2009年10月12日
朝、6時。
ここ最近、冬に向けて一層、寒さに磨きがかかっている。
静まり返った山道。
しかし、だ。
身体が熱く、そんなことは今はどうでもいいように思えた。
さーて、どうすっかなー。
目の前には人一人ではどうにもならないような光景がそこにはあった。
考え込んだ挙句、電話をする以外、俺にはどうしようもなさそうだ。
今のところアドレナリンが出ているおかげか、痛むところは特にない。
携帯電話を覗き込むと、山道にもかかわらず電波が3本立っている。
ラッキー。
アドレス帳を開き、あいつの名前は、あかさたなはまや・・・お、あったあった。
ppp・ppp・prrrr…
「ん”・・・お”、、、はよ・・・」
寝起き、開口一番らしい。声が上手く出てないぞ、親友よ。って当たり前か。
「おはようさん、朝早くから悪いね。」
「ほんとだよバカヤロー・・・」
相変わらず口が悪い奴だ。
しかしここはこいつにどうにかしてもらう他、良い案が浮かばない。
「・・・ごめん。」
一般常識的に考えて、いくら親しき仲と言えど、
こんな早朝から電話してくるとなると面倒くさいこと極まりないな。
自分でもそれくらいはわかっていたが、お前しかいないんだ。
しばらく何て説明しようかと考えあぐねていると、
「で?」と次の言葉を催促をされてしまった。
そこ一言には、少しの優しさと呆れと、厄介事に巻き込まれた感がたくさん詰まっていた。
「事故った、助けて・・・」
この言葉を発した瞬間にようやく現実を見ることが出来た気がする。
目の前にはガードレールがぐにゃりとひしゃげ、そこに乗り上げている愛車が。。。
ようやく見ることができた現実に、絶望すると共に、
親友の声が聞けたことに対する安心感が、目の前の景色をぼやけさせる。
でも泣いちゃダメだ。
悪いのは自分だから。
必死に冷静でいることに努め、親友の言葉を待つ。
「・・・そうかい。」
普通ならば、は?マジで?冗談よせよー、などと笑えるところだが、
まぁこんな早朝から電話してくるとなると、ただ事ではないと容易く想像がつくもんだ。
「怪我は?」
今のところ大丈夫。そう返事をする。
「事故った瞬間はいいかもしれんが、後々くるぞ。」
とのことをあれこれアドバイスされた。
とりあえず車をどうにかしたいんが、と現状を説明する。
話せば話すほど電話越しの声が呆れていくのがわかる。
が、冷静に説明を続けたおかげで、なんとか平常心を保てた。
キュキュ、ブォォォォ・・・・
いきなり電話の向こうでエンジンがかかる音がする。
ん?車の中で寝ていたのか?ふふふ、おかしな親友を持ったもんだ。
「俺、今、熊本におるけん、1時間くらいでそっちに行けると思う。」
「着きそうになったらまた電話するけん待っときぃ。」
え?ちょ、家にいないの?
という質問も聞こえたか聞こえないうちに切られた。
1時間・・・とりあえず待つことにしよう。
自分じゃどうしようもないし、こんなところ一般人が通るとも思えないし。
ここでようやく寒さに耐えかねてきた。
が、それとは正反対に親友の優しさに目頭は熱くなり、
涙が溢れそうだった。目を瞑れば涙が零れそうだったので空を見上げた。
急いでくれるのはありがたいが事故ってくれるなよ、と思いを込めて・・・
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以上、謎の友人視点。
HSR近くのセブンにAM5時に不時着したはいいものの、
おかげさまで仮眠1時間程度で親友に叩き起こされ、地元まで帰ってしまいましたとさ。
IHIさん、鷹さんご心配おかけしました。
しかし夜の阿蘇はいいですね♪気持ちがいい。
寝不足が手伝って、朝っぱらから疲労困憊で・・・
あわよくばSだら前にコソ連をしておきたかったのですが・・・
まさかこんなことになるなんて・・・涙
Posted at 2009/10/12 22:02:36 | |
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小説風 | 日記
2009年10月09日
俺は今、昨日と同様に紙切れと睨めっこしている。
しかし昨日のラブレターとは違う紙切れだ。
今回は他人事ではなく、宛名は間違いなく俺の本名が記されている。
ほとんどの人がそれを受け取って喜ぶことはないだろう。
何故こんなことになってしまったのか・・・
人生は時として上手く歯車が仕事せず、
空回りすることもあれば、
予定調和をぶち壊しにしてくれる事があるもんだと実感している。
紙切れ一枚で短い人生を振り回されるのはごめんだな。
だがしかし俺が今、生きているこの現代社会では仕方のないことかもしれん。
振り返ること約2ヶ月前--------------------
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とある天気の良い平日だった。
いつもとなんら変わりなく、朝の慌しい通勤ラッシュを横目に、
原付をフルスロットルで走らせていた。
その日はたまたま、毎朝通っている事務所とは違い、
別の事務所に集合するように指示を受けていた。
毎朝、同じ時間帯に走りなれた道を進むのとは訳が違い、
アウェイな雰囲気の中、手探りで冒険しているような新鮮な気持ちだった。
例えるならば、高校時代の通学電車だ。
前の方の車両に自分の居場所を見つける人や、
次の駅でこの車両から友達が乗り込んで来るために決まった車両に乗り込む人や、
大体の人がそれぞれ自分なりの定位置を見つけ出し、
それを繰り返すことが当たり前、日常となっているようなもんだ。
そこへいつもなら綺麗なお姉さんが乗り込んでくるはずが、
手前の駅でお姉さんの定位置にどこの誰かも分からん男が陣取る。
するとどうだろう?
