
※久々なので長いです※
Q:富士宮やきそば、
厚木シロコロ・ホルモン、
横手やきそば
といえば何?
と問われてスッと答えられる貴方はきっと、
多少は食、特に外食に興味のある方と
お見受けしましたが如何でしょう。
そう、答えは
B級ご当地グルメ日本一決定戦・B-1グランプリ優勝の品。
うーん。
いや、コレ自体は別にいいんですけどね。
ここ数年、北海道で新しい
「ナゾの新ご当地グルメ」がぞくぞく登場しておりまして、
そのありようもどうなのかなー
と憂いていた次第なのです。
第一
本来のご当地グルメ(B級含め)というのは、メジャーじゃないけど地方で愛されてる
その地方ならではの食品ということだったと思うのです。
名古屋の味噌モノ(うどん・カツ)とか
香川のうどんとか
栃木のしもつかれ(…!)とか。
一般にはあまりなじみがなく、人によって好みが分かれるけど地元民は好き。
そーゆーのがご当地グルメと言うのでは?
でも北海道のは違うんですよー。
なんか「造られたご当地品」って感じで。
一説では 旅行雑誌『北海道●ゃらん』がウラで糸を引いているとかいないとか。
※と書いていて一応WIKI先生で調べたら、ちゃんと各料理、「●ゃらん」の提唱でと明記されててげんなり※
なんでこんな話を始めたかと言うと、
私の住んでる某B町で
「新☆ご当地グルメグランプリ北海道2010」
というのをやるのですね、7月10日~11日で。
全12もの地域がこれに参加しているのですが、
なんともなんともなラインナップなのでございますよ。
で、今回はこれを紹介。
なおかつ、各ご当地品の多くがですね
何やら「定義」とやらを細かく規定しとりまして、これがまた
小癪な感じなのです。
よってそれも一緒に載せました。ケッ。
なお画像は、なるべく見栄えのいいものを拾ってきております。(無断で)
①B瑛カレーうどん。
・正式名称は「B瑛カレーうどん」とする。
①B瑛産小麦粉「香麦」を使ったうどん麺を使用する。
②うどん麺とカレールウ・具材を別々に盛った「つけ麺スタイル」である。
③具材は「B瑛産のしゃぶしゃぶ肉」、季節に合わせた「B瑛産の野菜」を使用する。ただし野菜が収穫できなくなった時期は他産地を使用可。
④「Bえい牛乳」を添える。
⑤価格は1000円以下とする。
はい③にご注目。
正直、北海道なので1年の半分はカレーに使う野菜が採れません。 でも他産地を使用可って、アリ?
でも実は大丈夫なのです。
冬場はこの町、観光客がほとんどこないので、町の食堂もカレーうどんはハケないのです。
(待て、それは地元民は食べないということじゃないのか!?)
ではほかの町も見てみましょう。
②富良野オムカレ―!
