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オイルデータ＃40編の補正内容
追録で取り上げた国内版データを取り込み、国内でデータが公表されているオイルは載せ換えました。また何点か注目するオイルをUPしました。

＜40℃動粘度80以下の超レスポンスタイプ＞
Red Line (金属缶）0W-40　　　　　63.2　12.4　199
PowerCluster Racing RS　0w-40 63.85　13.78　208
PowerCluster BIRENZA BZ 0w-40 65.76　12.52 　191
TRUST　F2　SL 　0W-40 　　　　　67.37　13.42　206
MOBIL 1 Extreme 0W-40(全)　　 71　13.5　196
SHELL Helix Ultra 5W-40 　　 　　72.1　13.3　176
Guｌf　ARROW　GT40　5w-40 　　73.2　14.6　211
Castrol Super Racing 0W-40(全) 73.6　12.9　177
FINA FIRST　　　　　　0W-40　75.0　13.0　176
TOTAL Quartz 9000 0W-40　75　13　176
ELF EX F-0　　　　　　0W-40　75.0　13.0　176
Titanic　Hi-VIチタン　　　5W-40 　77.36　13.1　172
Agip TECSINT SX 　0W-40(汽全) 78　14　182
MOBIL 1 　　　　　　　　　　0W-40　78.3　14　186
AMSOIL Synthetic 　　　　5W-40　79.7　13.7　177


＜40℃動粘度80台のレスポンスタイプ＞
BP Vervis Zero NA　　　　0W-40　80.5　14.0　170
Ash FSE 　　　　　 　　　　 　 5w-40 80.5　13.7　176
Motul 300V Power 　 　　 　5w-40 80.8　13.8　176
OMEGA F26 SJ　　　　　 5W-40(?) 81　14.1　180
ビゴラス・アズーロ 　　　　 0W-40 82.3　14.5　184
BP Racing Beta 　　　　　0W-40　　82.5　14.4　182
Duckhams HG NA Sport 　 5w-40 82.8　13.8　173
ULTRA GOLD SM 　　　　5W-40　82,81　14,43
MUGEN REV-R 　　　　　 5W-40　82,81　14,43
BP Vervis Strada 　　　5W-40(半) 83.5　14.5　174
AMSOIL Synthetic Euro 5W-40　　83.6　14.5　182
SUNOCO　Svelt　　　　　5W-40　　84.0　14.0　172
ESSO Ultron SL 　　　　5W-40(全) 84　14.2　175
FINA FIRST　　　　　　　 5W-40(半) 85.0　14.0　170
VERUSPEED SL　　　　　　5W-40　85,95　13,89
ELF エクセリウム ＬＤＸ　　5W-40　86.5　14.2　170
Oberon F333 　　　 　　 　　 5w-40　87　13.5　158
Mazda Sports A-Spec SL　5W-40　87,58　14,28
Chevron Supreme Synthetic SJ 5W-40(全) 87.7　13.7　158
Havoline Synthetic SJ　5W-40(全) 87.7　13.7　158
TOTAL Quartz 9000 　　5W-40 (全) 88　14.5　172
WAKO'S 4CR-40 　　 　 　　　 5w-40 88.3　14.6　173
TACMAIN 匠　　　　　　　　10ｗ-40　88.3　14.8　177
Agip EXTRA HTS 　　5W-40(汽全) 89　14.1　163
SUMIX GX100 SM/CF 　　5W-40　89.07　14.75　174
MOBIL SUPER S 　　　10w-40(半) 89.4　13.7　155
Motul 300V CRONO　　　　 10w-40 89.5　14.0　161
RED LINE （プラボトル）　　　　0W40 89.4　15.7　189
OMV FULL SYN 　　　　　5W-40(全) 89.6　14.5　169
Rspsol Elite 50501 TDI 　　　　5W-40 90　14　150
Repsol Elite Competicion 5W-40(全) 90　14.6　155

