前回の投稿では首都高速の大回り走行を紹介しました。
関東圏では首都高以外にも、外環道を間に挟んだ走行に対してある一定条件のもと最短距離の料金で大回り走行が可能となっています。
しかしこちらの特例は条件が難解で、一筋縄ではいきません。
今回私が実際走ってきたルートをご紹介します。
●外環道を挟んだ大回り走行
まず大前提として、NEXCOの各高速道路を利用する際も複数のルートがある場合は
条件付きで最短経路の料金で計算されます。
例として東名高速の東京IC→名神高速の小牧ICを走行するルートを見てみます。
こちらがごく一般的な東名と新東名を経由するルート
そしてこちらは途中で中央道を経由するルートです。
中央道経由の方が40kmほど距離が長くなりますが、どちらも料金は7,810円と変わりません。
この根拠となるルールがこちら
(NEXCO東日本のQ&Aより)
利用する経路が最も距離の短い経路の2倍以内であれば、経路に関わらず通行料金が最も安い経路の料金を徴収するとあります。
またNEXCOには周回走行についてのルールも定められています。
(NEXCO東日本高速道路営業規則より)

パッと見るとよくわかりませんが、要するに一度通った地点をもう一度通過するような走行をした場合、そこから先は別の走行とみなして料金をもらいますよということです。
前回の投稿で首都高速の大回り走行例を紹介しましたが、NEXCO管内の高速道路ではあのような走行はルール違反ということになりますね。
まとめると
①
実際の走行経路が最短経路の2倍以内であれば最も安い経路の料金を徴収。2倍を超えた場合は実際走行した経路の料金を徴収。
②
周回を含んだ走行をした場合は、周回して重複する地点から先は別料金。
これがNEXCO各社の共通のルールです。
あらこれじゃあ一区間だけの料金で派手な大回り走行はできそうにないかも‥と思いますが、実はNEXCO東日本管内にはもう一つ料金の特例があります。
それが2016年4月から適用された、首都圏の新たな高速料金制度です。
この料金制度のそもそもの目的は、都心部を通過するだけの車の量を抑制し圏央道や外環道の利用を促すものなのですが、その中にある特例がこちら。
ETC車に限り、圏央道の内側を走行する場合にはどの経路を使っても起終点間の最短距離の料金となる、とあります。
ところが現時点の外環道は、均一料金時代の名残か他のNEXCO管理の高速道路とは別料金の体系になっていて、他の高速道路から外環道へ出入りする際は料金所で必ずそこまでの料金が徴収されます。
つまり外環道の外側のICから流入→外環道を経由→再度外環道の外側へ流出という走行の場合、ETCの無線走行では一旦3回にわたって正規の料金が徴収され、後日請求の際に最短距離の料金に調整がされることとなるのです。
さて、ここで先ほどの「実際の走行経路が最短経路の2倍以内であれば最も安い経路の料金を徴収」というルールに戻ります。
このルール、実は
全体の走行に対して適用されるものではなく、それぞれの精算毎の走行に対して適用されるルールなのです。
なぜそんなことになるのか!?
ちょっと小難しい話になりますが、私たちが鉄道のきっぷを買ったり通行料金を支払って高速道路を利用するのは一種の『契約』になります。
この契約の一部として先ほどのルールがあるのですが、高速道路においては「1回の料金支払い」=「1つの契約」となるため、1回の料金支払い分の走行に対してのみ先に紹介したルールが適用になるわけです。
従って外環道を間に挟む走行については、
①入口IC→外環道に入るJCT
②外環道に入るJCT→外環道を出るJCT
③外環道を出るJCT→出口IC
①〜③それぞれの精算ごとの走行が最短距離の2倍以内に収まっていれば、最終的には入口IC→出口IC間の最短経路の料金の精算で済むということになります。
説明が大変長くなりましたが、こちらが今回実際走ったルートになります。
柏IC→常磐道→三郷JCT→外環道→高谷JCT→東関東道→大栄JCT→圏央道→つくばJCT→常磐道→谷和原IC
利用明細がどうなったかというと‥
柏IC→谷和原IC間の最短距離での料金、しかも深夜割引が効いて300円で走行できました。
先ほども書いた通り一旦は各料金所で正規料金を取られますが、請求の際に調整されています。
それにしても割引額がえげつないです😅
ただしこの外環道を間に挟んだ走行、落とし穴がいくつもありまして…。
先ほどのNEXCOのページにも記載されています。
文字にするとすごくわかりづらいですが、簡単にまとめますと以下の通り。
●首都高速経由の料金の方が高い場合は×
そもそもが料金の安い首都高速経由からシフトしてもらうための施策なので…
大回り走行であれば首都高速を経由した時点で高くなるためアウトとなります。
●外環道・京葉道路・首都高速の出入口を使うと×
外環道の外側のICからの流入・流出が対象ですが、京葉道路は例外です。
●京葉道路・アクアラインを経由すると×
京葉道路はうっかり使ってしまいそうになりますがダメです!
●ハーフICに注意
一方向にしか入口・出口がないハーフICは、走行できる経路に応じた最安料金が徴収されます。
(例)湾岸千葉IC流入→大回り→湾岸習志野IC流出は実質最短距離での走行が不可能なのでアウト
以上、長々と書いてしまいました。
いろいろ制約が多いのでルートを考えるのが大変ですが、やり方によってはとんでもなく長い距離を走行することができます。
SAやPAを巡りながら、ドライブに出かけてみてはいかがでしょうか?
(とは言ってもやり過ぎは良くないですね。しっかりとNEXCOさんにはお金を落としましょう)
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Posted at
2025/01/16 23:55:24