無題

診察の帰りに妻の勤務先によった時の出来事。

以前、妻が受け持ちをしていたと言う患者。

初老の女性

「私、肺がんの末期なの」って笑いながら話かけてきた。

以前の入院の時妻に随分世話になったらしい。

いろいろと話しかけられたのだが、なんて返したらいいのかわからなかった。

どんな言葉をかけようが口先だけになってしまいそうで…

自分の命の期限が迫る中、何故あれだけ気丈に、明るく振舞えるのだろう？

私が生きてきた中でこれほどのショックと言うか頭をハンマーで殴られたように感じたのはおそらく初めてだ。

なんだかわからないがもう一度会いたい、会って話がしたい。
励ますなんておこがましいことを言う気はないがあの時何も言えなかったからかどうしても会いたい。

妻に頼んで近日中にでも会いに行こう、迷惑かもしれない、邪魔になるかもしれないがなにか自分の中で変わるような、区切りがつきそうな気がする。

重たい話ですみません