• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

りょうさいのブログ一覧

2009年09月22日 イイね!

二人の悪人 9月歌舞伎座昼の部 後編

二人の悪人 9月歌舞伎座昼の部 後編後編は、「時今也桔梗旗揚」(ときはいまききょうのはたあげ)

除幕 饗応の場
戦国乱世、小田春永(富十郎)は太政大臣任命の勅使世尊寺中納言の饗応役を武智光秀(吉右衛門)に命じた。
光秀が着々と準備を進める中、春永は鷹狩りから上機嫌で帰って来る。ところが、桔梗の紋の入った天幕を見るや怒り出し、天幕を引き下ろし、品々を蹴り飛ばす。
光秀は諌めるが、春永の怒りは止まず、森蘭丸(錦之助)に命じ、鉄扇で光秀の眉間を割る。更に光秀は、蘭丸に饗応役を取られ、蟄居を命じられる。

二幕 本能寺馬盥の場
中国攻めの為、春永は本能寺に陣を張る。妹の桔梗(芝雀)や家臣の取りなしで光秀は面会を許される。やがて酒宴となるが、春永は光秀に馬盥で酒を飲む様に命じる。光秀は我慢して飲み干すが、所領を蘭丸に与える様に命じられたり、以前所望していた刀も他の家臣に取られてしまう。
あげくの果てに妻皐月が貧困の時に売った切髪まで、満座に暴露される。
光秀は切髪の入った箱を手にし、謀反を決意するのであった。

大詰め 愛宕山連歌の場
愛宕山の宿所で光秀の妻皐月(魁春)、安田作兵衛(歌六)らが連歌をしている。其の中桔梗が現れ、作兵衛に光秀の手紙を渡し、作兵衛は去る。桔梗から本能寺での話を聞いた皐月は涙する。
其処へ信長の上使が現れ、光秀に命を伝えようとするが、既に光秀は死に装束。
介錯を上使に頼むが、上使が光秀の辞世の句「時は今、天が下知る皐月かな」を見てはっとする所を、光秀は切り捨てる。
四王天但馬守(幸四郎)が駆込み、武智軍が本能寺を包囲した事を告げる。

以前から見たかった光秀物の狂言。内容は、江戸時代の稗史の類いをちゃんぽんした時代物。実名を使用する事を憚ったので、武智光秀=明智光秀、小田春永=織田信長である。 (他には、真柴久吉=羽柴秀吉、佐藤正清=加藤清正などがある)
光秀が徹底的に春永にいじめられると云う、所謂"怨恨説"がベースになっているが、今日では古くさく感じる。まあ、歌舞伎の話は荒唐無稽を楽しむ物なので、史実と合うとか合わないとかは問題ではないので良いんですけど。

此の狂言が面白く感じられるのは、光秀と春永ふたりとも悪役である事。ただし、春永の"暴"に対し、光秀は"陰"と云うべきか。
先日本で読んだのだが、此の狂言は観客に「此処まで我慢したんだから、謀反しちゃいなさい」と思わせるのが主題らしい。確かにいじめるのは春永だけで、蘭丸や他の家臣達も光秀に同情して取りなしてくれている。こうやって、光秀と春永の立場を二極化させているのであろう。
実は此の後も話が続くのだが、現在は愛宕山連歌までしか上演されない。光秀の忍耐からの解放を目的に置くならば、此処で終わるのが効果的な事は確かだ。

饗応、馬盥ともに幕切れが見所。特に馬盥はぐっと耐える中で、ぽんと切髪の入った箱を叩き、花道を入る。僕は、揚幕(花道で役者が出入りする所)のすぐ横を席で見ていたのだが、吉右衛門の無言の凄みが伝わって来た。

本日は此れ切り。
Posted at 2009/09/22 22:04:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 歌舞伎 | 趣味

プロフィール

「最近、みん友の皆さんにコメント出来なくてごめんなさいm(_ _)m」
何シテル?   07/21 22:46
車のサイトなのに、車ネタはあんまりありません(^▽^;) 最近は、中世城郭(江戸時代の城は其れほど興味ない)を中心とした史跡巡りのブログがメインになりつつあり...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2009/9 >>

  1 2 3 45
67 8 9101112
13 1415 16171819
20 21 2223 242526
27 2829 30   

リンク・クリップ

渡辺保の歌舞伎劇評 
カテゴリ:歌舞伎
2010/10/03 23:19:28
 
歌舞伎 on the web 
カテゴリ:歌舞伎
2010/10/03 23:18:30
 
城跡ほっつき歩き 
カテゴリ:城址巡り
2010/10/03 23:17:01
 

愛車一覧

マツダ デミオ マツダ デミオ
NA8Cの老朽化に伴い、2017/4/30納車となりました。 前の彼女(ロードスター)が ...
マツダ ユーノスロードスター 黒影 (マツダ ユーノスロードスター)
94年式 Sスペシャル 99年より所有。 車体色であるブリリアントブラックと、ロードスタ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation