さよならの日　～ドナドナ～

雨が降る中、お迎えの車が来ました。

決意をした日以降、情が移らないように、また直して乗りたいという感情が沸いてこないように、カバーをかけたまま駐車場に近づくこともやめてました。

久しぶりにカバーを取ったＭＰ３はとてもかっこよかった。

（思ったより惚れてたな｝

なんか失恋にもペットとの別れにも似ているような

「きっと縁あってウチに来たのにかわいがれずごめんな。次の人にかわいがってもらってな」

そう言ってテールの蓋をポンと叩いた。

また、悲しくなった。

トラックに載せる時「手伝ってもらえますか？」と言われ、後ろから押しました。

実際に手で押すことで、自分が突っ返しているんだと感じ、前を見れなかった。

トラックに縛られているＭＰ３、そのまま出発する姿を見てまるでドナドナのように思えてきた。

とにかく悲しい別れだった。