
先月仕事で行った先にあったので、
ちょっと眺めてました。
・・・いや、ちょっとじゃないか。
眺めているのは大好きです。はい。
「設計」は英語では「デザイン」になりますが、
まさにその通りで。
どうしてこのカタチに行き着いたのか、
その設計者になったつもりでイメージするのです。
これがすごく楽しい。だって人の仕事ですからね、気楽なもんです。
いざ自分がその立場だったら、産みの苦しみを味わうわけですけど!
そこに至るまでの苦労とか喜びとか、
ときに設計者の人となりまで垣間見えると、心が騒ぎます。
(あ、これは私の一方的な思い込みですけど)
芸術作品なんかも同じように見ています。
どちらかというと作品そのものより、作者の心に浮かんだモノを共有したい。
どうしてコレを作りたかったのか、その衝動を。
その作品の向こう側に見ていたモノを。
まぁ芸術作品といわれるモノに限らず、とにかくヒトが作ったモノに対しては、
そういった、ここで出会うまでの情景を想像してしまいます。
逆に、あーこれは心の入っていない仕事だな、とか
使う人のことなんてちっとも考えてないんだろうな、とか
感じてしまうと、ゲンナリしてしまう。
残念ながら、経済至上主義が大暴れしているこの世の中、
そういうモノが増えてしまっています。
私が思う最強のモノづくりは、母親が我が子に作る食事。
その子の今、未来を考えながら、心を込めて作ったのなら、
たとえどんなにまずかったとしても、これにはかなわないと思う。
ここを手放したら、それは人類の危機である・・・とまで、
割と本気で思っています。
そう言えば、今まで写真集なんて衝動買いしたことはなかったけど、
コレは書店で目にして思わず買ってしまいました。
『てるてるはるひ 父さん晴日を撮る。』 (石川厚志著/雷鳥社)
カメラマンの父親が、娘を撮っている写真集。
ふーん、と手に取ってパラパラ眺めてみると、
はるひちゃんも可愛くていい表情をしているのだが、
なによりも父親の、娘に対する「まなざし」が写真から伝わってきて、
そこがたまらなくいい。
巻末の、この写真集を出すまでのストーリーもまた良かった。
四十過ぎて臨床心理士の仕事辞めて、いきなり写真家を目指しただなんて!
その追いつめられた緊張感と、幸せな時間を行き来していたから、
それと撮影対象が家族だったから、こんな「まなざし」の写真が撮れたのだろう。
さらに脱線すると、「家族」「ものづくり」ということで、
いつか触れたいと思いながら一年が経とうとしている、映画
「エンディングノート」。

これは定年退職直後、末期ガンの宣告を受けた父親を、
監督である(というかこのために監督デビューとなった)娘・砂田麻美氏が
その最期までを追い続けたドキュメンタリー。
リアリティがあるのも役者の演技(?)も完璧なのは、実話なので当然と言えば当然。
しかし、ただのお涙頂戴プライベート映像ではなく、
エンターテインメント作品に仕立てられていて、これがまた
素晴らしい。
思いっきり泣かされるわ、笑わされるわ、考えさせられるわで、
二回観に行ってしまった。
ああそうだ、笑いと言えば、前にFMラジオで「笑い」をテーマにした番組があって、
そのときのゲストが意外だったんだけど野口五郎さんで、
でもとっても話が面白かったのを思い出した。
「カックラキン大放送!!」で研ナオコさんたちと絡んでいたのは、
笑いに対する深い興味と、探究心があったのだった。
笑いと音楽(リズム感)について、なんて話もしつつ、
番組の最後で「笑いとは何か?」という問いに対して彼は、
「シリアスの向こう側(にあるもの)」と哲学的に答えていて、
その時はイマイチピンと来なかったけど、
それを思い知らされたのが映画「エンディングノート」だったという。
砂田監督はそのあたりを、実にうまく切り取っていたんだよなぁ。
シリアスであればあるほど、あとで冷静にみると笑える、ってヤツを。
テーマが重いだけに、そういうシーンが随所にちりばめてあって、
重くなり過ぎないように、絶妙な味付けがしてあった。
全体を通して、興ざめするスキがない。このセンスに脱帽。
自信を持っておすすめできる映画です。
・・・おっと、タイトルからずいぶん脱線してしまった。
しかもまとまってない。だけどまぁ、いつものことか。。。
ここは自分への(公開)覚え書きのつもりだし。どうぞご勘弁を。
ちょっと文章を書くトレーニング。
というわけで、話は着地しないまま風呂に入って寝ます。ざっぱーん!