①お米は富良野産を使い、ライスに工夫を凝らす
② 卵は原則富良野産を使い、オムカレーの中央に旗を立てる
③富良野産の「チーズ(バター)」もしくは「ワイン」を使用する
④野菜や肉、福神漬(ピクルス)なども富良野産にこだわる
⑤富良野産の食材にこだわった一品メニューと「ふらの牛乳」をつける
⑥料金は税込み1,000円以内で提供する
牛乳と1000円以内が、既にかぶっていて怪しさふんぷんです。
ちなみに私の姉は、「観光客で混んでて、牛乳が出されなかったよ!」と以前怒ってました。
まーチマチマした定義で自分たちの首を絞めているオムカレ―協会も
たいがいだなーとは思うのですが、
地元民がそんなの食いに行くなよ。
③深川そばめし…
①深川産そばと深川産米のおにぎり
②おにぎりには油で揚げたそばの実を入れる
③おにぎりの味付けにはそばつゆを使う
※「深川そばめし」定食の掟は、
①「深川そばめし」をつける
②深川産のハーフ蕎麦を付ける
③副食については、深川産の食材を使用した、副食を1品つける
④価格は1,000円以内とする
深川めしでもそばめしでもない、
それが深川そばめし。
どちらを連想して買っても、ガッカリすること請け合いです。なんだかなあ。
④オホーツク北見塩焼きそば
①道内産の小麦を主原料とした麺を使用する
②豚肉ではなくオホーツク産のホタテを使用する
③キャベツではなく生産量日本一の北見タマネギを使用する
④味付けはソースではなく塩とする
⑤皿ではなく、鉄板で提供する
⑥協議会指定の道産割り箸を使用する
⑦できるだけ北見にこだわったスープをつける
⑧シズル感を演出するために魔法の水を用意する
いやー ⑥・⑦あたりに、
そろそろちょっと苦しくなってきた感が漂いますね。
あと、「シズル感」なんて単語を使ってしまったあたり、
広告屋め、馬脚を現したな。
⑤羽幌えびタコ焼き餃子
調べてわかったのですが、もともとの企画は「えびタコ餃子カレー丼」で、
今回の出品では餃子を単品で出すことになったようです。
しかしどんだけカレー好きなんだ、じゃらん。
以下は「丼」の定義。
①名称は「日本海えびタコ餃子カレー丼」とする
②餃子に使用する甘海老は、日本海(苫前・羽幌・初山別近海)のものとする
③餃子に使用する水タコは、日本海(苫前・羽幌・初山別近海)のものとする
④餃子に使用する皮は、道産小麦を使用する
⑤米は、留萌管内産を使用する
⑥餃子のレシピ及び調理スキルは、研究会の定めるものとする
⑦副食には、道産牛乳もしくはソフトドリンクとその他1品以上添える
⑧価格は、980円とする
おお、価格が細かい。そこまで決めるか!
それと、苫前・羽幌・初山別、
単独で名乗りをあげられなかったのね… ちょっと不憫。
しかしなんか⑥が怪しいですね。余所者を締め出す意図が…?
⑥なんぷえぞカツカレー
以前、本ブログで紹介しましたこの一品。
①名称は「なんぷエゾカツカレー(南富良野エゾ風カツレツカレー)」とする
②南富フーズ(株)で処理したエゾシカのモモ肉を使ったカツカレーとする
③エゾシカ肉は叩いて伸ばし、肉厚5mm程度とする(厳守)
④カレーの具材は南富良野産にこだわり、お米は道内産を使用する
⑤収穫量では道内1~2位を争う南富良野産にんじんを使った漬物(福神漬け、ピクルス、マリネなど)をつける
⑥エゾシカの角で作った特製スプーン立てを使い、オリジナルのスプーンカバーをつける
⑦南富良野町で製造している「くまささ茶」(缶)にグラスを添えて提供する
⑧価格は全店一律950円(税込み)とする
まず、
なんで③を厳守せにゃならんのかよくわからないのですが。 担当者は説明を!
ともあれ、ますます苦しくなってきたのがわかります。
特に⑥で。
スプーン立てまで制限しないとアイデンティティが確立しない料理って、どうよ。
ちなみに⑦の「くまささ茶」ですが、町内の会議では常に出されます。もう飲みたくない。
⑦十勝芽室コーン炒飯
多いよ!コーン多いよ!
まさか本当にコーンの炒飯!!??
と思わずツッコミたくなるこの一品。
定義はというと…
①正式名称は「十勝芽室コーン炒飯」とする
②芽室で作ったスイートコーンをたっぷり使う
③炒飯の味付けは、特性コーンバター(コーンの搾りかす入り)を使用する
④スイートコーンはバターしょうゆで味付けをし、すべて後載せにする
⑤卵2個を必ず使用し、出来上がりは黄色を意識する
そのほかの具材については、各店自由とする(なるべく、芽室産、十勝産の農畜産物を使う)
⑥お米は北海道産「きらら397」を使用する
⑦スイートコーンを使ったスープを付ける
⑧新鮮な野菜サラダを付ける
⑨器は白の丸皿とする
⑩価格は980円以下(税込み)とする
なんかもうどうでもよくなってきました。
●ゃらんも罪なことをするものです。
あと、公式ページなのに「
特性コーンバター」 という誤字はよくないと思います。
⑧別海ジャンボホタテバーガー
あ、やっと なんか他とは毛色の違うたべものがやってきた…
(パンもの、初!)
