ワークスのタコメーターは動かせるのか?
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アルト・キャロルの速度計にはタコメータがついていないが、同じ36S系のアルトワークスやターボRSにはタコ付のメーターが標準搭載されており、それらの本体やコネクタの形状は全ての36S系に対して共通である。従って物理的に換装することは非常に簡単なので、私はゆくゆくワークスの純正メーターに取り替えようと思っていた。だが、購入前の調査でそう上手くいかないことが分かったのだ。というのは、前者のメーターは接続してもタコメータだけ動かないよう対策されているのと、後者のメーターは完全動作するものの、流通しているほぼ全ての個体が夜間の輝度が高すぎる不具合を抱えていることがわかったからだ(まぁ、不具合と書いたが実際そう呼べる程困るわけではないしリコールでもないので、スズキ販売店は自ら申し出たRS購入者に対してのみ交換に応じており、出回っている対策品の数は極めて少ない)。さらにターボRS自体が現在終売となっており、中古市場に出てくるものは距離を走ったものが多いこと、ポン付でタコメーターが動作するせいかワークスのそれより比較的高価なのも気に入らなかった。
外付けが嫌いで純正の見た目に収めたい私はワークスのメーターをどうにかして使えるようにできないか画策を始めた、というのが事の発端である。
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HA36Sのサービスマニュアル入手以降、各所の回路図を見て考察を繰り返した。
それまで私はてっきり回転信号の入ってくる信号線を正しくメーターに繋げれば動くんでしょ?などと簡単に考えていたのだが、今どきの車はそんな甘くないようで。
この車両ではエンジン回転信号はCAN通信というものでECMから送信されていて、信号を受け取ったメーター内のCPUがタコメータを動かす仕組みになっている模様だ(回路図中央左側、CPUから直接ニョキっと生えているTACHO_METER)。ターボRSのメーターであればタコメータが動くという事実を鑑みると、回転信号自体はメーター側で受信されていることは間違いない。
なので、回転信号を受信したメーター内のCPUが、なにがしかの理由で「この車両でタコメータを動かしてはならない」(=ワークスではない)と判断してタコメーターの動作を止めているものと思われる。
しかし、その判断材料が何であるのか皆目見当がつかないのだ。
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CPUがタコメーターを動かさない判断基準となっているものを洗い出そうと、メーターの回路図から接続先を辿ってみたが、いくら探してもメーターを動かす・動かさないに影響を及ぼしそうなハードウェアが存在するようには思えなかった。
恐らくソフトウェア的な制御であろうということで、CAN通信のデータ中、メーターが受信するもので「ワークスには存在するがその他のグレードには存在しない」ものを探してみた(T=送信・R=受信・※11=WORKS仕様)。
結果、ブーストインジケーターの表示点灯要求信号に行き当たったが、これを送信するにはワークス仕様のECMを入手する必要があり、NA車にそれを換装して検証する気にはならない。最悪エンジンぶっ壊れそうじゃん?却下。
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もう1つの策はワークス用メーター内部のCPUが悪さをしているのなら、基盤レベルにまでバラしてターボRS用メーターのCPUに換装してしまえ!という方法だが、メーター2台買わなきゃなんないしノートPCのBGAタイプCPUの換装と変わらない手間だし、もはや車のDIYじゃないw
残念だが、確証のない割に検証があまりに大変でワークス用メーターに換装する気力を削がれてしまった。
もう(走行距離さえ合えば)ターボRSのメーターで我慢すりゃいいじゃん。というところが本記事投稿時現在における結論である。
何か当案件についてご存じの方がいらっしゃれば情報を頂けたら幸甚である。
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【2022年4月1日追記】
発想の転換によるひどい方法でワークスのメーターが動いているようにすることはできた。動画は関連情報URLにてw
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