
【毎度の山ブログですのでご容赦下さい】
冒頭写真は朝焼けのモルゲンロートに染まる赤石山脈の盟主 赤石岳です。

今回の8/7-9南ア縦走の目標は、①国内3000m超21峰で残る荒川中岳を登頂して全山達成、②南ア南北一繋ぎのMyプロジェクトで塩見岳と赤石岳の間の未踏ルートを繋ぐことでした✨
ところが初日8/7は寒冷前線の本州通過で山はどこも軒並み暴風雨で、大幅なスケジュール変更を余儀無くされました😨
が、それが結果的には絶好の思い出深い縦走になるのですから人生は面白いです😆

8/7 5:00 夜行登山バスを降り立ち、雨予報の中、長野県飯田市側の鳥倉登山口を出発。

途中から土砂降り☔となり、寒冷前線の影響で気温が急低下、レインウェアを着ていても中は汗でびしょ濡れ💦

標高2645mの三伏峠小屋に何とか到着して、小屋前の東屋で2時間ほど天候回復を待つも、全く雨足衰えず、稜線の風速20m以上、身体も冷えきって流石に思案し始めた矢先、頭の真上で閃光と雷鳴⚡が轟いたところで万事休す😖

今日の縦走継続は危険と判断して初日予定の山小屋を諦め、そのまま三伏峠小屋泊で滞留決定😩
明日の山小屋予約の変更など諸々済ませて、服を乾かし、身体を休めて明日に備えます。
(auのスターリンクWi-Fiは凄く便利です)

初日の5時間分ビハインドをカバーする為、未明の4:30出発!
殆どの登山者が左の塩見岳に行く中、右の小河内岳、荒川岳方面へ。

朝日を背にした塩見岳🌄
前線通過後は絶好の天気で、昨日無理して行かなくて本当に良かったと確信しました😉

烏帽子岳山頂から臨む美しい縦走路は今日の天候だからこそ🏞️

前小河内岳から日本百高山の小河内岳(2801m)に続く最高に気持ちイイ稜線😆

小河内岳避難小屋は休業中ですが常駐管理人が周囲の登山道整備されており、トイレは借りられます(寄付100円)。

雨の日は難儀しますが、母屋から独立した汲み上げ式トイレ棟の解放感はなかなかです😙

絶好の天気の下、さらに荒川中岳に向かって大日陰山、板屋岳と空中散歩は続きます🤣

一度、樹林帯に下りますが、神々しい緑に美味しい空気で深呼吸🌲

苔森にシダ森と様々🌿

目指す画像左の荒川中岳と荒川前岳⛰️
後で上り詰めることになる中央のカール地形(底が円形の大斜面)の全景を見て「傾斜キツくて長そう~」😅

振り返ると越えてきた峰々が荒々しい⛰️

4.5時間歩いて到着したのが、昨日宿泊予定だった高山裏避難小屋です🏡
有人営業中ながら大規模改修工事中で、数名の作業員が常駐、ヘリでの資材搬入に大忙し🚁

岩湧水は美味しくそのまま飲めます💧

今日の大ボス、荒川前岳斜面に氷河が作った巨大カールのゴーラ沢登り💦
陽が高い11時過ぎ、全長600m&標高差400mは、5時間以上歩いてきた身体にはかなり辛いかも…😵

でも青空にゴールが見えれば気合い一発!!👍

気温13℃、北西の乾いた風を背に、時々雲が陽射しを遮ってくれ、思いの外サクサク快調🎶

半分ほど来ました😁

振り返れば三伏峠は遥か彼方、小河内岳の裏で見えず、よー歩きました🥾

登り切った✨✨

一年ぶりの高度3000m突破😁

前を歩かれているのは、昨夜19:30に三伏峠を出て15時間、道に迷いながらも休まず夜通し歩かれていたテント泊装備の方で(私はこの時点で7時間半と半分)、疲労でゴーラ沢下で諦めて戻ろうか悩んでいた人です。
同じ荒川小屋泊の予定と伺い、眼前の急登に自信を失っているだけで、まだ十分歩けそうでしたので、高山裏小屋まで戻るよりも進んだ方が安全と判断して、プレッシャーを掛けないようにゆっくり、少し離れた背中から励ましながら一緒に上りました。
登りきった所で「ここまで来て諦めなくて良かった!」と感謝され握手🤝
山で「こんにちは」と挨拶するのは相手の返事から異変を察知したり相談しやすくする目的もあり、そこで「一緒に頑張ろう!」と言われると気持ちやパワーが戻ったりもします。
山では助け合いと思いやり精神がとても大事で、これもお互いの良い思い出となります。

