
2.8Lより2Lの方が面白いという話を耳にしますが、フィーリングという点ではそれほど大きな差はないというのが私の実感です。
明確に違いを感じるのは「レーシング」や「カップ」といったモデル。単に排気量だけの比較であれば、むしろ2.8Lの方がトルクがあって扱いやすいというだけのことです。
マセラティ・ビトゥルボ系(デトマソ期以降)には、私の知る限り2L、2.5L、2.8L、3.2Lといったエンジンが存在しますが、日本で2.5Lを見かけることは稀ですので、実質的にはV6の2Lと2.8L、そして3.2Lが選択肢になります。国内の残存数では2.8Lが圧倒的ですが、ご存知の通り2Lはイタリアの税制を背景に生まれた国内仕様という側面が強く、日本にある個体の多くは並行輸入車(初期モデルには正規導入もあったかもしれませんが)だと思われます。
さて、ここで「2Lは2.8Lより面白い」という、まことしやかに囁かれている噂について、私なりの見解を書いてみたいと思います。あくまで私見ですので、生暖かく見守っていただければ幸いです。
今の車社会ではハイパワーなど珍しくもなく、200〜300馬力程度はむしろパワーが低い部類にさえ入るかもしれません。もちろん車重やサイズにもよりますが、500馬力と聞いても「まあまあだね」と言えてしまうほど最近のパワー競争は凄まじいものがあります。そうした環境の変化に加え、私自身の価値観も、年齢とともに「パワージャンキー」から「フィールジャンキー」へと移り変わってきました。
エンジンの吐き出すトルクやパワーで言えば、当然ながら2.8Lの方が2Lよりも勝っています。パワージャンキーであれば2.8Lを選んで間違いありませんが、最新のハイパワーエンジンと比較してしまえば、それも驚くほどの数値ではありません。単純な比較ではパワーのある2.8Lの方が面白そうに思えますが、このエンジンは基本的に高回転域で回りたがる特性ではなく、それはDOHC化された222 4Vやギブリ2でも同様でした。
そのため、個人的にはオートマチックの方がキャラクターに合うと感じるのですが、2Lの中でも「レーシング」と「カップ」だけは、明らかに上まで回りたがるエンジンに変わっています。なぜこれほど性格が違うのか、専門的なことは分かりませんが、クランクシャフトをはじめとする内部部品が変更されていることが大きいのではないかと素人考えながら推測しています。
こうした回りたがるエンジンであれば、特性上マニュアルトランスミッションがよく合います。さらに、シフトフィールの良いゲトラグ製ミッションを積んでいるモデルであれば、その楽しさはより際立ちます。もちろんこれはビトゥルボ同士の比較であり、他車に目を向ければもっと楽しいモデルはあるでしょう。しかし、私はこのビトゥルボ系のデザインが好きで、特に2ドアモデルにはマニュアルがよく似合うと感じています。だからこそ「回りたがるエンジン」と「ゲトラグ」の組み合わせに、格別な楽しさを覚えるわけです。
かといって、ノーマルクランクのモデルを否定するつもりは毛頭ありません。例えば2Lの2.24や4.24などの場合、クランクは特別なものではないと感じます。それらに乗った感想としては、2.8Lのトルクを少し細くしたようなフィールですので、確かにオートマの方が合う気もしますが、マニュアルが合わないというわけでもありません。単に「どちらがより合うか」という程度の話であり、決してマニュアルでつまらなくなるわけではないのです。
それを言い出せば、レーシングやカップよりも高回転まで回ってマニュアルが楽しいエンジンは他車にいくらでもあります。そうなると「レーシングもつまらない」という極端な話になってしまいますが、決してそうではありません。結局のところ、2Lエンジン、特にレーシングやカップに見られる「回す楽しさ」こそが、「2.8Lより2Lの方が面白い」という噂の真相ではないかな、と私は想像(ですよ)しています。
Posted at 2026/01/04 10:35:57 | |
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