
基本的にあまり本は読まない(幼少期から)のですが、ビジネス誌なんかの書評で取り上げられていて気になった本が、
「Whole Earth Discipline」
和題には「地球の論点」とありますが、直訳すると「全地球規模の原理」って感じですね。
著者はスチュアート・ブランド、大物の環境主義者です。
これ、テーマ設定がなかなか面白いんですよね。
メインは気候変動。そして気候変動抑止の手段として、原子力、遺伝子組み換えなどについて論じています。ちなみにこの本が書かれたのは、タイの洪水も、東日本大震災も、TPP(農業分野)の話も出て来る前。著者はアメリカ人ですが、今だったらこんな設定で書けないかもしれません。
著者は元々は反核だけど、今は親核派(原子力推進派)。遺伝子組み換えも肯定派です。
これを読んで感じることですが、テクノロジーって、それを知る人は恐れていないんですよね。
知らない人ほどヒステリックに反応する。
古い時代の環境主義者や単なる無知な人間は、文明から環境を守ろうとする。したがって、新しいテクノロジーには抑止的に行動しがちです。
しかし今は違う。環境から文明を守らなければならない。このスタンスで、原子力や遺伝子組み換えの合理性を説いていく本書は、なかなか刺激的でした。
最後の方は何を言いたいのか分かりづらかったですけどね。翻訳者の表現が私の性格に合わない、ってこともありますが(笑)
もちろん、これは地球規模での議論。今の日本の個別事情に当てはめれば、議論はもっと複雑になるでしょうけれどもね。
さて、ついでに今年どれだけ本を読んだのか、まとめてみました。
・投資事業組合とは何か (田中慎一、保田隆明)
・投資組合の基本と仕組みがよ~くわかる本 (青木寿幸、吉崎静)
・ [概論]日本のベンチャー・キャピタル (神座保彦)
・ベンチャーキャピタルからの資金調達 (嶋内秀之、伊藤一彦)
・起業のファイナンス (磯崎哲也)
・ 〈起業〉という幻想-アメリカン・ドリームの現実 (スコット.A. シェーン)
・企業再生プロフェッショナル (アリックスパートナーズ・アジア・エルエル シー、西浦裕二)
・マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 (P.F.ドラッカー)
・もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (岩崎夏海)
・宰相の資格 (櫻井よしこ)
このほかにも、いくつかの資格関連で7~8冊、トータル20冊弱。他に週刊誌(経済誌)なんかも割と読んでたから、自分にしては多い方だったかな。
4月から仕事が変わったこともあって、かなり分野が偏ってますけどね。基本的に小説の類は読まないので。
ただ、最後の2冊は読む必要なかったな・・・
もしドラ読むくらいなら、その上の原書(マネジメント)を読んだ方が面白いですね。
ただし、マトモな会社にお勤めの方にはお勧めしません。不健全な組織にお勤めの方ほど、自分の組織のアラが見えて楽しめると思います(笑)
最後のは・・・鳩菅について論じたんじゃ深みが出ませんね(苦笑)
Posted at 2011/12/08 21:19:26 | |
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