＜40℃動粘度90台トルク＆レスポンス　バランスタイプ＞
Pennzoil Performax RACING 10W-40 91　14　158
SUNOCO X POWER 　　　　12.5W-40 91.56　14.17　160
VANDASH-R STAGE SL 　　5W-40　　91.7　14.6　166
Oberon F333 　　　　 　　 　　 0W-40　　92.4　13.7
Agip SINT EVOLUTION 5W-40(汽半) 93　14.1　155
Pennzoil Performax SJ 10W-40(汽全) 93.1　14.1　156
OMEGA F23 SJ 　　　　　　　10W-40(?) 93.6　14.5　160
BP Visco Sport 　　　　　　10W-40(半) 94.0　14.2　155
RED LINE（プラボトル）　　　　　　5W40 94　15.1　170
YACCO　VX 1000　　　　　　5W-40　　　94　15.2　170
Agip SINT 2000 　　　　　10W-40(汽半) 94　14.1　154
Agip TECSINT SL 　　　　5W-40(汽全) 94　14.3　158
Pennzoil Performax SJ 5W-40(汽全) 94.8　14.7　162
Repsol Elite Multivalvulas　　 10W-40 95　14.3　140
WAKO'S 4CT-S40 　　 　 　　　 5W-40 95.4　15.3　170
湾岸GⅢOIL 5W-40.　　　　　　5W-40　95.8　15.8　177
Gulf M-Sport　　　　　　　　　　　5W-40　95.9　15.4　171
Exxon Superflo 　　　　　　　10W-40(礦) 96　14.1　147
NUTEC NC-20　　　　　　　　　10W-40　97.0　15.56　171
ESSO Ultra SL 　　　　　　　10W-40(半) 97　14.4　156
QUAKER STATE 4X4 SUV Trucks 10W-40(半) 97.4　14.7　157
BP EUROSPIRIT FOR BRITISH CARS　10W-40　97.84　15.5　163
ESSO Uniflo SL 　　　　　　10W-40(半) 98　14.4　156
RED LINE （プラボトル）　　　10W40 　　98　14.6　154
Selenia StAR(AlfaRomeo)　5W-40(汽全) 98.5　15.7　170
Castrol TST M 　　　　　　　10W-40(半) 98.63　14.25　148
ZERO　SP　チタニウムTB　　10W-40　98.66　15.21　163
OMEGA S5 SJ 　　　　　　　10W-40(?)　100　15.5　150
Agip SUPER SL 　　　　　10W-40(汽半) 100　14.6　152
TOTAL Quartz 7000 　　　　10W-40(半) 100　14.5　150
Red Line (金属缶）　　　　　　　10W-40　100　15.7　167

＜40℃動粘度100台トルク充実タイプ＞
OBERON　F310　　　　　　　　　　　10W-40　101.71　14.23
FINA EXCEL 　　　　　　　　　　10W-40(半)　101.9　14.3　145
TRD SUPER RACING SM/CF　　　5W-40　102,2　14,29
Selenia 20K for AlfaRomeo 10W-40(汽全) 103.5　14.9　150
Chevron Supreme SL 　　　　　10W-40(礦) 104　14.8　148
SPEED MASTER SPECIAL STAGE SJ 10W-40(全) 104　15.4　157
OMV SYN COM 　　　　　　　　　10W-40(半) 105　14.4　141
P-CANADA GOLD 　　　　　　　　10W-40(?) 105.2　15.3　153
SHELL Helix Plus 　　　　　　　　10W-40(半) 105.3　15.3　152
SHELL Helix Standard 　　　　　15W-40(礦) 106.2　14.3　140
Chevron Supreme SL 　　　　　　15W-40(礦) 106.9　14.5　140
Repsol Elite Inyeccion 　　　　　　 15W-40 　　107　14.5　125
ESSO Uniflo SL 　　　　　　　　　　15W-40(半) 107　14.4　141
P-CANADA GOLD 　　　　　　　　15W-40(?) 107.5　14.29　153
BP Visco 3000 　　　　　　　　　　10W-40(半) 108.5　14.3　156
Agip F.1 SUPERMOTOROIL　15W-40(汽礦) 109　14.5　130
TOTAL Quartz 5000 　　　　　　　15W-40(礦) 110　14.5　135

＜40℃動粘度110を超える超トルクタイプ＞
Repsol Elite TDI　　　　　　　　　　　　15W-40　111 14.6　125
QUAKER STATE 4X4 SUV Trucks 15W-40(半) 115　16　145
BARDAHL XTC C60　　　　　　　　　　5W-40 115.0　16.5　155
76Lubricants Guardol QLT 　　　　　15W-40 116　15.3　139
OMEGA A66 SJ 　　　　　　　　　　　5W-40(?) 120　14.6　152
OMEGA S7 SJ 　　　　　　　　　　　　5W-40(?) 141　15.2　168