俺は友人と目を合わせ、人生が終わったような顔することだろう。
今日一日が頑張れそうになくなり、
今にも家に帰って布団に包まって寝たい衝動に駆られることだろう。
ん?話が反れそうだ。
・・・我ながら例えが下手だな。
例えを変えようか。
この先の右車線は右折車が対向車によって足止めを食らう。
よって左に寄らなければいけない。
人としてモラルやマナーを普通並に持っている人が左車線に並んでいるにも関わらず、
とりあえず空いているからといって右車線を突っ走り、
右折車の手前で左車線に割り込む。
これは他県ナンバーならまだ許せるが、分かっててやる奴を見ると実に腹立たしい。
本当に急いでるのならば情状酌量の余地はあるかもしれんが、
時間帯は朝だ。みな仕事などの時間に追われているに違いない。
ここだけの話、朝に強い人が羨ましいのだが、俺は朝に弱い。
冬の朝なんて布団から出るだけで一日の体力を使い果たすのではないか?と心配になる。
それほどまでに朝の1分1秒は大事なのだ。
朝食を食べる時間と睡眠に当てる時間が平等だとしたならば、
俺は間違いなく睡眠時間を積極的に取り入れる自信がある。
と・・・またも話が脱線気味だ。
もういい。下手なくせに頑張って例えを出そうとすると余計に分かりづらくなるようだな。
俺の代わりに俺の気持ちを上手く表現できる人がいれば今すぐ俺の脳みそと交換してほしい。
さて、言いたかったことは、知らない世界へ足を突っ込む際、
そこにある「日常」に気付けず、知らず知らずのうちに自分が悪さをしているかもしれない、
ということだ。
今回の件については、そのことが身に沁みるほど理解できた。
もう隠すのさえ面倒だからこの際はっきり言おう。
ねずみ捕り、だ。
何も朝のこの時間帯にしなくてもいいではないか。
しかもよりにもよって普段は走らないのに『今日』に限って。
まぁこの感想は事後のものだが、
その瞬間はすさまじい『脳内俺会議』が繰り広げられたもんだ。
だがしかし、この場でそのことについて書くと、
それほどまでに世間体が気になるわけではないが、
とくにメリットがない上にデメリットが多そうなので省略させていただく。
そこ、あまり深く突っ込まないでほしい。
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さてさて、そんなこんなで手元には、
免停講習のお知らせと、佐賀県警よりの出頭命令がひらひらと目の前を泳いでいる。
あいにくどちらも仕事上、都合がつきそうにない。
どーすっかなぁ俺。
自業自得だといわれれば言い返すことは何もないわけだが、
どうにもこうにも腑に落ちん。
運が悪かった。
果たしてそうなのだろうか?
これはどこぞの誰かさんの陰謀ではないのだろうか?
考えてみたところで実に馬鹿馬鹿しい。
たまに俺の幸せな脳みそがどうにもこうにも鬱陶しくなる時があるのだが、
かれこれ20年の付き合いだし、今後も仲良くやっていくだろう。
あ、
前回の『謎のラブレター事件』の続きと思って読み始めた人、
期待に添えなくてすまなかった。
気が向いたら、続きを書くかもしれんが、書かないかもしれん。
そこらへんは俺の幸せな脳みそに聞いてくれ。
さて気付けばもうこんな時間だし寝るとするか。
お決まりのタバコを一本吸って。
Posted at 2009/10/09 03:09:16 | |
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小説風 | 日記
2009年10月07日
『悲しくなったり苦しくなったり、きつくなった時はすぐに連絡しろ!
夜中でもいいぞ!俺がお前を守ってy(ry 』
―――さて、どうしたものか―――
俺は今、手紙の中の『俺』から『ゆか』さん宛てへの想いを綴った紙切れと睨めっこしている。
あいにく俺は男からラブレターをもらって喜ぶような趣味を持っちゃいない。
ましてや俺の名前は『ゆか』ではない。
それに誰かのラブレターを盗みとったりするような真似もした覚えがない。
じゃあ何故、俺は今、手元に他人宛てのラブレターなどを持っているのか・・・
この紙切れ(当の本人からすれば紙切れ呼ばわりされては腹立たしいかもしれん、すまん)
の存在に気付いたのは10分前のことだ。
そこに辿り着くまでの経緯を仕事終わりから書いてみようか。
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今日の仕事が終わり、色々あったなぁと一日の出来事を振り返りながら、
後輩を家に送り届ける為に、仕事で使っている業務車両に乗り込んだ。
後輩は、明日は研修で事務所に出てこないため、明日の準備をすると言い、
遅れてから事務所を出るとのことだった。
タバコに火をつけて、なんとなしに空を見上げる。
「変な色の空・・・」
普段ならば段々と暗くなるはずなのだが、今日は黄土色のような色をしていた。
台風が近づいていると話題になっていた為、その影響だろうなぁと一人で納得。
後輩がすぐに事務所から出てくると踏んでいたが、なかなか出てこない。
結局タバコを一本吸い終わってしまった。
俺のタバコはロングだぞ、一体いつまで待たせやがるんだ。
そんなことでちょっとだけイラッとしてしまってる自分にまたも不愉快に。
いかんいかん、これじゃ悪循環だ。
もう一本タバコを吸おうと箱に手を伸ばしたときに、
遠くのほうで後輩がこちらへ向かって歩いてきている姿が見えた。
「走ってこんかい!」と心の中で突っ込むと同時にタバコに火をつけた。
遅い!
