• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

zyumのブログ一覧

2026年06月21日 イイね!

サスジオ計測 (前提知識編)

サスジオ計測 (前提知識編)私事ですが3Dスキャナーを購入しました。
買ったからにはDIYに役立てていきたいところですが、その前にずっと気になっていたジオメトリを測定して行きます。
せっかくですし、他のMR-S乗りの方々にも何かしら役立てていただきたいので色々公開していくのですが、トーキャンバー以外にも割とマニアックな要素も公開するので「この値って何のこと?」とか「この値が高くするとどうなるの?」みたいなことが減るように、簡単に説明していきます。
あまり深堀はしないので、気になる人は個人で調べてみてください。

説明するのは以下の通りです。
・前提条件(座標系とか)
・キャンバー
・トー
・キャスター角/キャスタートレール
・キングピン傾角/スクラブ半径(キングピンオフセット)
・アライメント変化とロールステア
・スリップ角
・タイヤ横力(コーナリングフォース)
・アッカーマンステアリングジオメトリ
・ロールセンター高/ジャッキアップフォース
・コンプライアンス


・前提条件
一般的に車両の座標は前後方向をX軸、横方向をY軸、上下方向をZ軸とされています。これは欧州と日本で正負が変わることはあっても基本的には一緒です。
また、X軸まわりに回転することをロール、Y軸まわりをピッチ、Z軸まわりをヨーといいます。
ただしこれは規格の話で、ゲームは使用してる物理エンジン次第で変わります。(例を挙げると、AssettoCorsaでは前後方向Z軸、横方向Y軸、上下方向X軸)

・キャンバー
ジオメトリを知りたいという人なら知っていると思いますが、車両を正面(YZ平面)から見た時のタイヤの傾きのことです。主にコーナリング中のタイヤの接地性や、キャンバースラストと呼ばれる傾いた側に進んでいこうとする力を利用するために付けることが多いです。(鬼キャンは除く)
ハの字をネガティブ(値ではマイナス)、逆ハの字はポジティブ(値ではプラス)です。

・トー
これも知ってると思いますが、車両の鳥瞰図(XY平面)におけるタイヤの角度です。調整することで直進安定性やステア特性が変化します。
内股の状態をトーイン、逆をトーアウトといい、トーインにすると直進安定性が上がって曲がりにくさが出てきます。

・キャスター角‐キャスタートレール
勘違いされてるであろう名称No.1の角度。
キャスター角とは側面図(XZ平面)で見た時の転舵軸(キングピン軸)の傾きです。ストラットの角度ではありません。 ラリーカーのストラットの傾き見て「キャスター角がマイナス」と言うような人にはならないでください。
alt

なお、転舵軸とはアッパーアームもしくはアッパーマウントのジョイントと、ロアアームのジョイントを通る線のことです。(上図のオレンジの一点鎖線)
キャスタートレールとは地面と転舵軸の交点と、タイヤ設置中心までの距離の側面図成分です。
よくキャスター角がついていると直進安定性がいいといわれますが、直進安定性はキャスタートレールの方が支配的です。キャスター角は転舵したときのキャンバー変化に影響を与えます。

・キングピン傾角‐スクラブ半径(キングピンオフセット)
勘違いされてるであろう名称No.2の角度。
正面図(YZ平面)で見たときの転舵軸の傾きです。ストラットの角度ではありません(2回目)
スクラブ半径(またはキングピンオフセット)は地面と転舵軸の交点と、タイヤ接地中心までの距離の正面図成分です。スクラブ半径が大きいとハンドル操作が重くなります。

・アライメント変化
タ◯ヤ館で取ってもらうのがネタになっているアライメントですが、サスペンションの上下動に伴って変化します。
旋回時にロールするとき、タイヤの接地面はなるべく変化させたくない(もしくは面積を増やしたい)ので、キャンバーはサスペンションが縮むとネガティブになります。
旋回する(ロールしていく)ときにステア操作以上に曲がろうとするのを避けるため、一般的にトー角はロールアンダーステアに振られます。ロールアンダーステアの場合、サスペンションが縮むとフロントはトーアウト、リアはトーインとなります。

・スリップ角(横滑り角)
操舵してコーナリングするとき、なんなら直進時においてもタイヤは滑っています。(じゃないとトー角つけたら走れないので)
このときの車両進行方向とタイヤの切れ角の差をスリップ角(横滑り角)といいます。

・タイヤ横力(コーナリングフォース)
コーナリングするとき、車両にかかる旋回Gを支えるためにタイヤは横方向の力を発生させます。これをタイヤ横力(コーナリングフォース)と言います。タイヤは接地面の摩擦をタイヤの横剛性(バネ的な作用)によって車体に伝えます。つまり、タイヤが横に変形する(=スリップ角が付く)ことで横力が発生します。横力とスリップ角の関係を図示すると以下のとおりになります。
alt

