ほんとにあった　？な話　第４話　⑪

そのリズムがだんだんと狂いだしてきた。


彼女が帰ってから今までと変わらずの日々。


ある日を境にそうではなくなってきた。


気がつけば電話をしている時間は短くなった。


彼女が仕事が忙しくなってきたからだ。


自分の中では仕方ないと思いながらもそれが不満だった。


それは電話での話し方にも出てしまっていた。


彼女はほんとに次いつ会えるか分からないと。


電話で話しても・・・


話す事がない。


お互いに無言な時間も多かった。


自分は丁度、車を買い換える事を決めた頃。


彼女には内緒にしてビックリさせようと思っていた。


ネットで車の事を色々調べたりしていた。


みんカラを始めたのもこの頃だ。


彼女と電話をしている時に自分はネットでブログ更新や
コペンについて色々調べていたのだ。


電話をしながらしていると気づけば電話での会話がおろそかになる。


彼女「今、何してるのぉ？」


きー坊「秘密」


こんなやり取りがしばらく続いた。


ブログの事も車の事もビックリさせたいからだった。


そしてある時、メールをしているとおかしい事に気がついた。


そのメールを見て自分はこんな返信をした。


きー坊「もしかして別れたいの？」


彼女の返答は即答だった。


彼女「終わりにしよう」


・・・


いや


きっと今までみたくすぐに仲直りするでしょ。


彼女は自分の仕事の忙しい事できー坊をかまう時間が無く
こんな状態で待たせるのは申し訳ないと言ってきた。


自分にとっては今までも待っていた立場。


その期間が長くなっても待てる自信があった。


もちろん彼女にその様に伝えた。


だが・・・


彼女の決心は固かった。


何を言っても別れるという事を曲げない。


自分にはどうする事も出来なかった。


何かあってすぐに行ける距離ではない。


時間もない。


もう・・・


諦めるしかなかった。


なくなく承諾した。


でも・・・


数日経てば戻るんじゃ・・・。


そんな甘い考えで自分はいた。


彼女に携帯をこちらへ送ってくれと伝えた。


もし・・・これが本当に送られてきたら・・・


本当に終わりなんだろうと自分は思った。


夜、全然眠れない。


今ならまだ引き留めれるんじゃ・・・


そんな事を考えながら気がつけば朝だった。


しかし体も限界がきて気づけば眠っていた。


いつもの時間のにアラームが鳴り目が覚めた。


寝たのはほんの２時間ほど。


憂鬱だった。


会社へ向かった。


仕事が手に付かない。


一人の時間になってあれこれ考えてしまう。


でも・・・もう終わってしまったんだと自分に言い聞かす。


誰か・・・助けてくれ。


そんな気持ちでいっぱいだった。


そんな時に元彼女に話しを聞いてもらおうと思い連絡をした。


元彼女は新しい彼がいるにもかかわらず会ってくれた。


元彼女「何かあったの？」


きー坊「いやぁね・・・」


別れたという話をした。


何も言わずに話しを聞いてくれた。


話しをしていると涙が出てきた。


元彼女「泣くくらい好きだったんだね」


寂しくて涙が出たのではなく悔しくて涙がでた。


何も出来ない自分に腹が立った。


元彼女は自分を慰めてくれた。


少しスッキリして家へ帰った。


また眠れないのかと思いながらベッドに入ったが
話しを聞いてもらい泣いたせいか眠りについたのは早かった。


そして数日後・・・


１通のメールが来た。


携帯送ったから２日位で着くと思うから。


そのメールを見た時にまた思い出してしまった。


ほんとに届くのか？


そんな考えはすぐに否定された。


数日後に未配達の紙が届いていた。


遂にこの時が来たのか・・・。


休みの日に受け取りに行った。


車に戻り中身を出してみる。


緩衝材にくるまれた携帯が入っていた。


中身を取り出してみると手紙が一緒に入っていた。


ダリンへ

事務所からなのでこんなコピー用紙しかなくてごめんね。
今まで本当にありがとうね。私が一番しんどかった時に
ダリンに会えて本当にすくわれたんだよ。
だからすごい楽しかったし幸せでした。
今は休みもぜんぜんなくて、一杯一杯で頭ん中も
ぐーるぐるでさ・・・。かといって投げだす事もできないので
とりあえず歯くいしばってがんばってみるよ。
ダリンには感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがと。私はわがままばかりだったけど
ダリンはなんだかんだ言って優しかったよ。
ダリンもがんばってね。ホント何度も言うけど
ありがとうね。


忘れかけていた感情が一気に噴き出してきた。


どこにぶつける事も出来ない感情。


本当に別れたんだなとようやく実感出来た瞬間だった。


今回の恋愛は初めての遠距離で色々と学ぶ事が出来た。


一番の経験はあれだろう。


自分から告白をするという事。


きっと、彼女に会っていなければ今の自分は無かったのだから・・・。











完