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発売当初は話題にもなり、良く売れたクルマだけど、色々と不満もあったりライバル車に劣る面もあったりと、不遇なクルマだったと思いますが、一周回って落ち着いた頃にＣＲ-Zと向き合ってみると、そう悪いクルマだとは思えない点も多くあります。

かつてはカー・オブ・ザ・イヤーを受賞されたりと、当時のホンダがＣＲ-Zに掛けた意気込みみたいなのを感じるクルマだと思います。

ハイブリッド感は薄く、回生ブレーキも弱め。
過給機的に使われるモーターアシストは、加速中でも余ったパワーをチャージに振られる仕様になっており、走行中にハイブリッドバッテリーの充電量が枯渇するようなことは、今のところありません。

エンジンもフィット系のエンジンを流用してるので物足りなさはあるけど、扱いやすく燃費が良く、レギュラー仕様で経済的です。

タイプＲのようなスパルタンな感じではなく、全体的にマイルドな感じのＣＲ-Ｚ。でもタイプＲより低い座席と、それに劣らない足回りも秀逸で結構スポーツしています。
目で見て分かるほどのリヤのネガティブキャンバーがよりスポーツ感を醸し出しています。

後部座席の居住性は最低で、リアスピーカーを取り付けた際も狭すぎてイライラするほどでした。
後部座席はカバンなどの荷物置き場として割り切れば使い勝手も良く、又、後部座席があることで前席のリクライニングもある程度可能です。

一般的に見ると中途半端なスポーツカー（スポーツカーでない）かもしれませんが、良く言うと「ちょうど良いスポーツカー」だと評価できるクルマだと思います。

「CR-Zを買って良かった」と前回申しましたが、どんなところが良かったか語ってみたいと思います。
そして、どんなに良いと言っても悪い点もあるにはあるので、その辺りもちょっと語ってみたいと思いますけど、悪い点はまた今度やってみたいと思います。
とりあえず今回は、良かった点を３つ挙げてみたいと思います。

ちなみに「デザインがカッコ良い」とか「燃費が良い」とか「走行性能が・・・」っていうのは、もちろん気に入っている点ではありますけど、今回はそれ以外の部分で紹介したいと思います。

①　身体のキレが良くなった！
CR-Zの着座位置はとても低い。
まさにスポーツカーに相応しい低さです。
しかも以前乗ってたクルマがエブリィだったので全く違います。
方や高くて方や低い。
なので、当初CR-Zに乗り換えたばかりの頃は、クルマの乗り降りの時が何気に大変でした。
いちいち「どっこいしょ～！」や「あらよっこいしょ～！」と掛け声を掛けなければ乗り降りできませんでしたし、モタモタと乗り降りする時間も掛かっていました。
それが今では、だいぶん身体が慣れてきたのか、サッとスムーズに乗り降りすることができるようになりました。
そのことからも、我ながら身体のキレが良くなったような気がします。

②　虫が付かなくなった！
「最近、虫減った？」
・・・と思うくらいフロントガラスやボンネットに虫が付着しにくくなりました。
以前乗ってたエブリィでは、しょっちゅうスチーム洗浄でクルマに付着した虫を洗い落としてました。
それが、CR-Zに乗り換えてからはスチーム洗浄で虫を洗い落とすってことは全くしていません。
虫が付いているとしてもナンバープレートぐらいですかね。
これは僕の推測なんですが・・・
CR-Zは空気抵抗が低いクルマだから虫が飛んでいても空気の流れに乗って、クルマに当たりにくく、虫を受け流す性質を持ってるんじゃないかな？

虫をさりげなく無視するCR-Zって環境だけでなく虫にも優しい。

③　グランツーリスモ６が熱い！
この歳になると、TVゲームすることも減ったし、暇つぶしでTVゲームしようとしても集中できずにすぐ飽きるようになりました。
昔みたいに寝る間を惜しんでまでTVゲームに没頭することも無くなりました。
なので欲しいゲームソフトを購入したとしても、ほんのちょっとやっては放置することが多々あります。


そんな中で最近気付いたんですが、プレステ３のグランツーリスモ6にはCR-Zが収録されてるんですよね。
もう２世代も前のプレステで、バーチャルな世界ではありますが、運転席ビューもリアルに再現されており、なかなか良くできているのには感動しました！
自分好みに仕上げたCR-Zに乗って、まるで日課のようにニュルブルクリンク北コースをワインディングのようにひたすら走りこんでおります。
気が付けば１時間以上も北コースを走ることもありますし、さらにウィスキーを飲みながらリプレイ映像を見るのも楽しいです。
これが良いことなのか？と言うと微妙ですが、久しぶりにTVゲームに集中できています。
愛車を使って走りこむことが出来るのは、グランツーリスモの醍醐味の一つだと思います。
グランツーリスモ７でも収録して欲しいと思うけど、まず無いでしょう。