　上記のデータは＃40のオイルを40℃の動粘度の柔らかいものから並べたもので、商品名･40℃動粘度･100℃動粘度･VI(粘度指数)の順に表記している。

　FINA FIRST・TOTAL Quartz 9000・ELF EX F-0の0W-40は同じオイル。ELF EX F-0がお買い得。

　40℃動粘度80以下の超レスポンスタイプの中でも、100℃動粘度12･13台は２Lクラス以下のNA車で、超高回転を楽しむのに最適なオイル。オーバーレブに注意。ライフは楽しんだだけ短くなりますがナニか？
　多気筒車で高回転(レッドゾーン付近)の吹け上がりがうんと鈍かったり、煩く感じる時試してみたいのが、100℃動粘度15台のオイル。あと500回転伸びます。またこれらのオイルはNA車で回した時、垂れにくいと感じるかもしれません(#40比)。レッドゾーンはメーカー的には「あまり多用しないでネ。」と言っております。ご注意ください。

オイルデータ＃50編の補正内容
追録で取り上げた国内版データを取り込み、何点か注目するオイルをUPしました。
SPEEDMASTERでは、輸出用オイルと国内向けオイルで商品名の重複を避けるため、輸出用オイルデータを削除しました。

＜40℃動粘度100未満の超レスポンスタイプ＞
SPEEDMASTER RS　　　　　　5W-50　 86.0　17.0　213
PowerCluster Racing RS　　10W-50　 92.08　16.46　201
RED LINE ZRS 　　　　　 　 5W-50 　 　 93,8　17.1　200
Gulf FLAT 4&6　　　　　 　5W-50　 　 　 98.23　18.67　212
NUTEC NC-50 　　　 　　　10W-50　 　 98.5　17.4　194
NUTEC ZZ-02 　　 　　　　 10W-45　 　 98.53　17.39　194
PowerCluster BZ　　　　 　5W-50 　　 　 98.84　16.6　188

＜40℃動粘度120未満のレスポンスタイプ＞
サムサーラUL　　　　　　　0W-50　　　　　100　17　180
Gulf ARROW GT50 　　　　10W-50 　 　 100.0　18.08　200
Agip EUROSPORTS(汽全) 5W-50 　　　 100　18.5　206
OMEGA F27 SJ (?) 　　　　5W-50　　 　　 101.3　17.4　189
MOBIL 1 Fully Synthetic (全)　5W-50 　 102　17.3　187
A.S.H. FSE E-Spec 　　　　10W-50 　 　　 102.6　17.1　183
ENEOSプロ・レーシング　　0W-50　　　　　104　18.0　192
QUAKER STATE Full Synthetic5W-50 　 104.8　18.2　193
SPEEDMASTER CODE 707 10W-50 　　 105.0　17.4　183
SPEEDMASTER PRO RS　 5W-50 　 　　 105.1　19.1　204
POLO　SYN-PRO　　　　　5W-50 　　　　　106.0　18.2　190
ビゴラス・ジャロ　　　　　5W-50　　　　　　　106.0　17.5　182
BP Racing Gamma　　　5W-50　　　　　　　106.5　17.3　183
ZERO SP チタニウムR　10W-50 　108.2　17.25　175
SUNOCO　Svelt　　　　　5W-50　　　　　　109 17.7　180
Castrol syntec SL 　　　　(全)5W-50 　　 110　17.5　175
OMV FULL SYN SJ 　 　 (全)10W-50 　　112　19.7　180
TITANIC シンセティック チタン 10W-50　112.9　17.79　174
Castrol Super Racing 　　 5W-50(全) 　　114.5　18.9　185
TOTAL Quartz 9000 　　 10W-50(全) 　　115　17　164
OBERON F-333　　　　　　　5W-50　　　　115　18
BE-UP　SYNTHETIC　　　　5W-50　　　　115.8　19.1　186
Repsol Rally Racing 　　　 5W-50(全) 　　116.5　18.7　180.4
TRUST F2 SL　　　　　　　　5W-50　　　　　117.2　18.50　177
NUTEC NC-41　　　　　　　　10W-50　　　　118　19.3　180