目標①荒川中岳(3082m)登頂をコンプ🎊
奥は左手前から赤石岳、聖岳(3013m)、兎岳、中森丸山がズラリ。

中岳避難小屋の先に荒川三山の主峰、百名山の悪沢岳(3141m/国内6位:登頂済)⛰️
本当は小屋にザックをデポして悪沢岳を往復予定でしたが、スケジュール変更(実態は疲労による明日用の体力温存😌)により泣く泣くカット🤗

荒川小屋に向かう途中、鹿繁殖被害から草花を守るフェンスに囲われたエリアがあり、扉を進んだ先には見事なお花畑が🤗

ここだけでお金取ってもいいかも?、と思えるくらい観たことのない一面の高山植物に吃驚しました🥀🏵️🌱

明日未明の登りを挑むことになる赤石岳方面と、右中央に本日お世話になる荒川小屋の赤い屋根🏠

荒川小屋の夕飯はカレー&味噌汁お代わり放題でエネルギー補充は万全🍛

スケジュール変更で最終日はロングルートになった為、暗闇3:00出発、12:00過ぎには下山しないと帰りのバスに間に合わない背水の陣😠
因みに7月下旬の南ア林道崩落により、登山者がレスキュー支援で川を渡っているヘリ映像がニュースに流れたまさにその場所ですが、既に8/1復旧しています。

ヘッドライトを頼りに、凍える強風に耐えながら黙々と登り詰め、夜明け前に稜線の小赤石岳の肩に到達、朝焼けに富士山が映えます🌋

小赤石岳山頂からモルゲンロートで赤く染まる荘厳な赤石山脈の盟主 赤石岳(3121m/国内7位)😄
これらの絶景も当初計画では観られなかったタイミングの光景で、まさに怪我の功名でした🤣

赤石岳に登頂、これで目標②コンプ🎉

山頂直下の赤石岳避難小屋は定員10名と激戦で、一度は取れたのですが休暇日程調整でリリース😔

見返り景観は、手前が小赤石岳、奥に昨日の荒川三山、さらに奥に仙丈ヶ岳、甲斐駒、間ノ岳、農鳥岳の南ア主力の峰々😆

さぁ、3100mから1150mの椹島まで標高差▲2000mを約5時間、長大な赤石の東尾根を下ります!
遅くとも11:00には下山出来そうで慌てる必要はなくなり😄、怪我をしないためにも余裕をもった行程計画が何より肝要です😉

赤石小屋までのトラバース道には多数の桟橋😑
通常、山小屋料金はこういった登山道の維持・整備費にも使われており、本当はどの山も徴収コストさえ見合うなら入山料を取るべきで、今ならGPSとETC技術の融合、山岳保険とのセット義務化で十分可能ではないかと思います。
雑草刈りから浮き石対策、木道やベンチ、梯子や鎖、ピンクテープやペイント設置、遭難救助など、本当にご苦労様です☺️

荒川小屋おにぎり弁当でエネルギーチャージ🍙
赤飯のようで実は小倉あずきの甘さが嬉しい気遣い😊

深く濃く、美しい森🌲

ハイペースで来たのでバス時刻まで余裕ができ、涼しさが名残惜しくてダラダラゆっくり下りました😅

リニア工事用のダンプの音に実社会に戻されつつ、無事に下山😄

椹島ロッジでシャワー浴びて、入念な事前トレ登山が効いて筋肉痛なし🎶

昨日の荒川小屋で仲良くなって、今日は逆周りの悪沢岳経由で下りてきた顔見知りと合流してビールで祝杯🍻🎉

小屋に泊まらないと乗れない東海フォレストバス(無料ですが貸出ヘルメット着用義務😱)で椹島から1時間🚌、畑薙ダム夏期臨時駐車場から静岡駅までは8/17までの季節限定1日1便しかない“しずてつバス(3500円)”に乗り継いで2時間半🚌、新幹線🚅で神奈川帰還20時過ぎと、南ア南部は本当に遠いです!

このアクセス難が北アに比べて人気がない理由の1つですが、一つ一つの山容がダイナミックで静かな南ア南部は山好きにはタマリマセン😉

さて、普通の人間は逆立ちしても天候には勝てません☔⚡🌧️
今回はギリギリのリスク判断が問われましたが、現場の情報交換や「山は逃げない」の格言を思い出して無茶しないと決断し、代替策に早々に切り替えたことが奏功、大変いい経験になりました🤔

目標達成のほか、山で知り合った方々と仲良くなってLINEグループを作ったりと、珍しくリカバリープランがオリジナルを上回った(可能性が高い)、思い出深い山行になりました🌞😄