現時点でこのような記事を書くことが適切かどうか分からないが、これくらいは許されるだろうか。
以前関東で勤務していた頃の関係で、2週間ほど前に聞かれたことがある。
「宮城県沖地震はいつ起きますか?」
誰にも正確な情報など分かりっこない。けれど、いつ起きても不思議ではないと答えたところで、全くリアリティがない。
なので、
政府の予測では今後30年のうちに発生する確率が99%。過去、37年周期で地震を繰り返しており、前回の1978年の地震から32年経っている。まもなくだろう、と答えた。
もちろん、こうなることが分かっていたわけではないが・・・
個人でできる災害対策などたかが知れている。ならば、精一杯危険を煽ってやることも、自分の重要な仕事だと考えていた。
30数年、短いようでいて、災害意識を風化させるには十分な長さなのかもしれない。来るべき時が来たと考えるか、まさかと考えるか。国民の大多数はどちらなのだろうか。
もうひとつ、こんなこともよく聞かれる。
「災害に備えて、何を備蓄しておく必要がありますか。非常袋には何を入れますか。」
あまり適切な回答ではないかもしれないが、そんなもの用意しなくていい、まずは生き残ることを考えろ、生きていれさえすればどうにでもなる、そう答えるようにしている。
これは、家具や建物の損壊・倒壊で死なないようにしろという意味。阪神・淡路大震災では、建物による圧死が多かった。そこさえ乗り切ることができれば・・・
だが、今回は違った。
津波の犠牲となられた方の中に、建物倒壊による圧死を免れた方は少なからずいたのではないだろうか。
津波到達が予想以上に速かったという話もあるが、地震で一旦は命を拾った方々の行動がどのようなものだったか、分析しなければならないと思う。
残念なのは、今回の地震の数日前に起きた3月9日の地震。
関係者から見れば、想定よりちょっと規模が小さいかな、というものだったに違いない。
このとき、気象庁から出されたのは津波注意報。耳を疑った。大袈裟でもいいから警報を出すべきだ、そのときそう思った。
そして、取るべき行動を具体的に指示すべきだった・・・
防災、という言葉はおかしい、自然災害など防げるはずもない、という意見がある。
それは違う。大切なのは、被害を軽減することにある。そして被害を軽減できるかどうかは、人の行動にかかっている。「人災を防ぐ」、これが防災の本旨ではなかろうか。
次は関東、そして東海、四国。これは決して脅しではない。地震は必ず来る。しかし、「繰り返してはならないこと」がある、それは確かだと思う。
Posted at 2011/03/13 03:03:21 | |
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