＜40℃動粘度140未満のバランスタイプ>
ELF LES PLEIADES 　 10W-50 　　　　121,09　17,31　156,99
FINA FIRST　　　　5W-50(全)　　　　　　122.3　19.0　176
SUNOCO X POWER 　　　17.5W-50 　 122.4　18.01　168
YACCO　GALAXIE　　　　　15W-50　　125　18.3　164
MOBIL 1 SuperSyn PD 15W-50　 　 　125　17.4　153
AMSOIL HP　Synthetic　20W-50　　　 126　18.1　161
WAKO'S 4CR-50　　　15W-50 　　 　 　 127.0　18.4　164
日産ENDURANCE　 　　10W-50　　 　 127.8　18.99　168
MOTUL 300V competition15W-50　 　 128　17.8　154
AMSOIL　2000 Synthetic 20W-50　　　128.1　18.3　160
SHELL Helix Standard 15W-50(礦) 　 128.5　17.8　154
OMEGA S6 SJ 10W-50(?) 　　　　　 　　 129　18　154
OMEGA F22 SJ 15W-50(?) 　　　 　　　 129.1　17.1　144
BP Vervis Racing 　10W-50　　　　　　　130　19.5　172
elf Excellium F1　10W-50　　　　　　　　　132.8　18.5　157
Pennzoil Performax SJ 15W-50(汽全) 134　18.9　160
BP Racing Alpha　　　15W-50　　　　　　134.7　19.0　159
RESPO R TYPE 　　10w-50　　 　 135.6　18.21　156
OBERON F-333　　　15W-50　　　　　　136　18.9
RED LINE　　　　　15W-50　　　　　　　　138　19.6　162
Agip F.1 SUPERMOTOROIL 15W-50(汽礦) 138　18.3　147
Castrol Formula RS 10W-50　　　 　　　139　21.15　178

＜40℃動粘度160未満の油膜重視タイプ>
MOBIL SUPER 15W-50(半) 　　　　　　　　 141　18.2　146
TOTAL Quartz 7000 15W-50(半) 　　　 　 143　18.5　146
RED LINE 10W-50 　　　　　　　　　　　　　　144　21.3　173
SPEED MASTER RECORD SJ 15W-50(全) 147　20　172
OBERON F-300　15W－50　　　　　　　　　　146.5　18
Repsol Elite Super 20W-50 　　　　　　　　　　150　18　120
OBERON F-310　15W－50　　　　　　　　　　150.98　18.46
BP Super V　20W-50(礦) 　　　　　　　　　　　154　18　130
TOTAL Quartz 4000 20W-50(礦)　　　　　　 155　17　120
TOTAL Quartz 5000 20W-50(礦)　　　　　　 156　17　117

＜40℃動粘度160以上のクラシックカー向特殊用途タイプ>
Agip F.1 SUPERMOTOROIL 20W-50(汽礦) 　160　18　130
BP Visco Sport 20W-50(半) 　　　　　　　　　　163　18.7　129
OMEGA A99 SJ 10W-50(?)　　　　　　　　　　　 170　19　165
ESSO Uniflo SL 20W-50(半) 　　　　　　　　　　171　19.1　127
Conoco HydroclearHP　SL20W-50(?)　　　　　173　18.8　122
TOTAL Quartz 5000 15W-50(礦) 　　　　　　　173.5　19.6　130
Chevron Supreme SJ 20W-50(礦) 　　　　　　　176　19.0　122
Valvoline VR-1 RacingSM 20W-50　　　　　　　181.1　20.5　132

　上記のデータは＃50のオイルを40℃の動粘度の柔らかいものから並べたもので、商品名･40℃動粘度･100℃動粘度･VI(粘度指数)の順に表記している。

　ZERO SP チタニウムRとRESPO R TYPEは粘度設定が違います。ZERO SP チタニウムRの開発中のオイル(OT2)はRESPO R TYPEに近いデータでしたが、製品化にあたって粘度を下げたようです。ピークパワーよりレスポンスを優先した選択。
40℃動粘度100以下にはレスポンス性で評価の高いオイルが並びます。中でもパワクラ・レッドライン・ニューテックはエステルベース。高い潤滑性のうえに高温耐熱性とハイレスポンスを両立させています。

