
自分が135iを買ったディーラーでは4月9日(金)~11日(日)にかけて、新型5シリーズの展示会をやっていたんですが、残念ながら仕事で行けませんでした。
翌週の4月13日(火)に見に行ったんですが、週末に展示を開始したばかりのはずの新型5シリーズがもう無い!
確認してみると、早速試乗車として使うとの事で、登録整備中の状態でした。残念。
日を改めて、4月18日(日)にまたディーラーに行き、試乗してきました。
…相変わらず長い文章になっちゃったんで、最初に結論を1行だけで。
かなり良かったです。次の3シリーズのフルモデルチェンジも楽しみ。でも高いな。
…ここから先、駄文が続きます(滝汗
今回の5シリーズセダン、皆さん言われるように、写真で見るより実物の方がかっこよく感じますね!
全長が長いのに対して全高&ショルダーラインがソコソコ低い分、シャープでスマートに見えます。
単体部品だけを見ると、個人的には先代のE60 5シリーズの方が、例えばヘッドライト、キドニーグリル、フロントバンパー(特にM-Sportの)、テールランプなど、好きな形状のパーツが多いんですが、全体のフォルムとしてはこちらの方がまとまりがあって好印象です。
内装の質感も、かなりゴージャスになって好印象。
今までの5シリーズだと、他に無い直線的なデザインによって独特の世界観を醸し出しており、決してチープな訳ではないがちょっと殺風景って感じがしたんですが、今回は7シリーズと遜色無いくらいのぱっと見でわかる高級感があります。
今までの5シリーズの内装と他の現行車種の内装の質感を比較すると
1シリーズ<<<3シリーズ<<5シリーズ<<<<<7シリーズ
って感じでしたが、今回の5シリーズの内装と他の車種を比較すると
1シリーズ<<<3シリーズ<<<<<<5シリーズ<7シリーズ
ってくらいに良くなったと思えます。
先日日本で発表になったX1の内装も、1シリーズや3シリーズと共用している単体部品が結構あるにもかかわらず、画像で見た質感はかなり良さそうでしたし、今後出てくる新型1シリーズ、3シリーズに関しても、どう向上させてくるか楽しみです。
あと今回の5シリーズのメーターパネルは、7シリーズに採用されているブラック・パネル・テクノロジーの自発光式メーターではなく、従来のライトオン時にオレンジに光るメーターみたいです。
7シリーズのメーターを見た時、『国産車っぽくなったけど、過剰な装飾(青い間接照明)とかは無く、スッキリしたデザインだな。でも、BMWっぽい個性はなくなっちゃったかも?』と思い、今後出てくる車種はみんなこんなメーターになってくるのかなと考えていたんですが、そうではなかったようで。
よくよく考えると、従来から7シリーズだけメーターの配色とかも独特でしたもんね。
ある意味先進さが無くて残念ですが、BMWらしさを維持してるって意味ではちょっと一安心。
ただ、7シリーズの場合、メーター下部が全面液晶パネルになっているのに対し、5シリーズはメーター下部中央から右側(タコメーター下)のみが液晶パネルになっているので、助手席側から見ると光の加減で液晶モジュールとそうでない部分の継ぎ目が見えるのがちょっといただけないところ。
内装で一番気に入ったのが、ドリンクホルダー。
7シリーズと同じように、センターコンソール奥(1シリーズや3シリーズの灰皿がある位置)にあるんですが、蓋を開けると連動してドリンクホルダー部もせりあがってくる作りになっています。
個人的には、7シリーズよりも凝ったいい作りだなと思いました。
1シリーズもこんな感じの作りにしてくれていたら良かったなぁ。
車内で煙草吸わないんで灰皿レスにしてるし、ドリンクホルダーは形状はともかく最低な位置だし。
で、エンジンをかけて試乗します。
新型エンジンのN55B30Aは、アイドリング時に車外から音を聞いた時こそ若干カタカタと音がしますが(これはN54でも似たようなもんか)、車内ではそんな不快な音は一切聞こえません。
軽くアクセルを踏むと、シュルシュルっと加速します。
8ATの出来もかなり良く、普通に巡航している分には1300~1500rpmをフラフラしているだけで、いつシフトチェンジしているのか全くわかりません。
ただアクセルを更に踏み込んだ時、3000~4000rpmでドロロロロッとばらついた音が聞こえたのが気になりました。
ツインスクロールとはいえ、1つのタービンに6つの排気管が集合するからエキマニの長さも不等長になっている為、特有の回転数で排気干渉音がするのかな?よくわかりません。
試乗車の走行距離は800km程度だったんで、今後慣らしが進んでいけばこのような音は消えるかもしれませんが、少なくとも自分の135iでは慣らし中でもこんな音はしなかったはずです。
このエンジン、よく雑誌やネットでは『高回転でのフィーリングが洗練されていない、ざらついている』とかって言われてますが、実際のところどうなんでしょう?