と思ったら
ところがどっこいはーどっこい。
① 正式名称は「別海ジャンボホタテバーガー」とする
② バンズは地元のパン屋さん「カフェ・オーク」で作ったものを使う
③ バンズの原材料は道産小麦と「べつかい乳業興社」で作った牛乳(水は一切使わない)、天然酵母etc.とし、形は四角とする
④ 野付産のジャンボホタテ(2Lサイズ以上)を使う
⑤ ホタテの調理法は春巻きとする
⑥ ジャンボホタテ以外の具材は森永乳業別海工場で作ったモッツァレラチーズ、レタス、タマネギを
メインとしたマリネとする
⑦ ソースは3種類用意する(各店オリジナル)
⑧ お客様にバーガーを創る楽しみを体感してもらうために、バンズとジャンボホタテなどの具材は
バラで提供する
⑨ はさみ方は下から<バンズ→ソース1→ホタテの春巻き→モッツァレラチーズ→レタス→ソース2
→タマネギマリネ→ソース3→バンズ>とする
⑩ 完成したバーガーを置くイラスト入り特製ホタテ貝殻皿を用意する
ギャー!!!!!!!!!! 特に⑨!!!!!!
ハンバーガーごとき、勝手に食わせろ!!!!!!!
…もう私のHPは赤字表示ですが、
ここまで来たら乗りかかった船。あと4品…
⑨天塩タコキムチ丼
①正式名称は「天塩はシジミだけじゃないタコキムチ丼」略称は「天塩タコキムチ丼」とする
②天塩で水揚げされたミズダコと鮭をミンチにし、卵白、でん粉、タコイボを加えて練り、フライとして揚げる
③上記のメンチカツを、キムチ(北海道産白菜使用)と特製かつおベースのダシを混ぜて軽くとじた半熟卵の上にのせる
④トッピングは各自創意工夫する(北海道産の食材を使用する)
⑤留萌管内産の米を使用する
⑥天塩産シジミ(5個以上)の汁物、たこまんまの醤油漬け、香の物(各店自由)をつける
⑦価格は950円以下とする
…
…
「
正式名称は『天塩はシジミだけじゃないタコキムチ丼』略称は『天塩タコキムチ丼』とする」
…
お前は「『Sports Music Assemble People』、略して『SMAP』」か!!!!!!!!
何の意味が!!!その正式名称にいったいなんの意味が!!
ここまでくると
じゃらん担当者が遊んでいるとしか思えません。
⑩松前マグロ三色丼 …!
わあおいしそう。
世界中から絶滅する!絶滅するって!!と言われようが
マグロ大好き日本人。
この画像にビビッときた人も多いのでは!?
ちなみに当料理のルールはというと、
①名称は「松前マグロ三色丼」とする
②松前で水揚げされる本マグロを使う
③「マグロは刺身が一番」という固定概念にとらわれず、新しいマグロの食べ方(美味しさ)を提案する
④道南産の「ふっくりんこ」のごはんが盛られた小さな丼3つに、それぞれマグロ料理がのるスタイルにする。
⑤マグロ料理3つは「マグロのそぼろ」「マグロのユッケ」「マグロの竜田揚げ」とする。
⑥松前産のふのりを使った味噌汁、松前産のスルメイカと昆布を使用した松前漬をつける
おや意外にも、自由度の高そうな。
さすが●ゃらんでも、
マグロに牛乳をつけることはためらったようです。
しかし!だまされてはいけません!
先にも書きましたが、各料理はネットの波の中から
一番うまそうなものを厳選して無断転載しとります。
…じゃあ そうじゃないのはどうか?