　PAOベースオイルとエステルベースオイルの違いを、「乾いた排気音とウェットなフィーリングで感じ取る。」と豪語する友人の話に、「そういえばそんな気もする。」と相槌を打っておきましたが、「PAOにエステルを添加している分量がわかるのか？」とまでは聞きませんでした。私もプラセボ効果が効いているのか？。SPEEDMASTER RS使ってみたいな～♪。

高性能オイルの基油には何が使われているか
高性能オイルの基油は一様にエステルが使われています。エステルはPAOベースオイルにエステル添加というパターンで使用されはじめ、基油をすべてエステルにしたフルエステルベースのオイルが開発されました。現在のところエステルが潤滑性・高温耐熱性などエンジンオイルの基油として一番可能性の高い素材のようです。

高性能オイルの動向は
近頃の高性能オイルはどれも高粘度指数オイルです。
少し前までは高粘度指数オイルといえばPAOでした。ワイドレンジの0W-40･5W-50･10W-60ができたのもPAOの高粘度指数オイル開発が進んだおかげ。0W-50･5W-60･10W-70なんていう超ワイドレンジオイルもできました。
しかし最近では、エステルが高粘度指数化しています。当初のジエステルからポリオールエステル･コンプレックスエステルとエステル基を数多く持つ物が開発され、其々の粘度の違いからミックスして粘度幅をだしていました。（エステル基を数多く持つ物ほどエンジンに張り付く力＝磁性が強くなり、分子が大きくなるほど粘度が高くなるソウデス。）これまでエステルベースオイルは、余計な添加剤を入れて潤滑性を損ねたくないため、ナローレンジが一般的。それがさらに進んで、エステル基を非常に多く持つ硬い粘度の物から粘度は低いのにエステル基を多く持つ物など、多彩なエステルの開発により粘度指数を高くできるようになってきました。
エステルベースオイルでも粘度指数は180以上、200を超えるものも在ります。したがってワイドレンジが当たり前になりました。こうなってくると、元々のエステルの優位性に加え、ローフリクション・ハイレスポンスとの両立まで可能となります。まさに高性能オイル＝エステルオイルとなったわけです。
高性能オイルを高粘度化させるもうひとつのフォーミュレーションは、エステル基を非常に多く持つ、油性の高い物を一定量に絞り、特に高粘度化したPAOとの組み合わせにより、エステルの特性を十分生かしながら粘度指数を高くしたものです。NUTEC・NEO・elf HTX・TACMAINなどがこのフォーミュレーションです。各社エステルとPAOの含有率は違いますが、NUTECのNCシリーズでは、コンプレックスエステルのみ使用し、２割以下の処方で十分な性能を得ています。PAO＋エステル組成オイルは従来からもあり、差別化が難しいところです。

常識外の油膜強度をもつオイル
ところでエステル油の中に粘度指数なんか関係ないというようなオイルがあります。0W-5でおなじみのあのオイル。ADVANTAGE NEOです。Dエステルと呼ぶらしい。元々粘度そのものが常識外に低くていいのですから粘度指数も高くは取れません。油膜強度があるほか、密封性も高くないと実用にならないはずです。普通あの動粘度ではオイル喰いが酷くなります。密封性が高ければある程度フリクションも高まるはずで、動粘度そのままのレスポンス特性ではないと思われます。それでも常識外の粘度です。十二分のレスポンスでしょう。
全体の粘度が低いので、オイルのレンジが狭くなりますから、車に適合するオイルを選ぶ際のスイートエリアも狭くなります。特にヘッドクリアランスの広めの高トルク車やターボ車など、オイル選定が難しくなります。そのためか#30に3種(レース用・鉱物油を合わせると５種）#50にも3種（レース用・鉱物油を合わせると６種）のオイルをラインナップさせていますが、選びにくいです。「従来のオイル15W-50のユーザーならこれ。5W-40のユーザーならこれ。」と示してもらわないと感じがつかめません。
油膜強度を宣伝しているADVANTAGE NEOですが、レースオイルのコピーには「従来のオイルより３倍～４倍の油膜強度」「従来のオイルより約６倍の油膜強度」とあります。これはどのように計測された油膜強度なんでしよう？低温から高温まで？0W-5をはじめ一般用オイルは何倍になるの？油膜強度の倍数が高いとレスポンスは落ちるの？上がるの？など疑問がどんどん膨らみます。
常識では通用しない問題をエンジンに抱えた時、このオイルが助けになってくれるでしょうか。

