白煙課長のブログ一覧

千葉房総半島沖で１９日未明に起きた海上自衛隊の最新鋭イージス艦「あたご」とはえ縄漁船の衝突事故。漁協幹部は「近代的な護衛艦がなぜこんな小さな船にぶつかるのか。たるんでいる」と怒りをあらわにしたそうだが、私もそう思う。乗組員は何百人も乗っていて、操舵室には当時１０人以上見張り員がいたのではないかと思う。今朝は海も穏やかで視界も良かったはず。
海自幹部の話では「レーダーは近くなると役に立たず、３００～４００メートルからは乗組員による目視が頼りになる」という。確かにそうだ。しかしそこまで近くなる前の、２０００～４０００メートルほど手前の時点でレーダーに映っていたはず。最近のレーダーは高性能だ。小さな物標もよく映る。しかも最新鋭の１隻が１４００億円以上もするイージス艦の、レーダーである。

「海自はたるんでいる」と言われても仕方ない。衝突からまもなく一昼夜が経ち、漁船乗組員の生存は絶望的だ。海上自衛隊はこのことを重く受け止めて欲しい。

しかしながら、漁船に非がないとも言い切れない。
漁船はときに予測不可能な行動をする。 見張りもせずに自動運転してる船もいる。漁に気を取られているのかも知れないが、大変危険。
今回イージス艦は全速後進をかけたそうだが、大型船は急停止することも急に舵を切って急回頭することもできない。
現場は黒潮が通る漁場で、普段から自衛艦を含め大型船が通る海域だったという。確かにそうだ。アメリカ西海岸からコンテナを満載した大型コンテナ船などがひっきりなしに通っている。こうした事故が二度と起きないことを切に願う。