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2010年10月31日

明智左馬助の恋 を讀む

明智左馬助の恋 を讀む 題名:明智左馬助の恋
著者:加藤廣
出版社:文芸春秋

うちのご先祖様(と伝わる)が主人公なので、図書館で借りずに、保存用に本屋で買って読んでみました。

本作は、「信長の棺」「秀吉の枷」に続く本能寺三部作の完結編で、明智光秀の娘婿となる明智左馬助の視点で、本能寺の変を追う作品。
3年前に、市川染五郎主演でTVドラマになっていたので、内容の方は分かってました。

まず第一印象はと云うと、文章が拙くて興醒め。
(時代小説に文章の美しさを期待しちゃいけないのは、分かってるんだけど…)

其れと、主人公の明智左馬助と云う武将は史料が少なく、史実として不明な点が多いため、出自の設定とか後付け感が強くて×。
配下の忍びが、尼子の蜂屋党の残党と云う設定も要らない。
総じてウソの設定が下手なので、作者が主張する「本能寺に抜け穴があった説」と云うのに、共感出来なくなってしまう。

また、天正の馬揃えの際に邪魔となった社も、重要な役割になりそうな雰囲気だったが、肩すかしに終わってしまい、伏線の張り方も、うまいとは感じなかった。

肝心の本能寺の変では、秀吉と家康の関わり方が今イチ分かり辛い。
此れは多分、他の二作品で書かれているで、わざわざ枚数を割かなかったんだと思う。
三部作併せて讀むと、100%楽しめるんでしょうね。(僕は、別に此れ以上加藤某の作品を読みたいとは思わないけど)

ただ全部がダメと云う訳でもない。
光秀が丹波攻めに手こずったと云うのは、山岳戦に不慣れであったからと云う事(織田軍全体を含めて)は、興味深い。
故に、信長が光秀の丹波平定を秀吉以上に評価したと云うのも、納得出来る話。

終盤の、湖水渡りから妻との別離を搦めた最期は、たっぷりと見せ場を楽しむ事が出来て◎。
狩野永徳から雲竜の陣羽織を貰ってから、見事湖水渡りを成功させる所のクライマックスは、非常にかっこいい(湖水渡りは事実じゃないけど)。
歌舞伎なら大向こうが飛ぶ見せ場だ。

最初はあんまり楽しめなかったけど、最後にご先祖様のおいしい所を見せてもらったので、まあまあの作品でした。

本日は此れ切り。
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Posted at 2010/10/31 23:04:32

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この記事へのコメント

2010年11月1日 7:39
さまのすけみつはる。 ですね~。
プチ好きな武将です。光秀が死ななければ
ひとかどの武将になってたでしょうにね~。
これぞ惜しい人材ではなかろうか。
明智家は、地味で暗い印象がありますが、
本当の日本人の感があります。ので、
小生には、好感がもてますね~。
あと稲葉一徹もいいですね~。(笑)
コメントへの返答
2010年11月1日 20:57
明智光春と云う人物は、明智軍記と云う悪書を筆頭に信憑性の低い史料にしか出て来ない名前ですね。
本人直筆の史料には、三宅弥平次と明智秀満としか残ってないので、光春と云う名前では無い事は確かの様です。

此の本では、左馬助を主人公にする事によって、光秀の行動を客観的に見せていると云うのが、うまいですよ。
2010年11月1日 11:23
織田家中で山岳戦が出来たのは柴田勝家の部隊と羽柴秀吉配下の川並衆だけだったのではないでしょうか?

先祖の美味しいところを読んだのですね!

先祖の遠い親戚が日ノ本一の兵の人より・・・・
コメントへの返答
2010年11月1日 21:12
確かに柴田勝家の北陸平定軍も、一向一揆のゲリラ戦に苦労してますからねえ。

光秀が主人公の小説やドラマには、第一の側近みたいな立場で大概出て来ますけど、主人公と云うのは少ないので、思わず買ってしまいましたよ(^_^)
2010年11月1日 12:30
家紋が桔梗の紋なんでしたっけ?
すごい方をご先祖にお持ちですよね~

こういった小説は作者の主観が介入せざる負えないので、あまり読んだことがありません
小説として割り切れば、楽しいのかも本

いつかご先祖様の古城巡りウマにも参らねばなりませんねウッシッシ
コメントへの返答
2010年11月1日 21:23
正確に言うと、丸に桔梗なので、明智家の桔梗とは違うんですねえ。
うちの家伝では、光春と云う↑で説明した嘘の名前なので、怪しいなあと最近思ってます。
坂本龍馬が、「汗血千里駒」で明智秀満の子孫になっているんで、ご先祖様が其の説をパクったのかも(^▽^;)

明智光秀紀行は、10年以上前に一度行った事がありますよ。
坂本城・福知山城・亀岡(亀山)城に行ったんですが、今の様にディープには見て廻れませんでしたね〜。
2010年11月2日 6:54
ご先祖様が小説になっていると、味わい方もまた違ってきて、大変興味深いものでしょうね。

今年の夏に大津へ行った時、ちょうどホテルの窓から、馬で渡ったと伝わる場所が見えました。

あそこの岸から、りょうさいさんのご先祖様が馬で渡ったんだなあと思いながら、見ていましたよ。

(笑)
コメントへの返答
2010年11月2日 20:07
なかなかカッコ良く書かれていたので、満足でしたよ(^_^)

湖水渡りは、フィクションなのに湖畔に石碑があるみたいですね。
以前大津に行った時は、場所が分からなかったんですけど、見てみたいもんです。

光春所縁の物は、東京国立博物館に南蛮具足があるんですね〜。
此れも、胡散臭いですが(^▽^;)
2010年11月2日 19:17
ご先祖さまが天王山に出馬していたら歴史も変わったかもしれませんね。

織田の次男坊に安土を燃やされずに済んだでしょうに…
コメントへの返答
2010年11月2日 20:10
光秀の山崎の合戦の戦略は、中途半端な感じですね。
秀吉みたいに乾坤一擲、一点集中出来ていれば、戦局は変わったかもしれません。
筒井順慶なんかも、味方についた可能性高くなったでしょうしね。

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「最近、みん友の皆さんにコメント出来なくてごめんなさいm(_ _)m」
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