#20のオイルが一般化した今日、「ナニ考えてるねん。」と白い目で見られそうな#60ですが、使い道はいろいろあります。私はもっぱら粘度調整に使っています。ただユーザーが少ない所為もあり、コスト高なのが困ります。

耐熱性と共にレスポンスも確保した欲張りなオイル
OMV BIXXOL special　　　　　　10W-60　126.9　22.2　204
ASH FS　　　　　　　　　　　　　　　10W-60　133.6　22.1　194
REDLINE ZZR　　　　　　　　　　　10W-60　134.3　23.3　205
dixis RACING　　　　　　　　　　　 10W-60　134.3　23.3　205
SPEED MASTER F1 PRO RS　10W-60　138　23.91　206

レスポンスにも一応気を配っているオイル
SHELL HELIX ULTRA RACING 10W-60　141.0　22.0　184
PENNZOIL PERFORMAX　　10W-60　144　22.3　184 　　
NUTEC UW-02　　　　　　　　10W-60　146.9　26.1　198
IP SINTIAX RACING　　　　 　10W-60　150.0　22.5　180
Valvoline Racing　　　　　　　　10W-60　150.0　23.0　183
Castrol PureRacing　　　　10W-60　152　21.56　168
FK/マッシモ Racing　　　　　　15W-60　153.9　23.5　183
VERUSPEED SL　　　　　　　　10W-60　154,01　23,69　185,19
OBERON　F333　　　　　　　　 15W-60　158　22.5
AGIP RACING　　　　　　　　　 10W-60　160　23.5　177

＃60本来の耐熱性能を発揮するオイル
RED LINE　60WT　　　　　　　　20W-60　162　23　171
PowerCluster Racing RS　　　10W-60　162.05　25.55　188
BP ビゴラス・ベルデ　　　　　　15W-60　164.7　23.38　172
elf Excellium GTTB　　　　　　　10W-60　165.3　23.93　175
WAKO'S 4CR-60　　　　　　　　10W-60　167　24.6　180
300V LE MANS　　　　　　　　　20W-60　170　22.9　162
WAKO'S TR-60　　　　　　　　　20W-60　170　23.9　172
REDLINE (プラボトル）　　　　　10W-60　173　25.5　182
Castrol EDGE sport 　　　　10W-60　176　23.6　164
P1-Racing PRO　　　　　　　　　15w-70　176.5　26.63　188
TRUST FRX SL　　　　　　　　　20W-60　176.7　24.53　171
BARDAHL XTR C60　　　　10W-60　176.9　24.7　172
Gulf Mirage　　　　　　　　　　　　10W-60　177　25.4　178
SUNOCO Racing Blend　　　　　20W-60　177.2　24.5　170

耐熱・油膜の厚さのみ希求したオイル
RED LINE　　　　　　　　　　　　　20W-60　185　23　151
Selenia Racing　　　　　　　　　　10W-60　187　23　150
BP Racing Zeta　　　　　　　　　20W－60　195.5　25.1　160
BP CORSE CLASSIC　　　　20W-60 　197　 23.9　150
NAPRO Racing　　　　　　　　　　5W-60　 204　25　170
NAPRO Racing　　　　　　　　　　10W-70　280　35　187
RED LINE 　70WT　　　　　　25W-70　318　33　150

上記のデータは＃60のオイルを40℃の動粘度の柔らかいものから並べたもので、商品名･40℃動粘度･100℃動粘度･VI(粘度指数)の順に表記している。

１．40℃動粘度の数値が130台から200近い物まであります。#50と比べると粘度バリエーションも少なく、粘度の割りに拡がりはないようです。
40℃動粘度130台は#50のバランスタイプに相当しますが、#60は硬さが強く現れます。吹け上がりの重さや油温のキープ力、温まりにくさ・高回転域での伸び等、#50との違いが出ます。高トルク･高出力エンジンでないと適合しません。逆に#50では持ちが悪い3000㌔持たない様なら、この辺りの#60にシフトすると安心です。

