
題名:二代目 聞き書き 中村吉右衛門
著者:小玉祥子
出版社:毎日新聞社
中村吉右衛門と云うと、一般の人には、鬼平犯科帳に出てる人くらいのイメージだと思う。
僕も、歌舞伎を見始める前は、そんな感じだった。
元々歴史が好きな僕は、当然の如く時代物を見る機会が多く、そんな中で最終的に行き着いたのは、片岡仁左衛門と中村吉右衛門の二人。
其の吉右衛門の演技で印象に残っているのは、
銘木先代萩の仁木弾正と、
時今也桔梗旗揚の武智光秀かなあ。
あと、二条城の清正の加藤清正も良かった。
前置きが長くなったけど、肝心の内容はと云うと、二代目中村吉右衛門の生い立ちから現在までの聞き書き。
毎日新聞に1年連載された物で、単行本化にあたって加筆されている。
中でも、青年期のエピソードが、現在の吉右衛門とのギャップを感じさせられて面白い。
其の中で、印象に残っているのを二つほど紹介。
TVのトーク番組で、若い頃にバンドをやっていたのは知ってたけど、作詞した曲が残っていて、マイク真木が居たマイクスの、ランブリン・マンって云う曲が其れ。
そして、歌舞伎の世界でやって行くのを決めたのが失恋と云うも意外。
而も、其の相手は、何とフランス人(フランス語で会話してたそうな)。
彼女が帰国すると云うので、役者を辞めてフランスに行きたいと、父の松本白鴎(八代目幸四郎)に行った所、「何にでもなっちまいな」と云い離されてしまう。
其の台詞に、父の期待を知り、外祖父の中村吉右衛門の名を継ぐ事を決意したと云う。
読み終わって、吉右衛門の芝居が見たくなって来た。
やっぱり、初代からの当たり役の熊谷陣屋が良いなあ。
世話物だと、籠釣瓶花街酔醒も捨てがたい。
本日は此れ切り。
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Posted at
2010/10/17 22:42:47