
S402の慣らしが完了したので、明日はスバリーマン(スバルの私の担当営業)を訪問して、新車1ヶ月点検(まだ2週間ですが・・・)を兼ねて、エンジンオイル交換等をしに行く予定です。
そこで、エンジンオイルについてお話したいと思います。
あくまで、個人的なインプレッションなので、参考まで。
正直、長いっすよ。
みなさん、水平対向エンジンのオイル選びって結構迷いませんか?
色々なメーカーから”スバル水平対向エンジン専用オイル”たる商品が多数販売されていますが、粘度などのスペックもまちまちですし、メーカーによって言うことも違っていますよね。
インプレッサWRX STi (GDB E型)、レガシィツーリングワゴン(2.0GT Spec B BP5)とEJ20ターボを乗り継いだ私も、”これだ!”というオイルにたどりつくまで、様々なオイルを試しました。
今回は、これまで使用してみたエンジンオイルについて、燃費データやインプレッションも含めて紹介したいと思います。
因みに、EJ20ターボおよびEJ25ターボが対象になるので、H6やNA水平対向の方は参考にならないかも知れません。
まず、どの程度のスペック、特に硬さを選ぶがなんですが、
”水平対向エンジンは固めの(10~15W)オイルが良い”
”水平対向エンジンはビッグボアでクリアランスが狭いので軟らかめの(5~10W)オイルが良い”
”純正粘度(5W-30)が一番”
などとメーカーによって言うことがバラバラです。
当然、自社の製品(エンジンオイル)を酷評することはないので、”話半分”と思った方が良いと思います。
また、ホームページに掲載されているユーザーからのインプレッションも都合の良いものしか載せていないはずなので、実際に入れて(購入して)確かめるのが一番だと私は思っています。
まずは、オイルのウンチクからはじめるとしましょう。
オイルのスペックは、”〇W-〇〇”という表記がされます。
最初の”〇W”というのはオイルの硬さを意味し、数字が小さいほど軟らかく、低温始動性に優れることになります。逆に、数字が大きいほど硬く、高温下での安定性に優れることになります。
よって、冬場や寒冷地でのストリートユースであれば5W程度、夏場や峠・サーキット走行などには10~15W程度といったところでしょう。
そして、後半の数字(通常30~60程度)は、粘度を意味し、数字が大きいほど粘度が高く、エンジンが高回転・高負荷時にも安定した油膜が形成されて、エンジンを摩耗から守ることになります。
ここで問題なのが、同じスペックのオイルなのに値段が違ったり、エンジンフィーリングが変わるのはなぜかということです。
これは、エンジンオイルの製造方法に起因します。
エンジンオイルには、鉱物油,部分合成油,(100%)化学合成油といった種類が存在しますが、EJ20ターボのような高性能エンジンには100%化学合成油が好ましいのは当然です。
この化学合成油の作り方がメーカーによって違うのです。
通常、ベースオイルという基礎になるオイルに添加剤を加えているのが一般的です。
この添加剤というのがオイルにとって、諸悪根源と言えます。
つまり、メーカーとしてはハイスペックなオイルを低コストで製造したいという狙いがあります。
低コストにするには、安いベースオイルに添加剤を多く混ぜて、見掛け上のスペックを達成させる訳です。
大半のエンジンオイルはこういった部類に入ると思います。
なぜ、添加剤が問題かというと、そもそも、どんなに高いベースオイルを使用したエンジンオイルでも油温が130~140℃以上になると、オイルの粘性を引き出しているポリマーの結合が壊れて性能を発揮できなくなるわけですが、添加剤はベースオイルよりも低い温度で壊れて、スラッジといったゴミやカスといったものに変化してしまいます。つまり、添加剤を多く使用したオイルは、新品時は性能・スペックが出ているものの、比較的早い使用段階でそのスペックを引き出していた添加剤が壊れてスラッジになり、残った安価なベースオイルの性能でしかエンジンを保護できないのです。
ですから、スペックが良いからと言って、必ずしも良いオイルとは限らないのです。
よって、本当に良いエンジンオイルというのは、添加剤を使用しない、または極力使用していないのが条件になるわけです。
前置きが長くなりましたが、実際のインプレッションと燃費のデータを紹介したいと思います。燃費データは街中60%+高速40%前後の比率と考えて下さい。また、実際の燃費は個人の運転の仕方で変わりますので、あくまで私の運転の仕方ということです。
