
イラン革命防衛隊(イスラム革命防衛隊)は、イラン・イスラム共和国の軍隊組織の一つです。イランの最高指導者ルーホッラー・ホメイニーによって1979年のイラン革命直後に創設されました。
主な役割と特徴:
* 革命体制の護持: イラン革命の成果とイスラム体制を守ることを目的としています。これはイラン憲法でも明記されており、ある程度政治的な意味合いも持ちます。
* 国家安全保障: 国内の治安維持と国境警備を担当し、法執行機関としての役割も果たします。
* 独自の軍事力: イラン国軍とは別に独自の指揮系統を持ち、陸軍、海軍、空軍、情報機関、特殊部隊(コッズ部隊など)を擁する統合軍です。弾道ミサイル部隊も保有しています。
* 非対称戦術への重点: 従来型の戦闘だけでなく、密輸やホルムズ海峡の掌握、抵抗作戦といった非対称型の戦闘方法に主眼を置いています。
* 国外への影響力: レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派など、中東周辺地域のシーア派過激組織の育成・支援に深く関わっており、「革命の輸出」も担っています。
* バスィージ(民兵部隊)の指揮: 大規模な民兵部隊であるバスィージを指揮下に置いており、彼らは国内の治安維持や体制批判の監視、選挙における保守派の票田としても機能しています。
* 経済的な影響力: 非公式ではありますが、一部の財団などを通じて経済にも実効的な影響力を持っています。
イランには国軍(共和国軍)と革命防衛隊という2つの軍事組織が存在しますが、国軍が主に外敵との戦闘を想定しているのに対し、革命防衛隊は革命体制の維持や国内の治安、そして国外におけるイランの影響力拡大といった、より広範な役割を担っている点で異なります。
Posted at 2025/06/22 18:00:18 | |
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