この図はとあるタイヤの試験結果です。(スリップ角が若干オフセットしてますが...)
スリップ角が少ないときは横力は比例し、スリップ角が大きくなるとだんだん上がりにくくなってやがて飽和、もしくはピークを超えると低下していきます。
なお、横力とスリップ角の関係は垂直荷重によって変化します。一般的にタイヤの摩擦係数は垂直荷重に対して比例関係ではなく、垂直荷重が増えていくにつれて横力の増加量は低下していきます。(つまり同じタイヤなら軽い車のほうが有利)
また、これに伴って横力ピーク時のスリップ角も変化し、垂直荷重が少ないと少ないスリップ角で横力がピークに達します。(次の話で重要なので覚えておくこと)

・アッカーマンステアリングジオメトリ
ステアを切ったとき、左右の転舵角に差が生じ、旋回内輪は大きく切れて外輪は切れ角が少なくなります。これは、内輪と外輪で旋回半径が異なるため、同じ切れ角だとどちらかが大きく滑ってしまうのを避けるためです。これをアッカーマンステアリングジオメトリ(略してアッカーマンステア、もしくは単にアッカーマン)といいます。
alt

これはCADでテキトーにお絵かきした図ですが、外輪25degに対して内輪が36.26degと大きく切れていることが分かります。(トレッド幅とホイールベース次第ですが)
内輪と外輪の角度差が、理想のアッカーマンステアに対してどのくらいの割合かを示すものとしてアッカーマン率[%]があります。これは操舵角によって変化します。
ただ、アッカーマンが有効なのはタイヤのスリップ角を無視できる極低速域における話で、タイヤのスリップ角が大きくなる領域(特にスポーツ走行等)においては内輪が必要以上に切れてしまいます。(内輪は垂直荷重が少なく横力ピーク時のスリップ角が小さい為、あまり舵を切りたくない)
旋回Gによる荷重移動で左右の垂直荷重に差が生じている時、外輪は大きめのスリップ角を、内輪は小さめのスリップ角が欲しい状況になりますが、アッカーマンでは真逆のことをしてきます。これを避けるため、あえてアッカーマンと逆のことをする、アンチアッカーマンという考え方があり、レーシングカー(特にフォーミュラカー)に採用されていたりします。

ロールセンター高‐ジャッキアップフォース
ロールセンターとはロールするときの瞬間回転中心のこと。あくまで瞬間回転中心なので、静止状態からサスペンションがストロークしたりロールしていくと、ロールセンターは移動していきます。
alt

この図はストラット式でのロールセンターで、緑の筒がストラット、青い棒がロアアーム、黒い長方形がタイヤです。
ロールセンターは中央の緑線上端の白い点で、緑線はロールセンター高です。
ロールセンター高が下がって重心との距離が遠くなるほど(ロールモーメントアーム長が増えるほど)、ロールモーメント(ロールさせようとする作用、トルク)は増えるため、同じ脚の硬さでもロール角は増えていきます。また、荷重移動量も増加します。
ロールセンター高は車高を下げると低下していき、低下量は車高を下げるとこによる重心高低下よりも大きくなるので、車高を下げるとロールモーメントは増加します。
よく、「車高調入れたら重心下がってロールが減った!」という人が居ますが、それは多くの場合車高調が硬いだけです。
なお、ロールセンター高を上げると荷重移動とロール角は減りますが、コーナリング時に車体を上側に押し上げようとする力、ジャッキアップフォースが発生します。
ジャッキアップフォースが大きくなるとコーナリングでポンポン跳ねたり、荷重移動とは別要因で内輪の接地荷重が減ってしまい、ロールセンター高を下げた時のようにイン掻きしやすくなる場合があります。

・コンプライアンス
ここまで長々と書いてきましたが、実際の走行時にはコンプライアンスによってすべて変わってきます。
ここで言うコンプライアンスとは法令遵守的な意味ではなく、旋回Gや加減速Gによって生じる力によりブッシュやアーム、ブラケットがたわむことです。たわむことでアーム長やジョイント位置がズレてしまうので、元も子もないこと言いますがサスペンションリンクを実測しても解析しなければ走行時にどうなっているのかは分かりません。
ただ、トーに関してはロールアンダーステアになるようにブッシュとボールジョイントを使い分けていることがあります。(事実MR-Sもそうだった)
なお、コンプライアンスによってトー角が変わることをコンプライアンスステアといいます。


最後に
今回説明したのは自分が覚えている内容であり、何か参考文献を見ながら作成したものではないので間違いがあるかもしれません。
詳しく知りたい場合は自分で調べてみることをお勧めします。
Posted at 2026/06/21 15:54:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | ビジネス/学習

プロフィール

「[整備] #MR-S サスジオ計測(MR-S ZZW30) https://minkara.carview.co.jp/userid/3816993/car/3869508/8690216/note.aspx
何シテル?   06/21 16:36
パーツの取り付け等はほかの詳しい方が記録残しているので、DIYで作ったものを記録していく予定です。(たまにパーツの取り付けも残すかも) あと、大学で学んでた車...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2026/7 >>

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

愛車一覧

トヨタ MR-S トヨタ MR-S
大学の先生に感化されて ドライバより後ろにエンジン載ってる車しか所有できない教 に入信し ...

過去のブログ

2026年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation