さてさて今回は少し趣向を変えて釣った魚の美味しい持ち帰りかたと簡単にできる捌きかたについて書いてみたいと思います。
書いてみようと思った理由はと言うと・・・・・・
せっかく一生懸命釣った魚なんだからおいしく持ち帰りたいのが人情だと思います。
ところが漠然とクラーボックスに入れ持ち帰ってる方やもうちょっと工夫するだけでもう一段鮮度やおいしさを損なわずに持ち帰れるのにおしいな~~~と思う方々が実はかなり多数居られるのでどうせならブログで紹介してみようかと思った次第です。
まず最初に書いておきたいことは・・・・・・
釣った魚を美味しく持ち帰るためには余分なストレスを与えず魚を即死させることです!!
いわゆる「〆る」と言うことです。
ではなぜ〆ると魚がおいしく食べられるかと言うと・・・・・・
簡単に書くと釣った魚を〆ずにクーラーボックスの中に入れてしまうと、中で暴れて苦しんだ挙句窒息死します。暴れることで身に血がにじんだ状態になり、血の臭みが魚肉に残ってしまうんです。
よって釣ったらすぐに締めるのがいい訳です
もう少し専門的に書くと・・・・・・・
まず魚にとって釣られるということはかなりのストレスであり、そこにさらに水の張っていないクラーボックスの中へ放り込まれるわけです。
するとどうなるかと言うと、何が先に起こるかは順不同としますが以下の変化が魚に起こります。
強いストレスを感じることにより
1、魚肉に含まれるうま味成分(おもにアミノ酸等々)が分解され旨みが低下します。
2、魚から「乳酸」が大量に分泌されそれが身に廻り独特の臭みエグミの原因になります。
3、ストレスを感じ暴れることで身に血がにじんだ状態になり、血の臭みが魚肉に残ってしまうんです
4、ストレスを感じると短時間で身が痩せてきます。(身が締まるのとは意味が違います。)
等々デメリットばかりでメリットはほぼありません。
またよく勘違いされる点としては・・・・・
「生きている=鮮度がよい」と一般常識レベルで世の中に浸透していますので勘違いされてもいたしかたないのですが実は・・・・・・・・
「生きている=鮮度が良い」ではありません。
なぜならば狭いビクやスカリの中やでは魚は強いストレスを感じ上に書いてあることが起こります。
特に4の身痩せは10分前後から始まり時間経過とともにガンガン痩せていきます。
ちなみに魚がストレスをを感じないで泳ぐには体長の2~3倍の広さが必要です。
つまり多くの管理釣り場でアベレージと呼ばれて放流されている魚はニジマスなら25~35cmほどの魚が多いので少なくともスカリやビクの横幅が50cm~1mほど必要になってしまうわけです。
そんなに大きなビクやスカリましてや水の入ったクーラーボックスなんかは用意する方がむしろ現実的ではありません。
ましてやヤシオマスやロックトラウト、イトウなんて話になった日には・・・・・・・・(・w・´;)
また生きていても上に書いた2、4の問題が非常に顕著に現れるので生かしておけば生かしておくほど・・・・・・・
2~5匹ぐらいならまだしも20~40匹なんか入れた日には・・・・・・・・・・
20~40匹の魚が入ったビクやスカリの中は人間でいう・・・・
「乗車率150%の満員電車と同じです」
結果は皆様のご想像にお任せいたします(`・w・´;)
大事なことなので二回言うと・・・・・・
美味しく持ち帰るコツはポイントは余分なストレスを与えず即死させることです。
では!!!〆るとはなんぞや?!
