2008年07月06日
トルクとレスポンスの狭間で オイル選び 3 (オイルの減る車)
オイルの消費が激しい車・・・代表車種:アルファロメオ・BMW Mモデル
アルファロメオもBMW Mモデルも漏れなく減るという訳ではないようですが、減る車が多いのもまた事実のようで、ディーラーの指定油は10W-60になっています。
Mモデルは排気量も大きく#60・#50のオイルでもトルクが喰われないで済みますが、アルファロメオは影響が大きくでます。(特に純正で入れられるSelenia Racing 10W-60は187/23/150とかなり中低回転が重い設定です。)
減らない車は5W-40くらいまで粘度を下げ軽い吹き上がりレスポンスを楽しまれているようですが、減る車の方は#60・#50のオイルで右往左往されているようです。
オイル減りを防ぐ鍵は、N1レース用エンジンをイメージすれば解かり易いでしょうか。
N1用エンジンは高回転でフリクションを減らすため、ピストンクリアランスを大きめに組んであります。油温に合わせたオイルを使いますが、オイル減りしません。オイルが減るようなら組み直しです。その代わり、油温が適正温度近くに上がるまでしっかり暖気します。
一般に、油温100℃は適正温度の下限でこれ以下ですと、ブローバイなどに含まれる水分がオイルに蓄積する恐れがあります。オイルの番手が上がるごとに約10℃適正温度が拡がり、#60では130℃超、エステル油ではさらに+10℃、走行フィールを含め問題のない設定になっています。しかしエンジンはエンジンオイルだけで回っている訳ではないですから、#60のエステル油でも油温140℃で走り続けられるかどうかは車次第です。レースでは油温からオイルの番手を選び調整します。
オイル減りを防ぐには、40℃動粘度の高い15W-40に粘度を下げ、しっかり暖気をして走行することでオイルの減りは少なくなります。
オイルの消費が多いのはエンジンが温まるまでピストンクリアランスが広いままになっていて、オイル上がりしてしまうためです。#60・#50のオイルでちょい乗りがメインだとエンジンが温まり切らずにオイル減りが激しくなります。またサーキット走行では、冷えたエンジンを掛け2~3周回ってもエンジンは温まり切りません。コースに出る前にアイドリングで1度クーリングファンが回ってから走り出すぐらいでないとオイル減りが激しくなります。
15W-40に粘度を下げることによりオイルの温まるのがいくらか早まり、また40℃動粘度が高め(110前後)なので温まるまでの油膜も厚めです。トルクが厚く踏み加減が穏やかになるのも減らない要因かもしれません。#40では上が回らない・回りづらい場合15W-50・20W-50を選びますが、暖気時間はさらに延びます。
しっかり暖気し、温まり切るまでアクセルを開けないのにオイルが減るという方には、コンプレッション測定してみることをお奨めします。
コンプレッションが規定値よりかなり下がっている場合、リングの固着が原因ということもあり、添加剤で汚れを落とせば回復することもあります。また、添加剤を使ったメンテナンスにはコンプレッション自体を上げる物もあります。1度で数万キロ効果が続くと謳っている物もあり、効果の長短で費用も違うようですが・・・OHに出す前に、試してみてからでも遅くはありません。
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Posted at
2008/07/06 04:53:54
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