オーナーさんからも、ぜひブログに書いてくださいと言われたので…
主治医がファインチューンした稀少なスペックVに乗せてもらった時の感想です
興味ある方がいらっしゃいましたらご覧下さい
少し前にノーマル状態で乗せてもらった時の感想はコチラ
http://ameblo.jp/hanaya-gtr/theme-10089429587.html
そして、ライトチューンが施されたスペックV
吸気系パイピング、排気系の一部を交換
もちろん車検対応(ディーラーでもやってる作業)
マフラーは純正チタンマフラーをそのまま使用
ECUのデータを書き換え例のオリフィスを交換
雨の日用やローブースト仕様などいくつかのMAPを選択可能
今回は、ハイブースト(1.2k)仕様のマップ4を確認
ちなみに、GT3仕様でもブーストは1kほどらしい
ノーマルの状態からバルタイを変更(純正可変するIN側のみ)
なので、ブーストのかかり方はとても自然
自然すぎて物足りなく感じるくらい
標準車(タービンが小さい)の場合、ブースト1k仕様でも
スペックVタービンより低回転からトルクが湧き出る
だけどそれは、無駄に低速トルクが余っている状態にも思える
※トラコンの効きをログれば分かる
それに対してスペックVタービンだとその余っているトルクを
ほんの少し削って、より高回転にそのまま足したイメージ
ノーマル時でのブーストのかかりの遅さは皆無
どこがインターセプトなのかを体感することは難しいくらい
気がつけば3~4000回転でフルブースト(1.2k)に落ち着く
その前にお約束のオーバーシュートを1.4kまでかかるようにしているので
RB26同様に、タービンの立ち上がりも素早く気持ちよい
R35ノーマルにありがちな、あのほんの一瞬のラグが消えている
いくらブーストだけ上げて最大パワーを上げても
そこに行くまでの時間がたとえほんのわずかでも遅ければ
人間は体感として違和感を感じることになる
最大ブーストが掛かってからの速さはどちらも同じなんだけど
これもいくら文章に書いても、実際に乗ってみたり
体感しないと理解できないところだと思う
エアコンON、ATモードで高速テスト
(※エアコンは20×kを超えると自動で切れる)
R35はたとえ純正550馬力モデルでも、ゼロスタートでは
ローンチを使いたくなる場面が多々あるけれど
主治医改の仕様だと、そう思うことは皆無
ただハンドルをまっすぐ握って、アクセルを思い切り踏み込むだけ
たったそれだけで、およそ公道では無敵と思える加速を引き出せる
こんな風に書くと大げさだと疑う人もいるだろうけど、それが真実
たとえ700馬力、800馬力のスーパーカーを持ってきても
スペックV改の方が速いことは容易に想像できる
なぜかって?うちの500馬力未満のBNR32でさえ
いろんな場面でそんなスーパースポーツとやりあったことがあるから
最新のスーパーカーでさえその性能を安定して引き出すというのは難しく
ドライバーの腕や路面の状況によっても変わってくるが
GT-Rは、スピードにさえ慣れていれば誰でも同じようにその性能を発揮できる
もし、このスペックV改が公道で他に負けることがあるとしたら
それはモーターとハイパワーエンジンを組み合わせたマクラーレンP1や
ラ・フェラーリを公道で全開にできる人と遭遇した時くらいかもしれない
だから、もし次のGT-Rがハイブリッドになるとしたらそれはとても自然な流れだと思う
リミッターをカットしたR35を思い切り走らせたことがある人は
みんな経験していると思うけど、R35はとにかく限界が高い
高速を含め一般道で、その限界を素人が超える場面は皆無だと思う
20インチのハイグリップタイヤと超大型のブレーキ
そして、その重量と引き変えに鍛え上げられたボディ剛性
素人がどんなに必死に飛ばしても、その限界はもっと上にある
R35の標準車はもちろん、スペックVでもノーマル時には
固いと感じた純正ランフラットタイヤと、純正ビルシュタインの足回り
