お、奥さん…ﾎﾝﾄにいいんですか(*´Д`)ﾊｧﾊｧ

つい先日の事だ…。




見慣れない着信番号に戸惑っていた。

だが、声だけでＴさんの奥さんと解った。

約束していたアノ事だとすぐに察しがつく。

戸惑いと入れ替えに、熱くこみ上げるものが俺をかき立てる。

直電という大胆なｱﾌﾟﾛｰﾁに少し焦っていた反面、実はかなり嬉しかったのが本音だ。




Ｔさん宅までそれほど距離はないのだが、あの日はやけに遠く感じていた。

それは密かに抱いていた期待と、今日が最初で最後のﾁｬﾝｽという焦りがそう感じさせていたのだろう…。




門の前に彼女はいた。

俺を待ちきれなかったのか？

勝手な妄想に心が躍る。

俺に駆け寄ってきたしぐさからも、活発な性格と容易に察しがつく。

いい女とは言えないが、俺の気持ちを煽るには充分に許容範囲内だ。




「あおちーさん、いよいよね♪ｳﾌｯ」

その悪戯な眼差しも、俺の好みのひとつと気づかされた。

｢お、奥さん…ﾎﾝﾄにいいんですか？」




彼女は多分、かなり以前から俺の気持ちを見抜いていたに違いない。

でも、それも今になっては好都合だ。

にやけていた…。




これで気が済むまで俺のものにできる。

はちきれるまでに膨らんだ欲求を、ようやく今ここで開放できる。

おもむろに手を差し延べる…。






無我夢中だった…。

増幅しすぎた欲求ゆえ、解放するにはそれほど時間は掛からなかった。




｢今年は猛暑のせいなのか大きめのようね♪ｳﾌｯ｣



｢そうですね！これだけあれば充分ですよ、ありがとうございました！｣

Ｔさん宅には立派な栗の木があり、栗の実を少し分けてもらう約束をしていたのだ。




…これだけ拾えばもう充分だ。

ようやく全てが俺のモノになった。

もうすぐ持て余していた欲求を解放出来るのだ…。

あとは栗ご飯さえいただければ、

全ての欲求から解放されるのだ…。