２、粘度バリエーションのひとつという位置付けの物と、トップエンドという位置付けの物があります。トップエンドのひとつ『NUTEC UW-02』は100℃動粘度が26.1とひときわ高い数値で40℃動粘度は140台。単体なら100℃動粘度を22台に抑えてレスポンスを上げる仕様にするところでしょうが『UW-01 0W-10』とブレンドして使用することを基本にしています。ちなみにUW-02×４L＋UW-01×0.4Lのブレンドで約118.24/22.11とASH FSより低い40℃動粘度となります・・・。すごい！。

Castrol・PENNZOIL PERFORMAXは全PAO？。BP CORSE CLASSICは鉱物油。

BARDAHL XTR C60はフラーレン６０入り。nanoテク添加剤は中低回転域の吹き上がりが軽くなるが、40℃動粘度176.9のこのオイルでも効果が現れるのでしょうか。インプレ希望！お願いします。

RED LINE　70WTはドラッグレース用とか。冷え込んだらエンジン掛かるのか?余計な心配をしてしまいます。これも他と混合できるのでしょうか?

化学合成油と鉱物油の（フィーリングの）違いって何。
それはVI:粘度指数の違いによるエンジンの吹け方の違いです。同じ粘度表示でもVIが高い化学合成油は、中間値である40℃動粘度が柔らかいので、一般的に出足の軽いフィーリングとなり普通のアクセル開度で走行している間中(100℃になるまで）軽いフィーリングを保ちます。

100℃以上では?
100℃を超えて走行する状態とは、渋滞に捉まりオーバーヒート気味になっている時か、サーキット走行中ぐらいですが、渋滞中は空ぶかしは出来ても？オイルのフィーリングは確認できませんから比較できません。サーキット走行中100℃を超えていても、VIの高い合成油の方が粘度が保たれ油膜も厚いので、エンジンの滑らかさを保ってくれます。

パラフィン系とか鉱物油でも潤滑性の高い評価のオイルがあるのでは?
いぜんはパラフィン系鉱物油の評価が高かったです。中東から日本に入って来る原油は粘度指数の低い基油しか取れないナフテン系。パラフィンがVI:100に対してナフテンはVI:0と原料に大きな差があります。そこから精製して作られる潤滑油にもやはり差が残るわけです。ナフテン系が精製してやっと100に近いVIになっても、精製でパラフィン系はVI:130にも140にもなるんです。VI:100に満たないオイルを10w-30のマルチグレードにする為には、粘度指数向上剤や流動点降下剤などの潤滑性に寄与しない添加剤をたっぷり入れなくてはならない。一方パラフィン系はさらに潤滑性を高める添加剤を導入して高い評価を得てきたんです。
パラフィン油を越すVIを持つ潤滑油として合成油（主としてPAO）が開発されました。しかし当初はエンジンオイルとして成功しませんでした。鉱物油で使えた添加剤がPAOにうまく溶けなかった。またエンジンのシールへの攻撃性も高かった。新たな添加剤を開発していかなければなりませんでした。エステルも当初は、合成油のシール攻撃性への緩和剤として使われたものでした。その頃の合成油はまだパラフィン系鉱物油に潤滑性の点で負けているものが多かった。
しかし現在では合成油の添加剤の研究も進み、VIのさらに高いオイルも開発され、エステルをはじめとして潤滑性の高い合成油ができるようになっていますし、エンジンに使われているシール剤も合成油に対応したものが使われるようになっています。パラフィン油で評価の高かったオイルメーカーも、トップグレードは既に合成油です。

今でもパラフィン系鉱物油が一番という人がいるのはなぜ?
性能で鉱物油を凌駕した合成油より、鉱物油が車にマッチすることはありえます。合成油ほど高いVIが必要ではない走行条件で、使われている添加剤が運転者のフィーリングに良く合っているということです。例えサーキット走行でも、しっかり暖気をされる方が、熱対策の充分な車で「20w50の鉱物油が一番しっくり来る。」とおっしゃっても何もおかしな事ではありません。しかし冷え込んだ日の朝、その車で通勤する時「20w50の鉱物油が一番しっくり来る。」とおっしゃるかどうか。
車も違えば走行条件も違う。乗る方の運転も違い感じ方も違う。そん中で選ぶオイル。パラフィン系オイルが一番合う方がいても少数派でしょう。