
5月のマイナーチェンジ、および限定車である2.5XTにも選択できるようになった「EyeSight」について、納車からわずか1週間程度ですが長距離を走ることでいろいろとクセも見えてきましたので、簡単にレビューしてみようと思います。
「EyeSight」自体はスバルの新技術というわけではなく、以前搭載された「ADA(Active Dirving Assist)」の進化系ということになります。
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/199911/14.html
・車間距離制御クルーズ
・車線逸脱警報
・車間距離警報
については、前回と同様orバージョンアップということになり
・カーブ警報、制御
に関しては毛色が違います。
今回新しいのは、やはり「ブレーキへの介入」「障害物による出力制御」でしょう。
まずは・・・
●車間距離クルーズ
●車間距離警報
今回はレガシィシリーズで新たな武器の「エンジンの3つの性格」である
「SI-DRIVE」を駆使してのオートクルーズですね。
ランカスターADAでのオートクルーズと違い、スロットル制御が
「フライバイワイヤ」(アクセルとスロットルがワイヤで直結してない)のため
アクセルの操作に対する実際の制御はECUの判断を通して、最終的にスロットルの
アクチュエーターを作動させています。なのでアクセル開度が同じでも
モードが違うだけで、実際のスロットルの開き方が変わる今回の設定は
クルーズ制御でもその性格のまま加速をしてくれます。
カメラではスペック通り100m前後の距離から物体を認識しています。
間に車やバイクが割り込んでくれば、その都度認識していました。
近距離で割り込んできた場合も、相対速度をしっかり見ており、
遠ざかっていると認識する限り、警告もブレーキ介入することもありません。
車間距離の維持は3段階
・エンジン出力制御による調整
・変速を交えたエンジン出力制御
・ブレーキ介入
そしてブレーキ介入による制動でも厳しいと判断した場合は車間50m前後から
ブレーキ踏み増し警告を発しました。いわゆる渋滞のケースです。
ブレーキ介入は、プリクラッシュを除き2~3割程度の浅いブレーキングを上限に
しているようなので、踏み増しを要求されたらちゃんと踏まないといけません。
土日に760kmを走破しましたが、アクセル・ブレーキに足を添えていた時間が大半で、
踏んでいた時間は合計30分未満でしょう。足の疲れはほとんどなしです。
●車線逸脱警報
前からの継続機能であり、車線をはみ出しそうになった時とふらついている時
音とインフォメーションメーターで警告をします。眠気が襲ってきていたとき
しっかりと警告してきてくれました。
●カーブ制御
前身のADAではナビと連動していたこの機能ですが、今回は走行時のきついカーブ
を判断して制御するというものですが、そこまで危険なコーナリングをする場面も
なかったため、これについてはまだ不明です。
さて、良い面だけを一通り書いてきましたが、当然苦手な面もあります。
EyeSightの苦手な点は
・「狭い道」と「急に折れ曲がるカーブ」
・「先行車のさらにその前の先行車の認識時間」
です。
●狭い道
いうまでもなく、狭い道ではオートクルーズを使うべきではないですね。
最低40km/hからの設定なので、30km/h前後の場合はCANCELすべきでしょう。
●急に折れ曲がるカーブ
人間の目でもそのカーブの先は追えないため、カメラはカーブ手前の障害物を認識し
ブレーキ介入してしまいます。これも同様にCANCELすべきですね。
オートクルーズの解除は「CANCEL」ボタンとブレーキペダルだけでなく
パドルシフトの操作でもできるので、一番素早いのは減速もできるパドルシフトでしょう。
●先行車のさらにその前の先行車の認識時間
先行車が車線変更し、前方に何もいなければ設定速度に加速するわけですが
さらに前方にまだ先行車がいる場合は、その認識に時間がかかります。
そのため、先行車がその時点で減速をした場合は認識&減速が間に合わない
ということも起こりえるようです。
つまりは「過信は禁物」ということですね。
認識時間の短縮、または他デバイス(ミリ波レーダー)との組み合わせで
精度を上げられれば、もっと良いものに仕上がりそうです。
が、ADAがプラス50万だったところをプラス20万という低価格でここまでやってくれている
という見方から行けば、十分すぎる出来だと思います。
※先行車の再認識にかかわる部分で追記
間をバイクがすり抜けていっても認識するわけですが、数台が連続して抜いていくと
流れていると誤認し、加速するというものです。
これはバイクが悪いっちゃ悪いんですが
仮想上で「さっき認識した物体はこの辺りにあるんじゃないだろうか?」的な
内部処理もできれば、より精度の高い判断ができそうですね。
最後に
カタログや説明書では40~100km/hとなっている設定速度。
実のところ114km/hまで設定できるのは、速度超過ぎりぎりの設定?(15km/h以上)
それとも実際の速度誤差(GPSレーダーでは114km/hで105km/hと表示)?
気になるところです。
ちなみに
カタログには記載されていないのですが、取扱説明書を見る限り
プリクラッシュブレーキが作動した場合は、カメラの映像が保存されるようです。
カメラの映像だけでなく、ECUが認識している情報のほとんどが記録されています。
(作動時のアクセル・ブレーキ操作等)
なので、プリクラッシュブレーキが作動する事故の場合、ドライブレコーダーの役割も
してくれるということですが・・・
使う日は来てほしくないですね。