
この3月に登録抹消し、今はガレージのオブジェと化している、我が家のムルティプラ。
雑誌などで取り上げられると、正直、ムルの本質をついていない記事も数多くありました。6年間乗っていてわかる事は、「パイクカー」でも「イタリアンデザインの真髄」でもない、イタリア人が真面目に考えて作った商用車だということ。こればかりは、所有して毎日使用するとよくわかること。
確かに、頭がおかしくなったとしか思えないあの内外装のデザイン。でもこれはデザインありきではなく、必然性から生まれてきたもの。スバル360があのスタイリングなのは可愛らしさを表現したわけではなく、機能的に突き詰めていった結果だというのと同じ事だ。
現在、世の中にそんな車がどれくらいあるんだろう。旧チンクのキャンバストップが振動と音を逃がすためだ、とか、初代パンダの平面ガラスがコスト削減のためだったとか。ダイハツのネイキッドは前後のドアを共有するといった、ちょっぴりニヤリとさせる小ネタがありましたっけ。
七月に、きたムルさん、撮影隊長さんのムルに触れる事が出来ました。特段速いわけでも、豪華なわけでも、乗り心地が最高なわけでもないのに、「あぁ、いいなぁ!」 とくつろぎ和んでしまうですよね。
妙に床の高い室内。ワインディングではまったくサポートしなくて、少々固めだけど、長距離疲れない不思議なシート。ステアリングの左すぐにある、スポーツカーのようなショートストロークなシフト。4mしかないのに、信じられないくらい広くて明るいキャビン。
そして、何よりも家族3人が並ぶ幸せな空間。
ムルを離れても、ムルには思いが残ります。だからこそ、ガレージにいるんですよね。これを作った本国のFIATの方々は、遠い極東の北のはずれの島でそんな思いの人間がいるなんて想像がつかないかもしれませんね。
我が家のムルの再生…これが、私のブログ(本店の方です)の壮大なる隠されたテーマです(笑)。それには、まだまだ時間が必要です。ま、とりあえず、
相方を洗脳して、いや、間違った…相方にムルの素晴らしさを理解し、運転していただくことが第一歩ですね(笑)。
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Posted at
2011/08/02 10:30:29