
自動車に使われている電子基盤(モジュール)は、インサートマシンにより自動半田付けされます。
治具に乗った基盤(マザーボード)が移動しながら自動半田されます。
その際に、微妙に寸法が違うマザーボードの混入や、治具に乗せるロボットが位置ズレする事があり、そのままインサートマシン(自動半田)を通過すると自動半田の先端部が接触し、緊急停止する事があります。
それを度々繰り返すと、正常に半田付けされないイモ半田基盤が混ざります。
インサートマシンの半田温度も微妙にズレる事等も影響します。
イモ半田には、多くの人的要因があるんです。
インサートマシンの担当者も、微妙に半田位置がズレてる事は気付いてますが、インサートマシンを停止してティーチング(位置修正)し直す事は、まず無いでしょう・・
生産数量が減った理由等の報告書を書かされるからです。
微妙に不良でも、決められた生産数量を下回る事は出来ないんです。
実際は品質より量が優先なんです。
それでも実車で不良が出る確率は極わずかで、不良部品はディーラーで交換対応すると言う考えです。
そうしてインサートマシンで自動半田されたスイッチ他は、トルクを掛けて作動チェックをします。
作動トルクチェックに合格したら、80℃位の熱で数十分~数時間の熱デバック検査をします。
その熱デバック検査も、夜勤の人などは半数検査のみで合格判定にする事もあります。
長期間振動を与えてイモ半田を判別する検査は無いんです。
イモ半田の半不良品は全ての検査に合格してしまうんです。
パワーウィンドスイッチ、ハンドルのコンビスイッチ・・・各種基盤です。
パーツ生産工場で、半不良品と言えるイモ半田部品が車の生産工場で車に取り付けられて新車で出荷され、車の購入者が実際に走行してる内に、振動でイモ半田が外れての接触不良が起こります。
車に限らず、全ての電子基盤に共通する事だと思います。
現代に置いても、質より量なんです。
現代のインサートマシン(自動半田)だからこそ、不良部品が出るんです。
あっ!
自分は元、「逝っちぇ○産」の社員で、インサートマシンの調整や産業用ロボットのティーチング、生産ライン改良を担当してました。
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2025/05/12 02:10:20