ワインディングロード…SUBARU BRZ

朝日が山の稜線から顔を出す直前、
峠の空気は張り詰めたように冷たい。
SUBARU BRZのエンジンをかけると、水平対向エンジン特有の重心の低い音が、静寂を破る。

「今日の路面は良さそうだな」
そう呟きながら、シートベルトを締める。

1速、回転数を合わせてスタート。
エンジンのレスポンスは軽やかで、ハンドルを切るとすぐに反応が返ってくる。
フロントからリアへと流れるような動き。
まるで、車全体がひとつの生き物になったかのよう。

S字のカーブに飛び込む。
ステアリングは軽すぎず重すぎず、手のひらに情報が伝わる。
アクセルを微調整しながらラインをトレースする感覚は、まさに「走るための道具」。

急カーブの手前で一瞬ブレーキング。
車体が前傾しつつも、安定した姿勢を保ったままスムーズにコーナーに進入。
低重心＋FRの利点がここで生きる。
リアが粘り、トルクが素直に路面へ伝わっていく。

「気持ちいい...」

ふとミラーを見れば、朝焼けがじわりと空を染めている。
それでも足は緩めない。
この車と、この道が、自分をもっと先へと誘っている。

風が流れ、タイヤが歌う。
道がある限り、まだ走り足りない。