映画『日本のいちばん長い日』2015年版 鑑賞

映画『日本のいちばん長い日』2015年版 鑑賞

三船敏郎や佐藤允のファンだし、岡本喜八監督による東宝の1967年版が好き過ぎて、松竹の2015年版が劇場公開中は見られなかった。

そのため、今になって見てみた。

結論から先に言うと、1967年版の方が圧倒的に良い。

時の流れが明確化されているし、俳優の演技も最高。

特に1967年版で印象的だった本土決戦を望む陸軍将校達が、馬やサイドカーでビラを撒くシーンが、2015年版では撒かれていたビラを拾うだけのシーンになってしまっていた。

【動画】日本のいちばん長い日 1967年版 ビラ撒きシーン

あと、佐藤允扮する古賀秀正参謀少佐がNHK本部占拠の場面とかも、ずいぶん割愛されていた。

とはいえ、阿南惟幾陸軍大臣役の役所広司は凄く良かった。


自決の演技も、三船敏郎に全然劣っていなかったな。

※余談だけど、聯合艦隊司令長官 山本五十六や陸軍大臣 阿南惟幾とか、過去に三船敏郎が演じた役を担うことが多い人だね。

1967年版が、終戦までの経緯を全体像で表現したのに対し、阿南惟幾陸軍大臣にクローズアップされたのが2015年版といえるかもしれない。

その他、先帝陛下役の本木雅弘の芝居も素晴らしい。







先帝陛下役は、イッセー尾形が『太陽』で演じていたけど、あれは完全にモノマネだった。



でも、本木雅弘はモノマネはしないで、先帝陛下の気品ある内面、揺るがぬ覚悟を表現していて流石だなと思った。


畑中健二 参謀少佐役は、一番のハイライト「田中大将 射殺」シーンとか含めて、絶対に黒沢年男の方がいいね！
（松坂桃李ファンの方、ごめんなさい。悪意はありません。）








最後になるけど、東条英機役がこれほどハマったのは、中嶋しゅうが初めてだろうね。
（外見が似過ぎ！）


追記：昭和19年8月22日制定の「臨時海軍第三種軍装令」以降、海軍大臣 米内光政も第三種軍装を着用しているはずなのに、第二種軍装（白）を着ているのはおかしいでしょ。



中村育二、全然パッとしてなかった(笑)




映画『日本のいちばん長い日』公式サイト
http://nihon-ichi.jp/