
F1 2025年最終戦アブダビGPのレース結果です。
優勝はレッドブルのフェルスタッペン。
ポールポジションからスタートし、2位のノリスを牽制しながらホールショットを奪って序盤のレースをコントロールしました。
中盤はピットインの関係で首位を譲る場面もありましたが、終盤にトップを奪い返すとそのままフィニッシュ。
今シーズン8勝目となり、前日のポールポジションと合わせて年間最多勝・最多ポールを獲得しました。
2位はマクラーレンのピアストリ。
3番手スタートからオープニングラップでノリスをかわして2位に浮上。
その後はハードタイヤを最大限まで引っ張り、ライバル勢が2ストップを選ぶ中、1ストップ戦略で走り切り、そのまま2位でチェッカーを受けました。
3位はマクラーレンのノリス。
2番手スタートからオープニングラップでピアストリに順位を譲ったものの、序盤はフェラーリのルクレールに追われながらもポジションを死守。
ピットストップ後もルクレールの執拗な追撃を受けつつ、最後まで表彰台圏内を守り切り3位でフィニッシュしました。
この結果、ノリスは自力でワールドチャンピオンを決め、史上35人目のF1王者となりました。
レースで存在感を見せたのはフェラーリ勢のルクレールとハミルトン。
ルクレールは5番手スタートから1コーナーまでに順位を上げ、終始ノリスを追い回してタイトル争いを盛り上げましたが、惜しくも4位フィニッシュで表彰台には届きませんでした。
一方ハミルトンは16番手スタートから2ストップ戦略で着実に順位を上げ、見事8位まで挽回しました。
フェラーリ勢は早々に開発が終了し、優勝の機会に恵まれなかったものの、その分強くなって再びグリッドに戻ってくるとこを願っております。
そして、このレースで一区切りとなる角田選手(レッドブル)は、10番手スタートからハードタイヤを選択し、序盤はそのままの順位で周回を重ねました。
中盤には他車のピットインにより一時3位まで順位を上げ、後方から迫るノリスをブロックしてフェルスタッペンを援護しましたが、その際の動きにより5秒ペナルティを科されてしまいました。
その後のピットインでペナルティ消化のため順位を落とし、最終的には14位フィニッシュ。入賞で締めくくることはできなかったものの、最後までチームのために走り抜きました。

***************************************************************
以下、レースの展開になります。
まずはタイトル争いの面々における獲得条件について振り返ります。
(細かい条件は以下の画像をご覧ください)

・ノリスの獲得条件:表彰台獲得
・フェルスタッペンの獲得条件:優勝+ノリス4位以下
・ピアストリの獲得条件:優勝+ノリス6位以下
と、なります。
スタートタイヤについては以下の通りです。
ソフトスタートは2ストップ前提、ハードスタートは1ストップ前提となり、ミディアム勢は状況次第となります。
スタートでは、フェルスタッペンが2位のノリスを牽制しながらトップをキープし、続いてノリス、ピアストリが続きました。
4番手スタートのラッセルは、スタートで出遅れ6位へ後退します。
2本目のストレートエンドでは、ピアストリがノリスに、アロンソがルクレールに仕掛けます。
ピアストリはオーバーテイクに成功して2位に浮上。
一方アロンソはルクレールをかわせず、ポジションを5位のまま維持しました。
4周目、スタートで順位を落としていたラッセルが、ストレート間のシケインでアロンソをオーバーテイクし、ひとつ順位を取り戻します。
その前方では、ルクレールがノリスに接近し、プレッシャーをかけ続けました。
17周目にはノリス、ルクレール、アロンソがピットインし、ミディアムからハードタイヤへ交換します。
23周目、3位を走る角田選手にノリスが接近。
角田選手はブロックしますが及ばず前に出られてしまい、さらに進路変更が2度以上あったとして5秒のタイムペナルティが科されました。
フェルスタッペンは同周の終盤にピットインし、ハードタイヤへ交換します。
41周目にはノリスが2度目のピットインでミディアムへ交換し、ここからは表彰台を守る展開に。
同じ頃、フェルスタッペンがピットインを終えていないピアストリをオーバーテイクし、トップへ返り咲きました。
翌42周目にピアストリがピットインし、逆転を狙う展開へと持ち込みます。
レースは、フェルスタッペンがそのまま優勝し、終盤戦を3連勝で締めくくりました。
ピアストリは終盤に追い上げを見せたものの2位。
そしてノリスは3位に入り、見事2025年のワールドチャンピオンに輝きました。

2019年にデビューしたノリスは、将来のチャンピオン候補と目されながらも、当時低迷していたマクラーレンでなかなかチャンスに巡り合えませんでした。
しかし、昨年のマイアミで初優勝を挙げ、そしてその1年後、ついに悲願のワールドチャンピオンを手中に収めました。
***************************************************************
長かったF1 2025シーズンも、これで終了となります。
シーズン開幕前は、マクラーレンの2台がシーズンを席巻し、チャンピオン争いも両者の一騎打ちになると予想されていました。
その予想通り、開幕戦ではノリスが優勝、第2戦ではピアストリが勝利し、下馬評通りの展開となりました。
一方、2024年から失速していたレッドブルの2025年は、フェルスタッペンをもってしても5連覇の可能性は低いと見られていました。
しかしフタを開けてみれば、決して速くないマシンながら勝利数を積み重ね、常にタイトル争いに食い込むシーズンとなりました。
第4戦以降は、フェルスタッペンとラッセルがイモラとカナダで優勝した以外はすべてマクラーレンが勝利。
ピアストリは第4戦から3連勝を含む活躍で、前半戦のチャンピオンシップをリードしていきます。
苦境に立たされたレッドブルに転機が訪れたのは、第13戦ベルギーGP前。
チーム創設時から代表を務めてきたクリスチャン・ホーナーが更迭され、後任としてジュニアチームの代表だったローラン・メキースが就任しました。
これによりマシン開発の方向性が変わり、その成果が現れ始めたのは後半戦に入ってからです。
前半戦は圧倒的だったマクラーレンですが、後半戦で潮目が変わり始めます。
第15戦オランダGPでは、2位走行中のノリスがPUトラブルでリタイア。
このレースを制したピアストリは、ポイント差を34点に広げ、有利に立ったかに見えました。
続く第16戦イタリアGPでは、フェルスタッペンが久々の勝利でシーズン3勝目を挙げたものの、トップのピアストリとは依然として約100点差の状況でした。
大きく流れが動いたのは第17戦アゼルバイジャンGPです。
ここではマクラーレンのコンストラクターズタイトルが決まる可能性もありました。
しかし、ポイントリーダーのピアストリが予選でクラッシュし、決勝でもスタートで出遅れ、オープニングラップで再びクラッシュして早々に姿を消します。
ノリスも予選7位から決勝で角田選手を攻略できず7位フィニッシュに終わり、タイトル決定は持ち越しに。
ちなみに、このレースを制したのはフェルスタッペンで、前戦に続く連勝。メキース新体制の効果が徐々に結果として表れ始めました。
マクラーレンは第18戦シンガポールGPでコンストラクターズタイトルを決め、2024年に続く連覇を達成。
マクラーレンの連覇は、1988〜1991年のマクラーレン・ホンダ時代以来で、実に四半世紀ぶりの快挙となりました。
そして舞台は天王山のアメリカ大陸ラウンドへ。
ランキングトップだったピアストリは、アゼルバイジャン以降不調に陥り、優勝どころかポール争いにも絡めないレースが続きます。
その間にノリスとフェルスタッペンが着実にポイントを積み上げ、ついにサンパウロGPでピアストリは首位から転落。
さらにラスベガスGPでは、オランダGP終了時点で104点差あったフェルスタッペンに追いつかれ、同点に並ばれてしまいました。
首位に立ったノリスは、ラスベガスでの失格やカタールでの戦略ミスに足を引っ張られつつも、サンパウロで築いたリードを最後まで守り切り、悲願の初タイトルを獲得しました。
終盤に驚異的な追い上げを見せたフェルスタッペンは、後半戦で6勝、さらに全戦で表彰台という、マシンパフォーマンスを考慮すると驚異的な成績を残しました。
しかし、年間最多勝を挙げながらもあと2点届かず、ミハエル・シューマッハ以来となる史上2人目の5連覇は達成できませんでした。
2025年をもって現行レギュレーションが終了し、ひとつの時代が幕を閉じました。
そして2026年からは新レギュレーションとなり、新しい王者とともに新時代が始まります。
どのチームが抜け出すのかは、1月下旬のウィンターテストを見るまでは分かりません。
開幕戦を誰が制し、新たな時代の始まりを告げるのか、今から非常に楽しみです。
来年も引き続きF1関連のブログを投稿する予定ですので、よろしければまた読んでいただけると嬉しいです。
それではまた来年、【ゑむ式予選予想】でお会いしましょう。