実は イベント時の「松前三色マグロ丼」は、こうなっております。
嘘つきぃぃぃぃ――――!!!!!!!大人って汚い!!
うう、しかしここで膝を折るわけにはいきません。
⑪オホーツク干貝柱塩ラーメン!
①正式名称は、「オホーツク干貝柱塩ラーメン」とする
②オホーツク産のホタテ干貝柱を蒸し戻しし、まるごとトッピングとして使用する
③麺は、オホーツク産小麦を使用した中華麺とする
④スープは塩味とし、オホーツク海の自然塩や天然ホタテエキスを使用する
⑤タテ干貝柱以外のトッピングは、半熟卵半個、ネギ、ワカメ、いりごま等とする
⑥薬味として、協議会指定の特製「オホーツク醤(ジャン)」を別皿として添える
⑦料金は、1000円(税込み)未満とする
※補足事項
・「オホーツク産のホタテ干貝柱」とは、オホーツク海沿岸域の漁協で製造された製品
・「天然ホタテエキス」とは、ホタテ干貝柱を製造する過程で出るホタテの煮汁
・「オホーツク醤(ジャン)」とは、ホタテ干貝柱、鮭山漬けフレーク、昆布、ハマナス、タマネギ、ニンジン、ニンニク、砂糖など、オホーツク産の原料を使用したXO醤風の調味料
ここにきて初めてラーメンの登場です。
実はこのラインナップを見ると、日本人がいかにも好きそうなラーメンのエントリがないのですね。
それだけ、ラーメンは各地・各店で研究され続けているということなのでしょう。
このラーメンも、地場産品ということを除いてしまうと
ただのワカメラーメン+ホタテ だしなあ…
多分⑥および補足3項にある「オホーツク醤」が踏ん張りどころなのでしょうが、いかにも苦しい…
さてラスト!
⑫阿寒やきとり丼!!!!
もう説明も要りますまい!
ルールに行きましょう!!!
①正式名称は「阿寒やきとり丼」とする
②エゾシカ肉推奨マークを持っている地元施設で作ったエゾシカ肉を使用する
③3種類の串刺しやきとりは、「焼き」「揚げ」「こね」とする
④エゾシカ肉の量は約120グラムとする(目安)
⑤「焼き」は、モモ肉とタマネギを使い、味付けは自由とする
⑥「揚げ」は、ソース味とする
⑦「こね」は、ミンチ肉を使ったそぼろにし、レタスで包む
⑧必ず特製の阿寒産エゾシカ肉醤油(鹿醤ろくしょう)を使う(「焼き」「揚げ」「こね」何でも可)
⑨やきとりを串からはずす特製器具をつける
⑩北海道米を使用する
⑪エゾシカ肉をダシにした汁ものをつける
⑫阿寒産のギョウジャニンニクを使った副菜をつける
⑬器は白いどんぶりとする
⑭串をたてる器を用意する
⑮ 「阿寒やきとり丼」の食べ方を紹介したおしながきをつける
⑯ 「阿寒やきとり丼」の認証となる旗をたてる
⑰料金は、1,000円(税込み)未満とする
…
…
⑧の「鹿醤」って何だよ! とか
⑨、⑭、⑮、いちいちお世話くさいんだよ! とか
⑬まで決めなきゃなんないの?本当にそれ大事? とか
なんで⑰まであるんだよ! とか
さまざまなツッコミどころを押しのけて今回の第一位。
お前、やきとりちゃうやろ―――――――――!!!!!!!!!
ああヒドいホントにヒドい、「北海道●ゃらん」。
うーん さ来週にはこれがうちの町で開催…
と思っていたら
さらに。
見つけてしまいました
イベントカレンダーで
9/4 北海道カレーサミット2010 inB瑛
やめて!もうやめてッ!
これ以上うちの街を蹂躙しないでッッ!!!
あっ、今チェックしたら 1か所伏せ字が外れて …
…まあいいか。
Posted at 2010/06/30 23:18:02 | |
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