の化学エネルギーを消費するため。タイヤ損失のうち約90%がタイヤ変形によるもの、といわれるそうです。
低燃費タイヤは、この変形に伴うロス等が少ないタイヤのことで、ころがり抵抗が低減することで、燃費向上が期待されます。
タイヤ変形ロスの発生メカニズム
(1) 軸重を支えるため、路面に接触している部位が上図のように変形する。
(2) タイヤの回転により、その変形部位が周期的に入れ替わる。
(3) 右図に示すヒステリシス性により、タイヤにエネルギーロスが発生
(4) ロスは熱としてタイヤに蓄積された後、最後は大気や路面に放散する。
(5) タイヤの温度は、蓄熱量と放熱量が均衡するまで上昇する。
(6) タイヤのロスはエンジン出力で補填されるので、燃費に影響する。
自車は転がり抵抗A(PROXES CL1 SUV)▶AA(Ventus Prime4)に履き替えたわけですが、確かに見過ごせない燃費の良さを体感しています。
タイヤは走行安定性や快適性にも大きく起因するため、個人的には興味津々。出版から少々時間が経っていましたが、タイヤに関する本を読んでタメになった情報を書き出してみます。
1,加硫ゴムとは、二重結合の一部に架橋反応という化学反応を起こさせ、ゴム分子同士を結合させたもの。
この二重結合はオゾンによって結合力が低下し、路面からの入力(ゴムの変形)に対してゴムの戻りが悪くなると、ひび割れ(オゾンクラック)に繋がっていく。
2,ロードノイズの成分は100~500Hz。路面の微小な凸凹によって加振されたタイヤの弾性振動がサスペンション、車体を振動させ、車内の騒音となる。
省燃費のためにタイヤ自体も軽量化されていれば、薄い肉厚は振動の吸収性が低下する。トレッドも肉厚の方がロードノイズを低減し、柔軟性があればハーシュネスの低減にも有効。
摩耗が進むとロードノイズは増加する。ロードノイズの低減には内部ベルトの剛性強化も有効だが、ハーシュネスは増加してしまう。また内部ベルトのショルダー付近の振動をキャッププライで抑制すれば、ロードノイズ低減にもなる。
3,ロードノイズは路面の凸凹で起きたタイヤの弾性振動が車体を伝播して聴こえる固体伝播の騒音。
一方で、周波数の高いパターンノイズはタイヤから出る音が空気を伝播して聴こえる空気伝播の騒音。タイヤの溝と路面が接触する際に溝から瞬間的に空気が排出され、また路面から離れるときはマイナスの圧力波が発生、これらが連続的に起こることが発生原因。
ラグパターン>ブロックパターン>リブパターンの順番にパターンノイズが大きくなる。
4,シリカはカーボンブラックに比べて補強性に劣るが、温度による硬度変化は少なくスタッドレスタイヤに向いている。加えて発熱性も少なく低燃費タイヤにも向いている。またカーボンブラックよりも濡れた路面での摩擦係数が高く、ウェットグリップが向上する。
5,超偏平タイヤは、たわみが同じでも高さが低いため、たわみ率が大きい。そのため、使用内圧は適切な管理が必要。また凸凹の少ない道の走行を目的としてスチールベルトで強く締め付けて高さを低くしているため、バネ定数が大きく、乗り心地は悪い。メリットは、たわみ変化が少なく、車体の傾きを抑え、ロールしにくくなる。
Posted at 2025/12/08 19:47:04 | |
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