・幻のスポーツカーの続き

１９９６年6月
僕は２代目シビッククーペを購入しようとハンコを押そうとした。
少ないけど４０万円の頭金も用意した。
まさに購入秒読み段階に入ってました。

そんな時、ホンダプリモ店の担当営業マンより連絡が入りました。
「シビッククーペが販売中止になった！」とのことでした。
この担当営業マンの一言で、僕は驚きとともに「初新車・初スポーツカー」の夢は目の前にして消え去りました。
あの時味わったショックは今でも忘れません。

・妥協策

アコードクーペからの妥協策でシビッククーペを選んだが、さらに妥協策を求められることになりました。
頑張ってアコードクーペを買おうか悩みました。
そんな時、担当営業マンよりシビッククーペと同じ価格帯のシビックフェリオViを薦めてきました。

当時シビックはミラクルシビックとして販売されており、セダンのフェリオも販売しておりました。
グレードのViは、３ステージVTECに無段変速のホンダマルチマティックが売りで、低燃費エンジンとスポーツエンジンを兼ねそろえたモデルでした。

丁度あのEK9シビックタイプRの販売が噂される時でした。

「セダンか～・・・おっさん臭くて嫌だな～」と当時ハタチだった僕はあまり興味を示さなかった。ハッチバックにも興味なかった。
スポーツカーはクーペ
クーペ＝スポーツカー！
・・・の思想が強かったので、アコードクーペやシビッククーペほど購買意欲をそそられなかった。

そんな時、同期のH君が中古で白色の初代ランエボを購入した。
ファミリーカーであったランサーのホットバージョンでカッコ良かった。

しばらくしてスバルからインプレッサが販売されるなど、スポーツセダンに注目が集まってた頃でした。
確かにセダンは、構造的にもボディ剛性が良いので、スポーツカーとして扱っても何ら問題はないだろうし、WRCで活躍してたギャランVR-4やレガシィもカッコ良かった。
そんなこんなで僕が持つセダンに対する思いも少しずづ緩和され、シビックフェリオViの購入を決断しました。
できるだけスポーツカーらしく、フルスポイラーに５本スポーク１４インチアルミホイール、フォグランプ、CDプレーヤーなどを付けて購入しました。
さらにシビッククーペが欲しかった名残で「ホンダオブアメリカ」のエンブレムをサイドウインカー下に貼ってました。
クーペからセダンと妥協しましたが、これはこれで満足が行くシビックフェリオに仕上げて乗ることになりました。
そんなことがあったので、それ以降クーペに乗る機会がなかなか恵まれることがありませんでした。

・シビックからＣＲ－Ｚ

あれから２５年以上過ぎてようやくCR-Zのようなスポーツカーに初めて乗ることができました。
１０万ｋｍ越えの車体価格４３万円と安価でいろいろ問題はありそうで、嫁から反対されるかと思ったけど意外とあっさりとＯＫ頂きました。

CR-Zはスポーツカーとしては頼りないところを感じることもありますけど、１０万ｋｍ超えでも衰えは感じず、毎日の通勤ですら楽しく感じるほど「買って良かったなぁ」と、そう思う日々を過ごしてます。

CR-Zを購入してから1年半くらい経ちますけど「思い切って買って良かったなぁ」とつくづく思います。
ふと日常でスーパーマーケットから駐車場に止めてあるCR-Z見て、そう思うことが多々あります。

CR-Zの前世が初代インサイトで、そのまた前世がCR-Xとなるわけですが、まだこの車がコンセプトカーだった頃、カー雑誌などでスクープとして話題となってました。
大口径のラジエーターグリルにキリッとしたヘッドライトに、かのCR-Xを彷彿させるようなクーペデザインに胸が熱くなりました。

その頃自分は娘が生まれたばかりで、家庭優先で初代FITに乗ってました。
これはこれで楽しいクルマでしたが「いつかはスポーツカーに乗ってみたい」思いはありました。
僕はクルマが好きで、仕事も整備士を今も現役でやっておりますし、これまで色んなクルマを乗ってきましたが、スポーツカーには縁がありませんでした。

・幻のスポーツカー

僕が学生だった時、当時プレリュードが流行ってた頃でしたが、僕はホンダオブアメリカのアコードクーペSiRが欲しかった。
あの落ち着いた端正なデザインに左ハンドルに大人のスポーツカーを感じました。個人的には日産レパードが持つ雰囲気に近く感じました。

それから卒業して整備士の職に就き、早速アコードクーペを買おうと近所のホンダクリオ店に行って見積もりをしてもらった。
車体価格が下位グレードでも250万円～と高額で、初任給１３万円の給与ではなかなか手が出せなかった。
「これではクルマ貧乏になってしまう」と危機感を感じました。
そんな時に同じホンダオブアメリカより２代目シビッククーペがホンダプリモ店より販売されていました。
シビッククーペなら車体価格１６０万円くらいと、アコードクーペを買うつもりならスポイラーとかアルミホイール、フォグランプ、CDプレーヤーなど気になるオプションを全部付けてもお釣りが出るくらい余裕を感じ、多少妥協してる感はあったけどシビッククーペの購入を決めた。
エンジンはDOHCのB16型ではなくSOHCのD16型でしたが、レギュラー仕様なのが良かった。

これが自身初の新車であり、自身初のスポーツカーになる。

・・・・はずでした。