①
スバル純正 5W-30からです。これは、新車時に(当然)入っています。私の場合、エンジンの慣らし期間である1000 Kmは、このオイルを使用します。慣らし時にしか使用していないので、エンジンの回転数は基本的に3500rpm縛りですから、インプレッションといっても困るのが正直なとこですが
、”可もなく不可もなく”といったことろです。純正オイルなので、5W-30だからエンジンが壊れるということはないでしょう。スタッドレスタイヤ着用時の寒冷時などは良いかも知れません。
燃費は、
GDB-Eで7.52 km/l,
BP5 Spec Bで8.76 km/lです。
②次は、
TRUST F2 5W-50です。このオイルは、シルビア(S15)の時から使用していたのですが、かなり優秀です(お勧めです)。というのも、
添加剤をほとんど(一切?)使用せずに、ベースオイルの性能でオイルのスペックを出しているので、ハードな使用の仕方をしても性能劣化が少ないのです。ベースオイルが他社と違うせいか、オイルの色が青緑です。エンジンフィーリングも優秀で、回転レスポンスも良く、更にエンジンの回転上昇にパワーとトルクがきちんとついてきます。燃費はGDB-Eで
8.09 km/lと純正オイルを上回ります。また、
TRUST F2には15W-50という硬めのオイルもラインアップされていますが、燃費は
7.56 km/lと純正5W-30と同等と優秀です。
③次は
Gulf 5W-50です。インプレッションとしては、エンジンの回転レスポンスはまずまずなのですが、
エンジンの回転数に対してパワー・トルク感がリニアについてこない感じ(エンジンが空回りしている感じ)がしました。また、燃費もGDB-Eで
6.84 km/lと今一つでした。
④次は
Castrol prospec 5W-40です。このオイルはスバルのディーラーで交換することができます。インプレッションとしては、
低温始動性およびレスポンスも良好で、パワー・トルク感もまずまず合格点です。オイルの価格も②③⑤⑥に比べて若干安く、コストパフォーマンスにも優れています。ただし、燃費は、BP5 Spec Bで
7.59km/lと今一つです。
⑤次は
Zero Sports ZERO SP チタニウムR 10W-50です。結論からいうと、
GDB-Eではこれがベストチョイスです。
レスポンスおよびパワー・トルク感は抜群で、最初に使用した時は、”エンジンオイルでこんなに変わるのか?”と思うくらい劇的なインプレッションでした。しかも、4.5l缶なので、EJ20, EJ25であればオイルフィルターを交換しても、1l缶を余分に購入しなくてすむので、無駄が無く、若干の割安感があります。また、スペック的には硬めのオイルなのにも関わらず、燃費はGDB-Eで
8.23 km/lと異常な位良いのです!BP5 Spec Bで
8.77 km/lでした。おそらく、このオイルに含まれる20 nm径のチタン粒子の効果に加えて、エンジンの回転に対してリニアにトルクがついてくるので、街中で必要以上にアクセルを開けなくても済むということが言えると思います。スポーティーな走行以外でも、エンジン回転に対してのパワー・トルクのピックアップというのが重要なのが分かります。ただし、レガシィのEJ20には若干粘度が高すぎる感はありました。オーバースペックですね。インプレッサで8000 rpmまでガッツリ回す方には、これがお勧めです。
S402にもこのオイルを入れる予定です。
⑥最後に
Zero Sports ZERO SP チタニウムTB 10W-40です。⑤よりも粘度が低いのでGDB-Eの寒冷期用またはレガシィ EJ20ターボ用(通年)としてお勧めです。インプレッションは⑤と同様で、レスポンスはむしろやや上です。ただし、インプレッサで8000 rpmまでガッツリ回す方にはお勧めしません。燃費はBP5 Spec Bで
9.72 km/lと優秀です。特に、高速走行での燃費が向上しました。
S402の寒冷期用オイルとして使用する予定です。
【2009年12月6日追記】
その後、色々なオイルを試した結果、上記の見解にかなり訂正が必要になりました。
最新のオススメオイルは
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