魚を〆るというのは、魚の「延髄」(中骨のことです)を切断し脳を破壊することです。要するに「即死させる」ということですね。
まず画像の・・・・
赤線の十字に交差しているところから矢印の方向に向かって包丁または大型ナイフをざっくり入れ
「ゴリ!!」
と手ごたえがあるまで刃を入れます。
中骨は小型、中型でも結構固いので間違っても手を切らないようにして下さいね(`・w・´)ノ
ここに魚の神経が通っているので魚が痙攣を起こせばOKです。
大型の場合はさらに青線のところで中骨を切断します(理由は次の血抜きにて)
この〆たときに一緒に血抜きをしておくとさらにおいしく持って帰れます。
小型の場合は〆たときの中骨のそばに太い血管が通っているので一緒に切断した時に抜け出る血で血抜きは十分だと思っています。
大型の場合はさらに緑の×印のところに包丁を入れつつエラを残さず切り離し上でも触れたしっぽの方の青い線でしっぽを切断します(しっぽ付きで持ち帰りたい場合は尾骨を切断だけしてください)
生きているうちに〆て血抜きをすればしばらく心臓は動いているので非常に楽に血抜きができます。
また血抜きには下のようなメリットがあります。
1、血抜きをすることによって、身が生臭くなることを防ぐことができます。
2、身に、血が入らないのでお刺身などにした時に見た目が良くなります
極力大型の場合は生き〆が望ましいですが手抜きをしたいときには帰り際に上の手順で血抜きをし頭を下にして逆さにするか、魚体を折り曲げるようにすれば、血抜きができます。
また大型の場合は血液量も多く生臭くなりやすいため〆たときにエラも一緒に取り除きます。
その後水で丁寧に流れ出た血を洗い流してからクーラーボックスに入れると鮮度が保てます。エラを取らなかった魚は、取った魚に比べると生臭さが強くなることがあります。
では流れで捌き方ですが
矢印の入っている肛門から包丁の先(切っ先)を入れ矢印の方に刃をすすめ内臓を取り除きます。
画像では頭を落としていますが落とさない場合はムナビレの付け根から包丁を入れ半身だけ頭から切り離してください。
次に・・・・・
赤い円で囲まれている部分が「血合い」と呼ばれる場所でここを取り除きます。
親指の爪でガシガシやるのが一番簡単で早いですがそれが嫌な方は包丁で丁寧に取り除いてください。
次に・・・・・・
矢印の線上に中骨に沿ってあばら骨を切り身を開いていきます。
すると・・・・・・・
手慣れてくれば画像のように綺麗に開けるようになります。
ワンポイントとして
赤い円の部分は切り離すときれいに焼けます。
青い円の部分は切り過ぎないことで焼いた時に身崩れしにくくすることができます。
後は皆さん焼くなり煮るなり干物にするなりお好きなようにどうぞ(`・w・ノ)ノЦ(・w・´)イェ~イ♪
「でもさ~おいしく持ち帰るのはわかるけどわざわざ調理場までいって〆てたら釣りする時間無くなっちゃうじゃ~~ん(ーoー)」
「釣りするついでに持って帰るだけでそこまでの手間掛けておみあげ釣りに来たわけじゃないんだよ俺達( -_-)」
とそう思っているあなた方!!
正論です!!
むしろ私も人から頼まれた時以外はいちいち〆に行くのも面倒だし釣って~~捌いて~~なんてやっていたら正直「なにやってんだろ?何しに来たんだろ?」と思ってしまいます。
そんなチョイ不精がしたい方々にはこれから説明する方法が特にお勧めです。
やることはと言えば・・・・・・
釣れたらクラーボックスに入れるだけ!!!
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「マテマテ!前の説明だとそれはやっちゃいけないとか書いてなかったか?」と思われるでしょうがこれには仕掛け(ちょっとした工夫)があります。
まず
画像のように用意するものは
・クーラーボックス(欲を言えばもう一回り大きいものが望ましいです)
・氷
・ビニール袋2~4枚
・お塩
これだけです!!!!
まずは氷をビニール袋に入れます。念のためさらにもう一枚ビニール袋を重ねれば完璧です。
次に・・・・・
画像のように水を入れその中に
このぐらいお塩を投入します(クーラーボックスの大きさによって量は増減します)
これで後は釣って氷水の中に入れるだけです。
原理としては
人間が凍死するのと同じ状態を氷水で作ってやり魚に極力ストレスを掛けないで死ぬようにします。
厳寒期のエリアフィールドでも水温は3~5度ぐらいはあり上の工夫をしたクーラーボックスの中は時間がたつにつれ0度に近い状態になります。
すると釣られた魚をクラーボックスに入れると水温が急激に低下した時と同じ状態になり魚は身動きができなくなります。
皆さん急激な冷え込みで魚の動きが鈍くなり釣れなかった経験無いですか?
あれと同じ状態がクーラーボックスの中で起きているわけです。
そして水温になれる頃にはあまりの水温の低さにまずは魚が仮死状態になりほとんど身じろぎすらしなくなります。
そして人間の凍死のように緩やかな死を迎えるわけです。
さてそこのあなた(`・w・´)ノ凍死と窒息死どっちが苦しいでしょうか?
・・・・・・・・
私はどっちも経験したことがないのでわかりませんが(ノwノ)おそらく凍死のほうが苦しまない分ストレスは少なくて済むのではないかと私の中では仮説を立てています。
これなら家で準備をし釣り場で水を入れ釣った魚をクラーボックスに入れるだけで簡単に美味しく持ち帰ることができおいしくいただけることができます。
これすらも「面倒だ」と言う人は・・・・・・もっと不精をできる方法が見つかったら私にも教えて下さい(ノwノ)
撮影協力のエリアは毎度おなじみフィッシングエリアJ様でした。
ありがとうございました。
なおフィッシングエリアJでは店長が快く私とおなじ捌き方を教えていただけますので「気軽に声を掛けて下さい」とのことでした^^
ではではこの辺でまた~~~~~~~(`・w・´)ノシ
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