「すんません、時間かかりました~」と気の抜けた返事をする後輩。
まったく・・・俺に似てるようで叱るに叱れず、イライラもどこへやら、
パーキングからドライブにシフトノブを落として、車を出した。
あ、シートベルトしてね。
「空の色、なんか変ですね~」
「そうだな、台風の前とかこんな感じになるやん、それじゃね?」
「あ~なりますね~」
とくに当たり障りもなく適当な言葉を受けては返して、いつも通りの会話をしていた。
追い越してく車に目をやると、なんちゃってレクサス使用のハリアーが。
「あれ、偽もんじゃね?」
「あ、ほんとやん!あ~いうの許せませんね!」
「いや、別に」
「ホンダの赤バッチくらい許せなくないですか?」
「俺はお前と違って心が広いんだー!」
「あ、コンビニ寄りましょ、トイレ行きたいっす。」
「・・・おう」
ちょうど交差点の向こう側にローソンがあった為に立ち寄った。
ちょっと小腹も空いたし何か食べるかな。
「あ、ピザまん美味いっすよね「」
そうかい、食ったことないし知らんがな。
「2個ありますね」
だから何だよ?買えってか?先輩、奢って!ってか。
「ピザまんをお二つですねー少々お待ちください」
という店員の声に、にんまり顔の後輩。
まぁたまにはいいか、と納得しようにも給料日までの日数と、
寂しい財布の中を数回、確認したのは言うまでもない。
だが、たかだか100円ちょっとの出費だしと最終的に納得した。
「美味いっすね」
そうかい、タダだもんな~、味わって食えよコノヤロー!
そしてまた後輩の家を目指した。
途中で本とCDをチェックしに行きたくなった俺は、
「TUTAYA行くか!」
と大きな独り言を放ってみた。
「あ、いいすよ」
意外と後輩も乗り気だった為に寄ることに決定した。
久しぶりに来たなぁ。
新譜や発売日過ぎてた本もチェックしとこうっと。
とはいうものの、特に欲しい物もなかった。
何枚か手に止まり、睨めっこしたが買うには至らなかった。
後輩はヘッドフォンを耳にあて、新譜の視聴をしていた。
そして中古CDコーナーへ足を運ぶ。
格安で冒険心の溢れるこの戦場、中学の頃から好きなのだ。
ジャケットやタイトル、曲名と睨めっこをし、ビビッと来るものがあれば買う。
そういう感じで中学の頃から、メジャーな洋楽から訳の分からないジャンルのCDまで、
とにかくあれこれ買い溜めては聴いている。
今日は女性ラッパーの洋楽を一枚と、
誰一人として知らないアーティストばかりが集まってるオムニバスを一枚、
お持ち帰りすることにした。
後輩はと言えば、新譜コーナーに並んであった洋楽のMIX CDを手に持っている。
おい、金あるならばピザまんくらい自分で買いやがれ。
なんだかんだで帰りが遅くなったようで、
そろそろ帰ろうか、と後輩を家の前まで送り届けた。
ふぅ、あとは家に帰るだけだな。
安全運転で・・・っと。
!!!?
あ、危ねぇ!
無理な割り込みをしてくる車両・・・イライラしつつも、
とりあえず家に帰り音楽を聴きたくて仕方ないので気にしないことにする。
家に帰り着き、作業着を脱ぎ捨て、
Tシャツとジャージといういつもの部屋着に着替え、早速とCDを開封する。
得体の知れない方のCDは後々楽しく聴きたいし、
まずは外しの少ない方で、女性ラッパーのCDを聴こうかな。
CDケースを開け、パソコンのCDドライブを開きセットする。
音楽が鳴り出す。うん、悪くなさそうだね。
歌詞カードに日本語訳あるかな?とページを捲る。
ぽとっ。
・・・・ん?
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・・・歌詞カードに紙切れが挟まっていたようである。
冒頭にようやく追いついた。
なくても差し支えのない前置きが無駄に長かったのは失礼。
さて・・・これを、この紙切れをどうしたものか・・・
いい案が思い浮かばないのでCDを聴き終えたら、
とりあえずタバコを一本吸って寝ちまおうと思う。
やれやれ、だ。
Posted at 2009/10/07 23:22:17 | |
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小説風 | 日記