
現行のロータスのランナップが全て生産中止になり、来年から新規車種が生産されるとの報道がありました。ピュアEV、次期A110と共用フレーム等々の推測が流れていますが、共通しているのが現行のエリーゼのようなクルマでは無いだろうとの事。EUの環境規制に対応する必要がある事、米国での販売が必須であることを考えると当然の帰結と思います。
私自身、10年以上S2エキシージを所持している経験から、エリーゼシリーズとはどんなものだったかを個人的に総括する良い機会と思い、備忘録として残しておきます。
先ずエリーゼ。これは大別してS1とS2以降に分かれます。S1はボディ・エンジン・各部品全てにおいて軽量かつシンプルさを優先したモデル。重ステ、ノンサーボのブレーキ、ペナペナのカウル、軽量だが耐久性に難のある足回り、エアコン非標準装備とかなり割り切った造りですがそのおかげで700㎏前半という驚異的な車重と優れた前後バランスを達成した、正にエリーゼの目的を体現したモデル。
S2は量販車としての種々の対策を順次施したモデル。初期型はローバーエンジンを搭載。ローバーエンジンの製造中止後はトヨタエンジンに変更。日本からの要望やEU規制も取り入れ、エアコンやABS、エアバッグ、電子スロットル、トラクションコントロール等を順次装備。S2とS3で約20年に渡り生産され、エリーゼの実販売数の中核を占めることになりました。
各シリーズ生産中に耐久性や仕様変更、法規制対応の為に変更を繰り返しています。その為、改造や故障時に知ったかぶりで部品を個人輸入すると非適合で泣きを見ることも多々あります。
もし今からエリーゼを購入し、丁寧にトラブルと付き合いながら真価を知り尽くしたいならS1後期かS2のローバーモデルが最適だと思います。エアコンを効かせて世俗的な扱いやすさも欲しいならS2以降のトヨタエンジンモデルでしょう。
特に現行モデルは一通りの対策が行われ、デザインも洗練され、課題であったシフトフィールも改善されているので予算があれば良いと思います。
パワーも欲しい、色々いじりたい、とか邪道な囁きに耳を傾けたいならS2の2ZZ-GEモデルでしょうか?色々と欲望に忠実な改造が可能です。まぁいっそエンジンを載せ替えちゃえばいいじゃない!というところまでいけばどのシリーズでも関係ありませんが。但し、S1の軽さとノンサーボのブレーキのタッチを望むならS1以外はちょっと難しいかな、とは思います。
全てのシリーズに共通するのはアルミのメインフレームは非常にタフですが、逆に事故等で損傷すると正常化は極めて困難です。サブフレーム部分なら何とかする専門店もありますが、普通の板金屋では絶望的です。又、各部品も国産車程耐久性に余裕もなく、サーキットでの使用も多々あり、高額な修理が必要な場合もあります。中古車で購入するなら正常な状態をよく知っている専門店が良いでしょう。但し、それでも壊れるときは壊れますが。
S2エク乗りとしてのエキシージの解説は次回に…
Posted at 2021/02/04 19:10:04 | |
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エリーゼ | 日記