2009年10月07日
『悲しくなったり苦しくなったり、きつくなった時はすぐに連絡しろ!
夜中でもいいぞ!俺がお前を守ってy(ry 』
―――さて、どうしたものか―――
俺は今、手紙の中の『俺』から『ゆか』さん宛てへの想いを綴った紙切れと睨めっこしている。
あいにく俺は男からラブレターをもらって喜ぶような趣味を持っちゃいない。
ましてや俺の名前は『ゆか』ではない。
それに誰かのラブレターを盗みとったりするような真似もした覚えがない。
じゃあ何故、俺は今、手元に他人宛てのラブレターなどを持っているのか・・・
この紙切れ(当の本人からすれば紙切れ呼ばわりされては腹立たしいかもしれん、すまん)
の存在に気付いたのは10分前のことだ。
そこに辿り着くまでの経緯を仕事終わりから書いてみようか。
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今日の仕事が終わり、色々あったなぁと一日の出来事を振り返りながら、
後輩を家に送り届ける為に、仕事で使っている業務車両に乗り込んだ。
後輩は、明日は研修で事務所に出てこないため、明日の準備をすると言い、
遅れてから事務所を出るとのことだった。
タバコに火をつけて、なんとなしに空を見上げる。
「変な色の空・・・」
普段ならば段々と暗くなるはずなのだが、今日は黄土色のような色をしていた。
台風が近づいていると話題になっていた為、その影響だろうなぁと一人で納得。
後輩がすぐに事務所から出てくると踏んでいたが、なかなか出てこない。
結局タバコを一本吸い終わってしまった。
俺のタバコはロングだぞ、一体いつまで待たせやがるんだ。
そんなことでちょっとだけイラッとしてしまってる自分にまたも不愉快に。
いかんいかん、これじゃ悪循環だ。
もう一本タバコを吸おうと箱に手を伸ばしたときに、
遠くのほうで後輩がこちらへ向かって歩いてきている姿が見えた。
「走ってこんかい!」と心の中で突っ込むと同時にタバコに火をつけた。
遅い!
「すんません、時間かかりました~」と気の抜けた返事をする後輩。
まったく・・・俺に似てるようで叱るに叱れず、イライラもどこへやら、
パーキングからドライブにシフトノブを落として、車を出した。
あ、シートベルトしてね。
「空の色、なんか変ですね~」
「そうだな、台風の前とかこんな感じになるやん、それじゃね?」
「あ~なりますね~」
とくに当たり障りもなく適当な言葉を受けては返して、いつも通りの会話をしていた。
追い越してく車に目をやると、なんちゃってレクサス使用のハリアーが。
「あれ、偽もんじゃね?」
「あ、ほんとやん!あ~いうの許せませんね!」
「いや、別に」
「ホンダの赤バッチくらい許せなくないですか?」
「俺はお前と違って心が広いんだー!」
「あ、コンビニ寄りましょ、トイレ行きたいっす。」
「・・・おう」
ちょうど交差点の向こう側にローソンがあった為に立ち寄った。
ちょっと小腹も空いたし何か食べるかな。
「あ、ピザまん美味いっすよね「」
そうかい、食ったことないし知らんがな。
「2個ありますね」
だから何だよ?買えってか?先輩、奢って!ってか。
「ピザまんをお二つですねー少々お待ちください」
という店員の声に、にんまり顔の後輩。
まぁたまにはいいか、と納得しようにも給料日までの日数と、
寂しい財布の中を数回、確認したのは言うまでもない。
だが、たかだか100円ちょっとの出費だしと最終的に納得した。
「美味いっすね」
そうかい、タダだもんな~、味わって食えよコノヤロー!
そしてまた後輩の家を目指した。
途中で本とCDをチェックしに行きたくなった俺は、
「TUTAYA行くか!」
と大きな独り言を放ってみた。
「あ、いいすよ」
意外と後輩も乗り気だった為に寄ることに決定した。
久しぶりに来たなぁ。
新譜や発売日過ぎてた本もチェックしとこうっと。
とはいうものの、特に欲しい物もなかった。
何枚か手に止まり、睨めっこしたが買うには至らなかった。
後輩はヘッドフォンを耳にあて、新譜の視聴をしていた。
そして中古CDコーナーへ足を運ぶ。
格安で冒険心の溢れるこの戦場、中学の頃から好きなのだ。
ジャケットやタイトル、曲名と睨めっこをし、ビビッと来るものがあれば買う。
そういう感じで中学の頃から、メジャーな洋楽から訳の分からないジャンルのCDまで、
とにかくあれこれ買い溜めては聴いている。
今日は女性ラッパーの洋楽を一枚と、
誰一人として知らないアーティストばかりが集まってるオムニバスを一枚、
お持ち帰りすることにした。
後輩はと言えば、新譜コーナーに並んであった洋楽のMIX CDを手に持っている。
おい、金あるならばピザまんくらい自分で買いやがれ。
なんだかんだで帰りが遅くなったようで、
そろそろ帰ろうか、と後輩を家の前まで送り届けた。
ふぅ、あとは家に帰るだけだな。
安全運転で・・・っと。
!!!?
あ、危ねぇ!
無理な割り込みをしてくる車両・・・イライラしつつも、
とりあえず家に帰り音楽を聴きたくて仕方ないので気にしないことにする。
家に帰り着き、作業着を脱ぎ捨て、
Tシャツとジャージといういつもの部屋着に着替え、早速とCDを開封する。
得体の知れない方のCDは後々楽しく聴きたいし、
まずは外しの少ない方で、女性ラッパーのCDを聴こうかな。
CDケースを開け、パソコンのCDドライブを開きセットする。
音楽が鳴り出す。うん、悪くなさそうだね。
歌詞カードに日本語訳あるかな?とページを捲る。
ぽとっ。
・・・・ん?
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・・・歌詞カードに紙切れが挟まっていたようである。
冒頭にようやく追いついた。
なくても差し支えのない前置きが無駄に長かったのは失礼。
さて・・・これを、この紙切れをどうしたものか・・・
いい案が思い浮かばないのでCDを聴き終えたら、
とりあえずタバコを一本吸って寝ちまおうと思う。
やれやれ、だ。
Posted at 2009/10/07 23:22:17 | |
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