けれども、それは単純にスピードが足りなかっただけということがわかる
スペックV改でその圧倒的な速さと、それをコントロールするために
より積極的な荷重移動を意識することで、
ノーマル時にはわからなかった絶妙なバランス感がわかるようになる
ああ、日産のテストドライバーはきっとこんな状態でのクルマの動きに
OKを出したんだろうなって・・・
スペックVのカーボンブレーキがサーキットに向いていないのは
そこそこ有名な話で、これは当時の開発者の水野さんからも直接聞いたこと
公道で使う上では効きが足りないと思うことはあるけれど
でも、40キロ弱の工程で何度かフルブレーキしても、フェードすることもなく
もちろん低速で嫌な鳴きも出ず、危険不快ということはない
ATモードで走っていてもフルブレーキ&パドルでシフトダウン
ブレーキを残したままコーナーに進入することで良い感じで曲がることができる
いろんな凄さが自然なのがR35の凄いところ
20×kで流してても空燃比は14.7…高速燃費も良い
いつものトンネルをいつものように抜けてアクセルベタ踏み
うちの32Rで30×kになるところ、
R35標準車の1k仕様では31×くらい…
スペックV改はそこで32×超え…しかもまだ加速中なカンジ
しかし7150回転でレブに当たってしまう
かといって安易にレブを上げれば良いというわけではなく
例えばファイナルを変更すれば、もっと上まで自然に伸びると思う
そんな超高速域でも、ブーストや空燃比を確認したりできるし
手に汗かくこともなく、クルマが暴れるとか恐怖心も全く無く
矢のように新幹線のように安定して真っ直ぐ走ってるだけ
他をいろいろ体験していないとわからないと思うけど
改めて感じることができるその凄さ
クルマを降りて、ロギングしたデータを確認(してもらう)
フルブースト(1.2k)全開時で純正IJは開弁率90%
どこかのネットの情報ではブースト1.5kかけてIJ容量アップして
700馬力オーバーなんて話もあったけど、
スペックVのIJが純正550ccのままというのは、
ブースト1.2くらいが、このエンジンの本来の姿なのかなと
それで得られる出力と速さがこのクルマの本来のバランスだと思う
そう考えると、足回りもバランス取れるし
対策済のミッションもミッションクーラーの追加でさらに安心感が増すし
全体的な走りのバランスがとれているカンジ
ログデータを見ると、本当にいろんな制御やバックアップ制御がされていて
コンピューターがエンジンを壊さないように、クルマの動きを破綻させないように
幾重にも監視されていることがわかる
それにしてもなんという絶対的な安心感
15分ほどの全開連続走行の後でも
水温、ミッション油温は90度未満で全く問題なし
フルブースト全開域でも空燃比は13~13.2
唯一エンジン油温が100℃まで行ったけど
ミッションクーラー以外、冷却系はノーマルのまま
タイヤも良い感じに温まってペタペタしてるけど変な磨耗もなし
ブレーキもわずかに香ばしくなっているけど、問題なし
どこかの社長が30※でも車内で会話できるって言ってたけど
ライトチューン程度ではそれもそのままの感じ
標準車のブーストアップ仕様でも普通の感覚だと十二分に速いけど
スペックVのそれは、標準車のブーストアップでの数少ないもうちょっと欲しい部分を
良いバランスを保ったまま足してくれている感じ
よくある標準車のブーストアップ仕様でも、全然速くないものや楽しくないものは沢山ある
そんなクルマはすぐに飽きられて中古車市場に回される
そうではなくて、
本来のR35の性能をきっちりと引き出して、本物のファインチューンをされたものは
運転が楽しくて仕方が無いし、維持するのに神経質になる必要もない
結果、手放されることは少ない気がする
その違いをこんなブログだけで説明するには、全然言葉が足りないし
やっぱりそれは実際に乗ってみないとわからないと思う
とても貴重な経験をさせて頂いたオーナーさんと主治医にお礼申し上げます
ありがとうございました