
【毎度の山紀行ですのでご興味の無い方は飛ばして下さい】
2023年10月に中央アルプスの千畳敷から空木岳(2864m、日本百名山)へ縦走しました。
中アは、北アや南アと比べて小スケールながら、白い花崗岩と緑ハイマツのコントラストが美しい稜線が魅力です。
紅葉シーズン真っ盛りでロープウェイに乗るまでが一苦労でしたが、山小屋最終日に中アらしいハードで静かな山行を満喫出来ました😚

ロープウェイ下のしらび平駅までは菅の台バスセンターから専用バスのみなので、週末混雑を予想して土曜朝4:00には到着しましたが、それでもチケット購入とバス乗場のWで千人規模の大行列。
昨晩から列の場所取りが始まっていたらしく、複数名ならそれぞれの行列に分かれて並んでチケット列組がバス列組に合流すると効率的かも。
私は一人だったので結局バスに乗れたのは4時間後の8:00過ぎ😵
トイレに行くにも、後ろの人に声を掛けて列を離れ、動いた先を探しながら戻らないといけない大変さ。

やっとの思いで9:00過ぎに着いた千畳敷は秋色で天高く、絶好の縦走日和!
左の鋭峰、宝剣岳が凛々しい定番ショット。

あれだけ大勢の観光客も99%は千畳敷散策か、メジャーな木曽駒ヶ岳・宝剣岳方面に向かいます。
真逆の空木岳方向にはだーれも居ません。

程なく稜線の極楽平に飛び出します。

以前踏んだ派生尾根の三ノ沢岳に、蒼空が突き抜ける!

夜のうちに湿った横殴りの冷気が造った珍しいロープ霜。

白い花ではなく、同じく葉に冷気が付着して成長した霜花。

さて縦走スタート。
ロープウェイ利用で標高2700mからの楽チンスタートと思いきや、今日泊まる山小屋までは濁沢大岳→檜尾岳→大滝山→熊沢岳→東川岳→空木岳と、計6つものピークを越えねばならない、7時間の殆どがアップダウン連続の結構ハードなルートです。

最初の下りと最初の濁沢大岳への登り返し。

1つ目の濁沢大岳を通過。

徐々に岩場が多くなり、鎖が出現!

登山道が稜線上に切られているので、ずっと細かいアップダウンが続き、体力は着実に奪われます。
しかも途中に水場が無いルートで、一泊二日分の水5.5Lと食糧、バーナー&コッヘル、マットとシュラフも担ぐ為にザックは14kgと重め💦

梯子も出て来て、アルプスらしくなってきました😅

檜尾岳には、約200m下ってまた登り返し💦

2つ目の檜尾岳に到着。
行動食を補給しつつ、風が強まってきたので他の登山者の様に服装調整します。
登山では重ね着が基本なのは、空気の層を多く作りながら、身体を冷やす汗や湿気を外側に早く逃がして低体温症を防ぐ為です。

隣の小ピークには、新たに建て替えられて有人小屋になった檜尾小屋とテン場が有ります。
10年程前、晩秋の台風期に逆方向で縦走していた韓国からの15名程のツアーが大量遭難〇した事故は、木曽殿山荘のご主人の警告を聴かずに予約していた木曽駒ヶ岳山荘行きを強行した登山ガイドが地図を熟知せず、当時の檜尾避難小屋を知らずに雪混じりの悪天候の中を通過してしまい、パーティーが次第にバラバラになって、ビバークや檜尾尾根へのエスケープ、千畳敷への下山チャンスを逃したことが一因でした。
各自が登山地図やGPSを携行し、人任せにせずにルートを熟知しておくことは自分の命を守るために絶対に必要です。
しかもアルプスの稜線は雨風を凌ぐ森林がなく、極めて天候リスクが高いルートです。
登山は護送船団方式なので最も力量の低い人に合わせたペースとなり、多人数=安全ではなく、リーダーの技量次第では逆にリスクが高まるのが山の常識です。
昨今の商業登山の隆盛は、利便性と危険性の両刃の剣です。

さて、振り返ると左に三ノ沢岳、奥にたおやかな木曽駒ヶ岳。
青、緑、茶、白のMIXは秋ならでは。

3つ目の大滝山を通過。

ここから暫くは、なだらかな高原歩きで体力を温存します。

4つ目の熊沢岳で小休憩。
最後に越える空木岳がやっと射程距離に入ります。

好天下での稜線歩きは、余りに楽しくて顔がニヤツキます。

突如現れる岩場だけは、気持ちを引き締めないと!

中アを象徴する花崗岩の大岩群に秋の雲。

5つ目の東川岳の先には最高峰のラスボス、空木岳見ゆ!

縦走終盤にこの下りと急登が待ち構えている為、ここまで体力を温存して来ました😉

250m下って急斜面を400m登り返し!
鞍部の木曽殿山荘でトイレを借り、ガス欠にならないようにシッカリ腹ごしらえ。
この小屋は空木岳の登山基地として人気が高く、普通はここで一泊しますが今回は予約が取れず、一気に空木岳を越えます。
ここで逆方向から来た台湾人カップルとしばし談話。
アルプスも本当にインターナショナルになりました🌎

これを越えなきゃ山小屋にたどり着けない!
どぅりゃ~!と根性の登り😤

さっき通った熊沢岳や東川岳とやっと同じ高さまで登り返しましたが、まだまだ続く登り🙄

やっと右奥に頂上が見えてきた!

でも最後まで気を抜けない。

山頂標に思わず、おぉぉぉ~!!

前回は曇天だったので、最高のピーク日和に心から感謝🌞

前回使った木曽側の伊奈川ダムからの越百山(こすもやま)→仙涯嶺(せんがいれい)→南駒ヶ岳→空木岳の周回ルートを一望。

頂上には自分を入れて二人だけ。
冒頭の写真を撮って貰い、感動の余り30分以上も佇んでました。

と言うのも山頂直下100mにはゴールの山小屋が見えていたので🏁

この三連休が今シーズン営業最終日の駒峰ヒュッテ泊です。
山小屋には色々有り、ここは管理人一人で切り盛りされる為、食事は自炊、シュラフ持参です。
一応、レンタルシュラフ/1,000円、ペット水500cc/500円、パンやカップ麺などは有りますが、安易に頼っては山屋が廃ります😠

ミートソースパスタのイシイハンバーグ添えとワカメスープを食してから、運んできたバーボンと貴重な水を使って至高の雲海上の水割りタイム🥃

翌朝は駒ヶ根市の夜景の上に、雲海の隙間から紫な朝焼け。

2日目は天候が下り坂予報の為、パンを食べたら早めに駒ヶ根高原スキー場Pまで▲2,100mの池山尾根を4時間掛けて一気に下ります。
昨日この長大な尾根を9時間掛けて上って来られたご夫婦も途中までご一緒。

巨岩モニュメントの“駒石”を抜けて空木岳とお別れ。

秋模様の樹林帯に入って改めて深呼吸。

途中一ヶ所だけ鎖場がありますが、その前にご丁寧な危険告知板が。

それほど危険ではないですが、雨や疲れた時に油断すると確かに滑落して怪我しそうです。

途中、池山小屋と池山に立ち寄ってから、深い森と笹の草原を3時間かけて漸く抜けて、

今回も無事に下山!

よっX4、お待たせ!
駒ヶ根名物ソースカツ丼でも食べて帰りますか🍖

今回で中央アルプスはほぼ制覇です。
でも、北アと南アには未踏のピークやルートがたんまり残ってますし、東北や上信越の二百名山・三百名山で行きたい山も沢山⛰️
加齢との競争はまだまだ続きます😌