試乗車の走行距離は800km…ゴメンナサイ、慣らし運転は現時点で終了って事にさせてください。
どうせ自分が試乗する前にもぶん回されているだろうし。多分。
藤原文太も『11000までキッチリ回せ』って言ってたしw(って、何年前のネタだよ)
で、回します…快音を響かせて回ります。
Dレンジでべた踏みすると、7000rpmのレッドゾーンに到達する瞬間にシフトアップ。
特に不快な印象とかは全く感じませんでした。
135iと比べると、ちょっと排気音が野太い感じがしますが、これはこれで心地よかったです。
8ATの出来もかなりいい感じです。
このAT、試乗後に友人のレクサスIS250に乗って気付きましたが、恐ろしく変速スピードが速いです。
マニュアルモードで比較してみると、IS250の6ATもそんなに遅い方ではないはずなんですが、535iと比べると2倍以上…もしかしたら3倍くらい変速スピードがだるく、とてもコーナー侵入時に使えるような反応速度ではないなって感じでした。
機会があれば、レクサスIS-Fの8AT(LS460からの流用だが、プログラムの変更により高速化)と比較してみたいです。
でも、よっぽどの差が無い限り、どちらが速いかとは気づかないかな?
絶対的な加速感は、135i(車重1530kg)や335i(車重1620kg)と比べると車重1820kg(試乗車はサンルーフ付きなので更に20kgプラスされて1840kg)あるのもあってそれなりに劣りますが、もちろんそれなりにパワーはあるので単体で見れば不満はありませんし、なにより、車重が重くなって加速やコーナリング性能が落ちるデメリットより、この車体の出す高級感&高品質感によって得られる満足度的メリットの方が遥かに大きいと思います。
ハンドリングに関しても、車格的にしっとりとした作りにはなっていますが、直進安定性やコーナーでの回頭性も結構良くて気持ちよかったです。
インテグレイテッド・アクティブ・ステアリングに関しても、これは7シリーズに試乗した時にも思ったんですが、特に違和感も無く快適でした。
普段乗っている135iよりも車体がかなり大きい分、アクティブ・ステアリングのアシストを含めた状態でやっと切れ角がアクティブ・ステアリング無しの1シリーズと同じくらいになっていて、それで違和感が無いんでしょうか?
代車で335iクーペに乗った時には切れ過ぎると感じたアクティブ・ステアリングも、とうとう完全に違和感の無い状態に熟成されたなって思った次第です。
足回りに関しても、高次元でバランスされていて、高級車らしく突き上げ感も少ないが、それに反してロールも少なくて気持ちのいいものでした。
とにかく、今までBMWは3シリーズがベストバランスで、5シリーズや7シリーズは、それよりより高級な乗り味に振っており、ハンドリングでは3シリーズの方が勝ると思っていたのが、今回の5シリーズは、全体的に更に上のレベルでバランスが取れていると感じました。
ただ、絶対的な価格が高すぎますし、この大きさの車体が必要かって言われると微妙…なので、次の3シリーズもこの方向性で開発してくるだろうから、楽しみだなってとこです。
値段に関しては、北米価格と比べて高すぎるって事で叩かれていますよね。
一応、ディーラーの説明では、
535iが従来の540iの代替、
528iが従来の530iの代替、
今後登場する523i(って名前だけど3リットル)が従来の525iの代替、
で、従来のハイラインパッケージ相当のものが標準化されているし、今までと比べて内装の質感も大幅に向上しましたし、割高感は無いと思います。との事。
確かに、日本の価格だけで、従来モデルや他のシリーズと比較すると、納得いく値付けかもしれませんが…ねぇ。
135iと比べると335iは150万円くらい高いが、装備内容を加味すればその差は100万円以下になる。
335iと比べると535iは150万円くらい高いが…同上。
って感じで、BMW Japanとしては、適切な値付けなのかもしれませんが。
まぁとにかく、車自体はかなり良かったです。
ディーラーの話しによると、やっぱり絶対的な値段が安いのと、減税対象車って事で528iが一番売れているとの事でした。