明日のために食うべし！

ジョー
「なぁおっつぁん、ちょっと俺様が開発した焼きそばを
食べてくんねぇか？」

段平
「ジョ、ジョ～
焼きそばなんざぁ作ってねぇで、またボクシングやろぉぜ！」

ジョー
「なに寝言いってんだオッツァン！俺はもう５０過ぎたんだぜ（推定）
俺はホセ・メンドーサに負けて真っ白く灰になっちまったんだ！」

段平
「でもよぉ、まだおめぇも捨てたもんじゃねぇ
皆おめぇのファイトは忘れてねぇじゃねぇか！
テレビって引っ張りだこなのに、おめぇオファー
断りやがってぇ」

ジョー
「オッツァン、勘弁してくれ！いつもガッツさんや
輪島さんと組み合わせで、何時正解が出るか判らねぇ
クイズとか、この前は亀田の親父と口論になって
おいら、ぶっ飛ばしちまったじゃねぇか！」

段平
「そんな事言うもんじゃねぇ、お前さん今、矢吹
ボクシングジムは、火の車なんだぞ！おめぇが
西と紀ちゃんに酒屋からコンビニにしたいって泣き入れられて
いとも簡単に運転資金貸しやがって、みろ！
まんまとだまされて、夜逃げしやがったじゃねぇか！」

ジョー
「そんなもんは、またチャンピョン育てりゃいいだけの事よ
ま、そんなことはいいから、俺の作った焼きそば
食ってみろって！」

段平
「ん？こ、これは！うめぇじゃねぇか！ジョ～！
醤油とんこつ味で、これだけニンニク利かせてあって
新しい焼きそばの味じゃねぇか！
これなら、どこで見せ出しても繁盛するぜぇ
まずは泪橋で出さねぇか？」

ジョー
「ダメダメ！これはカーロスに教えてやるんだ！
あいつ、ホセのコークスクリューで廃人になっちまいやがった
から、あいつに教えて店やらすんだ」

段平
「じゃ、こうするか？白木のお嬢さんに頼み込んで
フランチャイズ制にするとかってぇのは？」

ジョー
「ない言ってやがるんだ！あの一族投資で大損こいて
権藤さんの所にみんな持っていかれちまったじゃねぇか！
オッツァン、新聞見てんのか？」

段平
「そうなのか？知らんかった！地道にやっていくかぁ・・」

ジョー
「この焼きそば、俺にとっちゃ気持入れて開発したんだ！
ほんの瞬間にせよ、まぶしいほどまっ赤に燃えあがるんだ。
そしてあとにはまっ白な灰だけが残る。
燃えかすなんか残りやしない。まっ白な灰だけだ！」

段平
「よくワカンネェけど、それだけ打ち込んでんのか？
だったらぁ、ちょっとはジムの連中の面倒も見ろや！
最近連中皆、ボクシングは痛いからって辞めちまってるじゃぁ
ねぇか！」

ジョー
「お湯を入れて、麺をほぐすため
あるいは　ソースを均等に絡まるようにするため
麺を　こきざみにかき混ぜること
このさい　ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで　
やや　口をねらいえぐりこむように食うべし ！」

段平
「おめぇも、輪島やガッツと同じ意味不明な事言うよなぁ
人の事言えねぇぞ！」

ジョー
「オッツァン！オイラちょっと力石の墓参り
行ってくらぁ！」

段平
「ジョ～、寄り道すんなよ！ジムの事もちゃんとやれ！」

ジョー
「ＯＫ！ＯＫ！ＯＫ牧場！」

段平
「おめぇ、やっぱガッツ輪島とテレビ出ろ！」